Spencer F. Katt

マイクロソフトvs.ヤフー、延長戦へ

2008/04/21


 オークランド・コロシアムで吾輩は、あたかも地元にいるかのように誰はばかることなく歓声を上げた。なんという幸先のよいスタートだ。わがボストン・レッドソックスはその日、アスレチックスを敵地で完膚なきまでに叩きのめしたのである。

 人影まばらなスタジアムにいた観客のほとんどは、西海岸へ転居した元ニューイングランド住民のように見えた。吾輩と同様、彼らもシーズン早々に会社をサボり、ディフェンディング・ワールドチャンピオンに声援を送ろうと勇んでスタジアムに足を運んだに違いない。

 が、ゲームが終わると、吾輩の興味はすぐにボックススコアからベイエリアの未確認情報へと移った。シリコンバレーの情報筋によると、敵対的な様相を見せつつあるマイクロソフトの買収攻勢に果敢に立ち向かうヤフーへ多くのファンから力強い支持が寄せられているという。先週発表した音声による検索が可能なモバイル検索サービス「OneSearch 2.0」などのサービスプランが高い評価を得ているようだ。

 新しい音声検索機能は、おそらくマイクロソフトにとっても、ヤフーの魅力をいっそう高めるものとなったはずだ。シリコンバレーウォッチャーたちはいま、マイクロソフトがいつプロクシファイト(委任状争奪戦)に乗り出すか固唾を呑んで見守っているという。

 ただ、ニューヨークポスト紙の3月27日の報道によると、マイクロソフトは味方となる”反体制”、あるいは少なくとも中立的な立場の役員候補を見つけられずに苦労しているらしい。法律上、マイクロソフトは自社のエグゼクティブを役員候補に指名できないため、マイクロソフトの買収に積極的な候補を探して指名しなければならないのだ。

 が、敵対的な買収に関与したとなると、ヤフーや他のシリコンバレー・コミュニティとの長年の信頼関係を失う危険性があるため、マイクロソフトの誘いに安易に乗るわけにはいかない。有力な役員候補の多くは、両社が友好的な買収で合意することを望んでいる。

 もっともマイクロソフトも、ヤフーの株主総会の日程が固まるまでには、なんとかして役員候補のリストを準備するだろうけど。

 それはさておき、シリコンバレーをぶらついていると、英国数学者チャールス・バベジが考案し、今日のすべてのコンピュータの起源となった階差機関のフルスケールモデルが、5月10日、ロンドンからカリフォルニア州マウンテンビューのコンピュータ歴史博物館に移されるという情報を耳にした。総重量5トン、8000個以上の銅、鋳鉄、鋼鉄の部品でできているらしい。

 もう1つ、シリコンバレーの友人から聞いた話。スポーツ・イラストレーテッド誌の水着特集やビクトリアシークレットのカタログにも起用され、いま注目を集める27歳のオーストラリア出身モデル、クリスティ・ヒンゼのことだ。シリコンバレーのオタクたちの間では、その魅力的な肢体よりも、むしろ彼女の友人の1人ついて話題が沸騰しているという。ヒンゼがオーストラリアン・ウィメン・ウイークリー誌に語ったところによると、現在のボーイフレンド、ジム・クラーク(63歳)とは、会った瞬間、惹かれるものがあったのだそうだ。彼女曰く。「彼はハンサムで、すごくカリスマ性があって、とても面白い人なの」。……なるほど。それにクラークは、ネットスケープやシリコン・グラフィックスやその他の会社を成功させた億万長者でもあるけどね。

[英文タイトル] Yahoo keeps whistling in the dark

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