[Analysis]

実はすごい? ライブドア証券

2005/04/19

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 フジテレビ・ニッポン放送と和解し、資本関係を結んだライブドアは、1997年の設立からわずか3年で東証マザーズに上場し、時価総額約2300億円、従業員数1400人の企業にまで成長した。その売り上げの約5割、利益の約9割を金融関連事業が占め、中でもライブドア証券の貢献度は大きい。

 ライブドア証券は、日本グローバル証券が前身だ。2004年2月にライブドアがTOB(株式公開買い付け)によって約40億円で買収し、子会社化した。証券会社のなかでは中堅に位置するが、画期的な手数料体系を打ち出して利用者を増やしているという。その背景には、「もともとライブドアが本業としているデータセンター事業のITインフラをバックに、株取引のIT化を促進して合理化を図る」といった戦略がある。

 Yahoo! BBの登場以降、ADSL加入者が急増し、世界でもトップクラスのブロードバンド大国となった日本。インフラ面が充実していった一方で、ブロードバンド向けコンテンツの不足が懸念されている。音楽や動画配信が注目されており、USENやヤフー、ISPなどが参入しているが、まだ立ち上がり始めの市場と言って差し支えないだろう。そのような、ある種の“宝の持ち腐れ状態”のなか、インターネットを介して株の取り引きを行うオンライントレードが活気を出してきている。一説によると、個人の株取引全体におけるオンライントレードの比率は約7割に達したという。

 従来の株取引のイメージといえば、証券会社の担当者に電話で指示を出して売買を行い長期間保有する、というものだった。しかし、ブロードバンドインフラが充実した現在では、秒単位で変化する株価をインターネット経由でリアルタイムに監視し、秒単位〜分単位で売買を繰り返すという手法が可能となった。そのような取引形態で問題となるのが、株の売買手数料だ。秒単位、分単位で株の売買を行うと、1日で数十回、多い場合で数百回の売買を行う場合も想定される。取り引き回数が多くなれば、手数料の金額も増加する。

 オンライントレードの手数料で目を引くのが、3カ月間の株式手数料が無料になるライブドア証券の「プレミアムトレードパス」だ。パスの料金18900円を支払えば、その間の手数料(現物取引に限る)が無料になるというものだ。実質的に1カ月6300円で株取引し放題という計算になる。株取引の手数料が“定額制”に近づくと、株価が1円でも上昇すれば利益を確保できる。

 こういった株取引の形態は、インフラに求められる安定性やセキュリティも高いものが求められる。IT技術で秒単位の取り引きが可能となれば、コンマ数秒の遅延が金銭的なダメージになり得る。ベストエフォート型の回線を利用している場合には回線の問題も無視できないが、証券会社側もより強固なセキュリティと安定したインフラを求められている。逆にインフラを強固すれば、その証券会社の訴求ポイントの1つにもなるだろう。今後、証券各社が手数料競争以外にどんな手法で勝負してくるのか、楽しみだ。

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