[Analysis]

2002年IT業界キーパーソン発言集

2002/12/25

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 2002年各月の人気記事における業界キーマンの発言をピックアップし、テクノロジトレンドを概観する。2002年最大のキーワードは「Webサービス」だろうか。マイクロソフトのセキュリティ戦略から始まり、オープンソースコミュニティの活動、開発ツールの動向などIT業界の主要なトピックは常にWebサービスの影をちらつかせていた。標準化のめどがつく2003年は、Webサービスが本格的に普及するのだろうか。各社の攻防もさらに激しさを増すに違いない。

1月 米マイクロソフト Windows事業部担当上級副社長 Brian Valentine氏  「マイクロソフトはLinuxとの競争体制を強化する。具体的には、社員を増強して競争力のあるリソースを提供する。さらに、LinuxとWindowsの両OSの運用コストの比較調査をアナリストに依頼する」

2月 インターネット総合研究所代表取締役所長 藤原洋氏  「これからのネットワークは、IP型の距離・帯域・利用量に応じた定額課金をベースに、ユーザーサービスやコンテンツで課金するモデルとなる」

3月 サン・マイクロシステムズ 会長兼CEO スコット・マクニーリ氏  「Sun ONEは、セキュリティ機能を付加し、.NETはウイルスを付加する。Sun ONEは、シェア(共有)のための技術で、.NETはスティール(盗む)ための技術。Sun ONEでは開発コミュニティを作れるが、.NETは独自コミュニティはハイジャックされる」

4月 マイクロソフト デベロッパー・マーケティング本部 デベロッパー製品部 マネジャー 田中達彦氏  「マイクロソフトの場合、Windows 2000 Serverと.NET Frameworkでアプリケーションサーバの役割を満たし、フレームワークおよびアプリケーションはパートナー企業が自由に構築できる。マイクロソフトは独占といわれるが、弊社を信じてついてきてくれるパートナーがもうかる仕組みを提供する」

5月 Covalentのマーケティング担当副社長 Jim Zemlin氏  「現時点でアプリケーションを論理的に3層に分割する場合は、Webサーバに力を入れる方がアーキテクチャ上は理にかなっている。だがIBM、HP(ヒューレット・パッカード)、BEA(システムズ)といったアプリケーションサーバ中心の企業は、このWebの階層にあまり重点を置いていない」

6月 日本オラクル オペレーション担当 シニアバイスプレジデント 山元賢治氏  「企業がある程度の年月が経つと“踊り場”に差し掛かるのは当たり前。12歳の日本オラクルも例外ではない。ただ、この“踊り場”をいかに短くするかで企業の真の実力が試される」

7月 米IDC eビジネス Java/XML担当ディレクター ダーク・コバーン氏  「Webサービスはまだかなり早期の実装段階にある」

8月 KDDIの代表取締役社長 小野寺正氏  「今後の携帯電話もムービー、GPS中心に発売する」

9月 マイクロソフトの取締役エンタープライズビジネス担当 鈴木和典氏  「企業によるマイクロソフト製品への信頼度が上がってきた。ツールの提供をきっかけにノーツ/ドミノからの移行が進む」

10月 ■日本IBM ソフトウェア事業部 WebSphere事業推進部 部長 大古俊輔氏  「IBMが目指すオープン化の1つ窓口として、今回のStrutsの機能拡張を位置付けている。オープンソース・コミュニティに対し日本から機能拡張の成果を返せるのは非常に喜ばしいことだ」

11月 ソフトバンクの代表取締役社長 孫正義氏  「来年には数千タイトルの映画を見ることができるようになる」。

12月 IBM Autonomic Computing Vice President アラン・ガネック(Alan G. Ganek)氏  「(オートノミック・コンピューティングは)システムにインテリジェンスを持たせる仕組みだ」

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