ティブコ、「ユーザー自身による日常的な分析と共有を実現」分析製品の最新版「Spotfire 4.0」発表。tibbrとの連携も可能

» 2012年05月28日 00時00分 公開
[内野宏信,@IT]

 日本ティブコソフトウェアは5月24日、分析プラットフォーム製品「Spotfire 4.0」を発表した。企業内に散在する各種データソースやアプリケーションデータを基に、エンドユーザー自身がクライアントPC上で、任意の視点でスピーディに分析できる。また、同社が提供する企業向けSNS製品「tibbr」との連携により、各ユーザーが分析によって得た知見をリアルタイムに共有できる環境を整備できるという。

IT部門や分析官に頼らず、ユーザー自身の探索的分析を実現

 Spotfire 4.0は企業内に散在する各種DBやDWH、またCRMなどの各種アプリケーションデータをサーバに取り込んだあと、クライアントPCのクライアントソフトにダウンロード。その後、クライアントPCのメモリ上にデータを展開して処理することで、スピーディな分析を実現している。事前に定義されたビューや集計に左右されず、ユーザー自身が棒グラフや円グラフ、チャートなど、さまざまなビジュアルを見ながら、探索的に各種データを分析したり、ドリルダウンできたりする点が特徴。iOSにも対応し、iPad上での使用も可能だ。

写真 事前に定義されたビューや集計に左右されず、ユーザー自身が棒グラフや円グラフ、チャートなど、さまざまなビジュアルを見ながら、探索的に各種データを分析できる

 「多くの企業がBIを導入しているが、過去を確認するレポーティングに使われているケースが一般的。また、『あらかじめ知りたいことが決まっている』場合、BIは有効だが、『探索的に何らかの知見を得る』という用途では使いこなせていないケースが多い。分析して知見を得るにしても、高度な統計・解析のスキルを持つ人材は限られている。だが、ビジネスの状況は変化し続けている。その点、エンドユーザー自身が任意のビジュアルを使って、容易かつスピーディに“考えながら分析”できる環境が整えば、分析という行為が根付き、あらゆる知見を次のアクションに生かせる文化を醸成できるはずだ」(米ティブコ ティブコ・スポットファイアー マーケティング・バイスプレジデント マーク・ロリオン氏)

 操作は直感的に行え、基本的にマウス操作だけで「1日分のデータ比較」や「1カ月分のデータ比較」「地域ごとの売上推移」など、任意のデータ項目を円グラフや棒グラフなどを使ってグラフィカルに表示できる。特に、Microsoft Office Excelでまとめた数値のみのデータシートも、瞬時に、任意の軸でビジュアル化できるため、「それまで見落としていたような隠れた知見を発見しやすくなることもポイント」だという。

tibbrとの連携により“分析”が業務活性化のドライバに

 また、「Spotfire 4.0」がユニークなのは、同社の企業向けSNS「tibbr」と連携できる点だ。tibbrは同僚の近況や商談の進捗、データや資料などをリアルタイムに共有できるコラボレーションツールで、Twitterのように自身の発言やフォローしたユーザーの発言がタイムライン上に表示される。

 大きな特徴は、ユーザーの発言だけではなく、各種社内システムと連携し、例えば「買掛金」「売り上げ高」など、各種業務データもフォローできる点だ。各ユーザーが自身の業務で必要とする「情報」をフォローしておけば、その情報が更新されるたびにユーザーに自動的に更新が通知され、タイムライン上に表示される。また、例えば受発注システムなど社内システムと連携させれば、tibbrの画面上に埋め込んだシステム操作画面からシステムを利用できるなど、情報共有とアクションの連携に配慮している点が1つのポイントとなっている。

写真 tibbrとSpotfire 4.0を連携させると、Spotfire 4.0で分析したグラフなどをtibbr上でフォロワーと共有できる

 このtibbrとSpotfire 4.0を連携させると、あるユーザーがSpotfire 4.0で分析したグラフなどを、tibbr上でフォロワーと共有できる。加えて、その通知を受けたユーザー側が、tibbr上に表示されたグラフを操作し、任意のグラフに作り変えて分析を続行することもできる。これにより、「重要なデータだけではなく、各ユーザー独自の視点やアイデアも共有でき、おのずと業務活性化や、次のアクションに向けた迅速な意思決定につながる」(ロリオン氏)。

 ロリオン氏は「Two-second Advantage――たとえ、数秒、数分、数時間でも、正確な情報を競合企業より早く、事前に入手することは、6カ月後に大量の情報を得ることよりはるかに価値がある」という同社の理念を紹介。「Spotfire 4.0を通じて、ユーザーが新しいインサイトを得て、ビジネスを迅速・適切に推進できるよう支援していきたい」とまとめた。価格は、指名ユーザー/3年間の期間使用権ライセンスで、540万円から(税別・初年度メンテナンス費用含む/為替変動による調整あり)としている。

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