アプライアンスとクラウドを組み合わせて提供

バラクーダ、国内バックアップ市場にも参入

2012/08/03

 バラクーダネットワークスジャパンは、これまで主力としてきたセキュリティ市場に加え、バックアップ市場にも進出する。7月9日には、バックアップアプライアンスのシン機種「Barracuda Backup Server 1090」を発表し、中堅/中小企業から大企業まで、幅広い顧客への導入を目指すという。

 同社は国内では主に、スパムメール対策アプライアンスのほか、WebフィルタやWeb Application Firewall(WAF)といったセキュリティアプライアンス、負荷分散装置を提供してきた。しかし米国では2010年から、バックアップ専用アプライアンス「Barracuda Backup Server」を投入しており、売り上げの大きな部分を占めるに至っている。国内でも4社と販売代理店契約を結び、アプライアンスとクラウドを活用したバックアップソリューションを提供していく計画だ。

 Barracuda Backup Serverでバックアップしたデータは、アプライアンス単体だけでなく、同社が提供するクラウドサービス上に保管することもできる。遠隔レプリケーションの一種として、災害対策に活用することも可能という。現在、クラウド基盤は米国で運用しているが、9月には日本版も展開する計画だ。なお、異なる拠点に配置したアプライアンス間でデータをレプリケーションすることも可能だ。

 アプライアンスとして提供するため、導入が容易なことも特徴だ。しかも、バックアップ対象となるサーバやクライアント単位ではなく、アプライアンス単位のライセンス体系を採用している。このため、バックアップ対象の台数が増えてもライセンスを追加することなく利用でき、コストパフォーマンスに優れているという。

 さらに世代管理ではなく、「リビジョン」という独自の概念に基づくバックアップ管理を行う。特定の日付のデータ構成をメタデータとして保存しておき、その情報に基づいて任意の日付のデータをリカバリできる仕組みだ。ほかに、重複排除やAES 256ビットによる暗号化、Hyper-VやVMwareといった仮想環境でのバックアップにも対応している。

 従来提供してきたモデルは、バックアップ保存容量が500GBから24TBまでと、比較的中堅中小企業を対象にしていた。新モデルの「1090」は、最大90TBまでのバックアップに対応する。この投入を機に、大手企業や官公庁などへの導入もにらんでいくという。

(@IT 高橋睦美)

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