[コラム:Spencer F. Katt]
ビジネス色が強まるLinuxWorld

2004/2/2


 イェェェッハァァァー! LinuxWorldの会場となったニューヨークのヤコブ・ジャビッツ・センターで、ようやく施錠されていない入口を発見したとき、凍えきった吾輩は、まるでディーン候補のように絶叫した。コスト計算しか頭にないイベント・プランナーが、セキュリティを強化する代わりに会場へアクセスできるドアの数を制限したのだ。奴らにしてみればグッド・アイデアだったかもしれないが、結局のところ、低予算で運営せざるを得ない事実を公言しているようなものだ。

 さて、HP、ノベル、レッドハットなどのベンダがキャットファイトを繰り広げる会場の熱気のおかげで、吾輩はすぐさま解凍した。各社はいずれも、SCOの提訴でとばっちりを受けることがないよう顧客に免責を保証していたが、最も優れた法的保護を提供しているのはわれわれだとして、互いに中傷合戦を展開していた。あるベンダのエグゼクティブがHPのオファーを「チープなマーケティング的曲芸」とこき下ろせば、ほかのベンダはレッドハットの提案を「何の意味もなさない」とけなす。そうかと思えば、別のベンダはノベルのプランを「ゼロ・プラス・ゼロはゼロ」と切り捨てる。

 いやはや、LinuxWorldはちょっと前までエキセントリックなエンスーたちの和気あいあいとしたコミュニティだったはずなのに、だれがビジネス・スーツのおっさん連中を連れてきたんだ?

 それはさておき、吾輩はジャビッツ・センターの食堂でエンドレスに流されるIBMの耳障りなコマーシャルを無視しながら、欧州から視察に来たLinux関連団体ご一行の重要人物とおぼしき紳士の話に聞き耳を立てた。その人物の話によると、どうやらオーストリアのウィーン市はまもなく行政システムをオープンソースへ移行するらしいね。吾輩はソーセージをほおばり、隣席のペンギン信奉者からも米国内の最新情報を聞き出した。彼の話では、ある大手航空会社も近くLinuxにコンバートするそうだ。社名は明らかにしなかったが、系列に「ソング」という格安航空会社があるといえば……。

 一方、吾輩の旺盛な食欲もしだいに満たされようとしていたとき、背後からIBMのエグゼクティブ、ジム・スターリングスの嘆き声が聞こえてきた。なんでも、「DB2」データベースの次期バージョン(コード名:Stinger)に、つまらない名前が付けられそうだというのだ。「かっこいいコード名を付けても、結局、製品名になるとAS/400だとかになっちまうんだよな」と、彼はため息をついていた。

 その夜、マンハッタンの21クラブで飲んでいると、酔っ払った友人がこんな話をしてくれた。IBMは企業内Linux革命のポスターチャイルド(優等生)だけど、マイクロソフトのWindows 98拡張サポートで一番恩恵を受けるのは、実はLinuxデスクトップへの移行が遅れているビッグブルーの従業員なのだとか。というのも、IBM従業員のラップトップの多くは、現在もWindows 98が稼動しているからだ。友人によると、会社が上位バージョンへのアップグレードを許していないらしい。

 吾輩がパイの上に落ちた毛玉を取り除こうと悪戦苦闘していると、友人はさらに話を続けた。シーベルのCEO、トム・シーベルは自主的にホステッドCRMに宗旨替えしたのではなく、オニックスとの提携に失敗したIBMがその代替として「Siebel CRM OnDemand」を発表させたのだという。シーベルのライセンス収入の低迷がIBMのデータベース部門とサービス部門の収益を直撃することを考えれば、おそらく強制に近いものだったに違いないね。

*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です

[英文記事]
Linux Whirled

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