男性ユーザーの振る舞いは高リスクという結果も

ネットは路上より危険? シマンテックがネット犯罪レポート

2011/09/13

 シマンテックは9月13日、コンシューマー向けセキュリティ対策ソフトの最新バージョン「ノートン インターネット セキュリティ 2012」「ノートン アンチウイルス 2012」を発表した。同時に、世界のネット犯罪の被害額は年間1140億ドルに上るとする「ノートン ネット犯罪レポート」も公表している。

 このレポートは、2011年2月6日から3月14日にかけて、調査会社のストラテジーワンが実施したもの。日本や米国をはじめとする24カ国に在住する1万9636人にインタビューした結果をまとめた。

 世界全体ではインターネット利用者の69%、つまり3人に2人以上が、一度はウイルスやマルウェア、フィッシングといったサイバー犯罪の被害に遭っていた。これは「1日に100万人以上が被害に遭う計算になる。毎時に直せば5万人、毎分820人が被害に遭うということだ。東京の路上でこれだけの人が襲われるような事態はないが、サイバースペースではそれが現実に起こっている」(米シマンテック ノートン サイバーセキュリティ リードアドバイザー アダム・パーマー氏)。

 こうしたネット犯罪による直接の被害額は、年間1140億ドル。システムの復旧に要する時間や機会損失分を含めると、3880億ドルに上るという。

 一方、日本国内に限ると、ネット犯罪の被害に遭った比率は少し下がって38%。具体的な被害の上位3つをウイルス/マルウェアや性犯罪者による接触、それにSMSを通じたフィッシング(スミッシング)が占めたが、「これらは防ぐことが可能な犯罪だ。最新のセキュリティ対策ソフトを導入して更新し、安全のためのセキュリティステップを踏んでいれば避けることができる」(パーマー氏)。

 ちなみに男性と女性とでは、ネット犯罪を経験した比率に有意な差があった。女性は30%だったのに対し、男性は47%に上る。理由としてパーマー氏は、「振る舞いの違いに基づくものだと思う。日本の女性に比べ、20倍の男性がアダルトサイトを閲覧し、3.5倍の男性がオンラインゲームを利用している。こうした振る舞いはリスクが高いものだ」と述べた。

 パーマー氏はさらに、携帯端末関連のネット犯罪を経験したユーザーは全世界で10%、日本でも7%に上ることに触れ、「インターネットにつながる携帯電話やタブレット端末は、サイバー犯罪者にとって格好のターゲットになりつつある。この傾向は今後も続くだろう」と警鐘を鳴らしている。

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(@IT 高橋睦美)

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