大量データの長期保存用途を狙う

AWS、超低料金のデータアーカイブサービス発表

2012/08/21

 米Amazon Web Services(AWS)は8月21日、新たなデータアーカイブサービス「Amazon Glacier」(Glacierは「氷河」の意味)を発表した。料金は、東京リージョンの場合1GB当たり0.012ドル/月。この低価格が最大の特徴だ。提供開始リージョンは米国東海岸(北バージニア)、米国西海岸(北カリフォルニア)、米国西海岸(オレゴン)、西ヨーロッパ(アイルランド)、アジアパシフィック(シンガポール)、アジアパシフィック(東京)。

 GlacierはAWSのストレージインフラ上にユーザーが論理的な保管場所「ボールト(vault)」を作成し、これに単一あるいは複数のファイルから成る「アーカイブ(archive)」を保管できるサービス。ボールトはAmazon Management ConsoleあるいはAPIで作成・構成が可能。アーカイブのアップロード/ダウンロードはREST API1で行う。保存できるデータの総量に制限はない。単一のアーカイブは最大40TBに限定される。このサービスはAWS Import/Exportにも対応する。このため、データを保存したポータブルメディアをAWSに送付することでアップロードができる。

 上述のように、アーカイブ単位でデータのアップロード/ダウンロードを行うデータの管理方法からも分かるように、Glacierはアクセスされることの少ない大量データを、長期間保管するためのサービス。料金体系も、こうした使い方に即したものとなっている。

 東京リージョンを例にとると、まず従量課金のデータ保管量は、月刊平均保管量1GB当たり0.012ドル/月。そのほかに、アップロード/取り出しリクエストに掛かる料金として、1000リクエスト当たり0.0060ドル/月。データ転送料金は、アップロードについては無料。別リージョンへの取り出しは、取り出し量が多くなるほど高い料金が適用される。例えば10TB/月を超えた次の40TBの取り出しについては、1GB当たり0.158ドル/月など。

 月間平均保管量の5%を超えるデータの取り出しについては、1GB当たり0.012ドル/月がチャージされる。また、アップロード後90日未満で削除されたデータについては、1GB当たり0.036ドル/月が掛かる。

 AWSでは、「顧客がデータライフサイクルポリシーに基づき、Amazon S3とAmazon Glacierとの間でシームレスにデータを移動できるオプションを、Amazon S3で今後提供する」と説明している。つまり、ストレージの自動階層化管理を提供するということだろう。

(@IT 三木泉)

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