Amazon EC2へのシステム移行も可能
AWS、社内データをクラウドにバックアップするサービスを提供開始
2012/01/26
米Amazon Web Servicesは1月24日(米国時間)、社内データを自動的にクラウドへバックアップできるサービス、「AWS Storage Gateway」を公開ベータサービスとして提供開始した。現在、東京リージョンを含む6つのリージョンで利用できる。
このサービスは、ユーザー組織の社内で仮想マシンとして、Storage Gatewayソフトウェアを動作させて利用する。このStorage Gatewayソフトが、定期的あるいは管理者の操作にしたがって社内アプリケーションデータのスナップショットを取得し、暗号化してAWSのAmazon S3に送り、Amazon EBSのスナップショットとして保存する。ユーザー企業は、このバックアップデータを用い、社内のデータの復旧ができる一方、Amazon EC2インスタンスからこのデータをマウントし、クラウド上にアプリケーションを移行することも可能。このため、AWSでは、AWS Storage Gatewayが一般的なバックアップ、災害対策/事業継続対策のほか、社内とAWSス相互間のアプリケーション移行にも活用できるとしている。
より詳しく説明すると、Storage Gatewayは現在のところ、VMwareの仮想マシンとして提供されている(将来、他の仮想化環境への対応も予定されている)。このため、無償版あるいは有償版のVMware ESXiをインストールしたコンピュータ上で動かすことになる。Storage Gatewayはアプリケーションサーバに対してiSCSIデバイスとして機能する。AWSは、ユーザー企業社内のアプリケーションサーバの一次ストレージとしてStorage Gatewayを利用することを想定しているようだ。ただし、実際のデータは、Storage Gatewayを経由してこのソフトウェアの動作するコンピュータの内蔵ディスク、あるいはこのコンピュータ(あるいはESXiホスト)にネットワーク接続されたSANストレージに保存される。このデータを対象に、データの差分をスナップショットとして順次Amazon S3に送信する仕組みだ。
最大1TBのボリュームをStorage Gateway 1インスタンス当たり12個まで管理できる。アプリケーションサーバ側で、Storage Gatewayボリュームのマウントに使えるiSCSIイニシエータとしては、現在のところWindowsとRed Hatのイニシエータのみをサポートしている。
AWS Storage Gatewayサービスの料金は、稼働するゲートウェイ1インスタンス当たり月額125ドルに加え、Amazon S3にAmazon EBSスナップショットとして保存するデータの量、そしてデータ転送料金で構成される。上り(AWS側への転送)は無料であるため、基本的にはデータを社内にリカバリする際にのみデータ転送料金を支払うことになる。
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