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オラクルとItanium®ベースサーバが可能にしたものとは

グリッドで実現する次世代ITインフラ基盤

    コスト削減にも内部統制にも有効なシステムの統合化

 企業が抱える経営課題のトップは、変わることなくコストの削減だという。そのため、IT部門にも当然コスト削減が求められる。その有効な解決策として挙げられているのが、システム統合だ。長い年月をかけ、ばらばらに開発されたさまざまなシステムを統合できれば、ITコストの80%にも上るといわれているシステムの運用管理コストを劇的に削減できる可能性がある。

 コスト削減だけではなく、昨今ITに強く求められている内部統制に対しても、システム統合は有効だ。内部統制のための監査という行為をとっても、複数のシステムに対応するよりは、なるべく対象は少ないほうがいいのは当たり前だ。さらに、ばらばらで複雑な仕組みとなっていれば、1つ1つに個別アプローチで監査を実施する必要も出てくる。理想的には、標準的な構成のシステムが1つだけあるのがいいだろう。仮に複数あるとしてもインフラ部分について標準化がなされていれば、かなり効率的に監査が実施できる。

 「複雑化を排除しシステムをシンプルにすることが重要だ。シンプルになれば運用管理のコスト削減にも、内部統制の実現にも有効なITシステムとなる」

 統合化しシステムをシンプルにすることが、企業のITシステムが抱える課題を解決すると指摘するのは、日本オラクル システム事業推進本部 営業推進部シニアマネジャーの北嶋伸安氏だ。このシンプルにシステム統合を実現するための仕組みが、オラクルの提供するグリッド技術だという。

    グリッド技術がシステム統合を加速する

 オラクルがグリッドというコンセプトを発表した2003年当時は、グリッドというシステムの技術的な概要は理解できても、それが現実のシステムとしてどのようなものになるのかを明確に想像することはなかなかできなかった。逆にオラクルのデータベースをよく知っている技術者にとっては、従来のRAC(Real Application Clusters)を単に「グリッド」と言い換えただけで、多分にマーケティング的な側面から登場したコンセプトにすぎないという、うがった意見すらあった。

 そういった、いわば時代の先取りともいえたグリッドというコンセプトも、3年の時を経て現実的なシステム像を描き出しつつあるという。

 「Oracle 9iまでのRACとOracle 10gのグリッドは何が違うのかというと、前者は単体のシステムを最適化し可用性と拡張性を与えるもの、これに対してグリッドは複数サービスの基盤を最適化するもの。あらゆるサービスをグリッドの共通基盤上に載せリソースを効率的に利用するモデルであり、これを提供できるソフトウェアベンダーはオラクルだけ」(北嶋氏)。

図1 オラクルのデータベース製品の進化

 例えば、Oracle 9iのRACでは、1つのサービスに対し、2ノードのクラスタ構成をとることで高い可用性を実現する。さらにノードを3、4と増やすことによって柔軟にシステムを拡張するスケールアウトの利用方法があった。可用性と拡張性を両立できる唯一のデータベースとして、顧客に広く受け入れられ、日本での豊富な実績がある。さらに、一度RACを導入した顧客は、RACの導入メリットを充分理解し、ほかのシステムにもRACを導入する優良顧客(ロイヤル・カスタマー)になることが多い。

 しかしながら、単体のサービス基盤を提供するだけでは、従来からいわれてきたような「オープン系システムによるメインフレームの置き換え」を実現できるとはいいきれない。全社規模でシステムを統合し最適化を図れるようになってはじめて、メインフレームを代替できるようになるだろう。それが実現できるのが、RACではなくグリッドの技術だというのだ。全体最適化されたITインフラ基盤を構築するためには、複数のサービスを1つの標準化された共通基盤に載せなければならない。もちろん、単に載せるだけでなくその共通基盤は信頼性、可用性、そして拡張性を合わせ持っている必要がある。オラクルのグリッドでは、RACの可用性、拡張性に加え、複数のサービスを稼働させても適切にワークロードを管理し、ダイナミックにリソースを割り当てる柔軟性も備えている。

    ミドルウェア層も含めた共通基盤の有効性

 オラクルのグリッドが登場した当初は、データベース層の共通基盤化をまずは実現していた。これに対して現在では、次のステップとしてアプリケーションサーバも共通インフラ基盤に取り込んでいる。このミドルウェア層もインフラに含めた共通基盤化のメリットは、きわめて大きいという。

 「例えば、データベース層だけをOracle 10gでグリッド化し、アプリケーションサーバ層は他社製品を採用しているような構成では、データベース部分は素早くフェールオーバーし継続的な運用を可能にしても、アプリケーション層がフェールオーバーの状況に合わせデータベースへの再接続やトランザクションの継続が完全に保証されない。これでは、データベースが継続していても、アプリケーションの処理は止まってしまう。あるいは、直前の処理についてはあきらめ、数ステップ後戻りして接続し直し処理を再開する必要があるかもしれない」(北嶋氏)。

