SSDやioDriveも選択可能でコストパフォーマンスを追求

さくら、最速10分納品でクラウドっぽい専用サーバの提供を開始

2012/02/21

 さくらインターネットは2月21日、物理サーバを使った専用サーバサービスでありながらクラウドのような使い勝手を兼ね備えた「さくらの専用サーバ」を提供すると発表した。2月29日から提供を開始する。

 これまで一般的な専用サーバサービスでは、申し込みから利用開始まで、数時間から数日かかっていたが、これを最短では数分から10分とした。また、OSのインストールや(再)起動をコントロールパネルからセルフサービスで可能としたのがポイント。物理サーバをリモートから操作するための標準規格「IPMI」(Intelligent Platform Management Interface)を使うことで、物理サーバの遠隔操作と自動化を進め、クラウドサービス上のサーバインスタンスと同じように物理サーバを管理・操作可能とした。IPMIによる物理サーバの操作はユーザーにも開放し、独自開発のコントロールパネルでは、複数サーバの一覧から、個別に再起動やOSの再インストール、あるいはRAID構成の変更などができるという。また、コンソール画面にアクセスできるため、iptablesの設定ミスなどでssh接続ができなくなる状態などでも、ホスティング事業者に個別に対処してもらう必要がなくなる。

comp.png サービス比較
remote.jpg コンソール画面
control.jpg コントロールパネル

利用可能なサーバは即納、カスタムの2系統

 利用可能なサーバは「HP ProLiant DL2000」を採用する「エクスプレスシリーズ」と、「DELL PowerEdge R510」を採用する「フレックスシリーズ」の2系統がある。エクスプレスは、幅広いニーズに応える即納タイプで、フレックスシリーズは多様なSSD、ioDriveのオプションを用意したタイプ。

 エクスプレスシリーズは、4コアのCPUと16GBのメモリ(最大64GB)、1TBのRAID1構成のハードディスクで初期費用7万9800円、月額9800円から。標準提供OSはCentOS6の64ビット版。100Mbpsの共有回線(ベストエフォート)が標準で含まれる。一般的な専用サーバより、メモリは多めで、手作業によるメモリ増などのカスタムをなくし、自動化を進めたことで最短10分納品を実現したという。今回の専用サーバは北海道・石狩のデータセンターに用意しており、ヒューレット・パッカードやデルといったハードウェアベンダに、データセンター内に直接在庫を置いてもらうことで、短納期と低リスクの在庫調整を実現したという。また、冷却効率の高い石狩データセンターを使うことで、従来であれば間隔を空けてラックに搭載していた高密度の2Uサーバを、詰めて設置することができ、高いコストパフォーマンスを実現したという。エクスプレスシリーズではSASの600GBや、MLC-SSD 160GB(RAID1)も利用可能。SSDを選択した場合でも、即納が可能という。

express.png エクスプレスシリーズの価格

 フレックスシリーズは、最大12コアのCPUやFusion-io社のioDriveを搭載できるなど、構成の自由度やスペックの高さを売りにしたシリーズ。SSDの選択肢としてエクスプレスシリーズで提供しているIntel 320シリーズだけでなく、よりパフォーマンスに優れたSSD Intel 520、サーバ向けでデータ訂正機能のあるSSD Intel 710も提供する。納期が15日程度となる場合もあるが、PCIe接続SSDのオプションとして、ioDrive 320GB(初期費用なし、月額3万1500円)、2倍速のioDrive Duo 640GB(初期費用なし、月額6万3000円)も提供する。

flex.png フレックスシリーズの価格

プログラマブルDC構想への一歩「サービス間L2接続」

 石狩データセンターで提供している、さくらのクラウドと、今回リリースするさくらの専用サーバのネットワークをレイヤ2で接続する「サービス間L2接続(VLAN ID変換)を4月から5月にかけて提供予定という。これにより、Webサーバだけクラウドを使い、コアのシステムを専用サーバとするハイブリッド構成が可能となるという。

 VLAN ID変換によるL2接続サービスで実現していることは、事実上「L2接続点」の提供で、将来的には他社サービスとのシームレスな接続も視野に入っているという。当初は同社サービス間、同一データセンター内での提供となるが、今後は、例えば石狩データセンターのクラウドと、新宿のデータセンターを同じセグメントとして扱えるようにしたり、あるいはKDDIなど他社が提供する広域VLANとの接続も可能になるという。

 今回の専用サーバサービスでサービス間L2接続の機能を提供する背景には、同社の「プログラマブルデータセンター構想」があるという。構想の方向性は、仮想、物理のリソースを一元的にAPIを介してコントロールするというもので、L2接続に続いて、V2P、V2V、P2VなどのOSインスタンスの相互自動変換機能の提供なども検討しているという。

 IaaS市場で価格競争が進む一方、Amazon Web Servicesのように抽象度の高いレイヤで高度にクラウドサービスを発展させた競合が存在する中、さくらインターネットは、物理サーバを統合した形でクラウドに結合することでコストパフォーマンスで勝負しようとしているようだ。

(@IT 西村賢)

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