 これをアプリケーションの処理も含めて継続するには、アプリケーションサーバがデータベースの状況変化を瞬時に検知し、その結果に応じ適切に接続先を変えるという処理をアプリケーション・ロジックに組み込まなければならない。当然、SI業者などの技術者がこの部分をプログラミングすることになるので、実装にもその仕組みの検証にもリソースやコストが発生し、さらには不具合が潜む可能性も出てくる。

 これが、Oracle Database 10gとOracle Fusion Middlewareの組み合わせで実現している新しいグリッド環境であれば、障害の状況を自動的に検知しアプリケーション処理の自動的かつ適切な接続変更が行われる。この機能は、あらかじめ製品に実装されているので、あらためて開発・検証する必要はない。ここまで実現できてはじめて、アプリケーションレベルで処理が継続するシステムになる。そして、このアプリケーションレベルの高い可用性の実現があってはじめて、システム全体のサービスレベルが向上する。

 「ミドルウェア層も含めた統合化は、メンテナンスの面でもメリットは大きい。物理的に統合しただけでは、実は複雑性をそれほど解消できない。そのため、なんらかの障害やパフォーマンスの問題が発生した際には、どこに原因があるか問題を切り分けるのが難しくなる。データベースからミドルウェア層までも統合できていれば、ユーザーの視点からアプリケーションの処理という単位でシステムの問題解決を実施できる」(北嶋氏)。

 複雑なシステムでは、問題の原因切り分けをするためだけに、数カ月の時間を要した例もあるそうだ。統合化されたシステムに対し一元的な管理ツールが適用できれば、問題点の切り分けを大幅に短縮することも可能だ。Oracle Enterprise Managerは、データベースはもちろんOracle Fusion Middlewareの管理も一元的に行える。さらに、各ハードウェアベンダが提供するシステム管理ツールとも連携できるので、一貫したシステム管理体制を実現できるという。

    ハードウェアの進化がグリッドでのシステム統合を促進する

 3年前であっても、製品スペック的にはグリッドを使ってメインフレームを代替するシステム構築は可能だったかもしれない。とはいえ、新しいコンセプトであるため、目指す姿の実現にはハードウェア性能を十分に引き出す試行錯誤も必要であり、さらにはさまざまな組み合わせでの検証作業や、そこから得られるノウハウの蓄積も行われなければ実際の導入にはなかなか至らなかった。これらグリッドを現実のものにするために必要な作業が、この3年間で着実に進められてきたことになる。

 メインフレーム代替という点では、過去3年あまりの間にハードウェアも大幅に性能、機能が向上した点も大きく寄与している。インテルItanium® 2プロセッサファミリをベースとしたシステムのように、オープンで拡張性に優れていながらも、信頼性が非常に高い製品が登場し、グリッドのダイナミックなリソース管理と融合することで、効率的で柔軟なシステム構成が実現できるようになってきたのだ。技術的に先端だったソフトウェアの成熟と、ハードウェアの性能、機能の向上があいまった結果、ここにきてエンタープライズシステム向けの次世代グリッドインフラが現実のものになったともいえる。

 これをコンセプトの実現ではなく、実際の顧客のシステムとして普及させるための取り組みが、2006年11月のOracle GRID Centerの開設だ。日本における最先端のハードウェア、OS、ストレージを集め、それらの上でオラクルの技術を最適化する実証の場となっている。Oracle GRID Centerでは、顧客の環境を想定した検証作業をするだけでなく、技術者の育成も行う。

 実際にメインフレームを置き換えるために、Itanium 2とオラクルの組み合わせは重要になってくる。本格的に複数サービスを統合共通基盤に載せていくには、さらなる信頼性の向上と高いパフォーマンスが求められ、それに応えるにはItanium 2を搭載した各社の主力ハードウェアの性能、機能を十分に発揮するような構成や設定を明らかにしていく必要がある、と北嶋氏は強調する(図1参照)。「オープンなプラットホームを基盤として、メインフレームを置き換えていくのだというのは、オラクルとインテルの共通の目的になっている。すでに両社はミッションクリティカルなシステムで実績があり、Itanium2プロセッサが共通基盤化のプラットホームとして重要だということもOracle GRID Centerでは実証していく」(北嶋氏)。

 Itanium 2プロセッサを搭載したハードウェアについては、すでにミッションクリティカル分野での実績が多数ある。本格的なメインフレームオルタナティブを考えたときには、OracleとItanium 2プロセッサの組み合わせはきわめて重要になるとのことだ。

図2 Oracle GRID Centerにおける活動の3本柱

  「Oracle GRID Centerでは、技術者に対してグリッド技術を訴求するだけでなく、個々に検証などを行う手間を削減し、導入までのサイクルを短縮することも目標の1つだ。日本では、単体サービスの最適化からグリッドによる複数サービスの最適化には、大きな壁があると感じている。各ベンダーと協力して、今後はCIOやCEOという立場の人にもグリッドの有効性を示していく」(北嶋氏)。


提供:Itanium® Solutions Alliance
企画:アイティメディア 営業局
制作:@IT 編集部
掲載内容有効期限:2007年2月16日
 
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