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万一の際はデータを守り、平常時には業務を支援
低予算、短期間で実現する
データベースの賢い災害対策

 

データベースは企業の生命線。いつ起こるか分からない災害に備えるためには、1日も早い対策が必要だ。だがそのためには、災害のビジネスへの影響と、投資できる予算を秤に掛けて「復旧までにどれほどの時間をかけても許されるか」など、対策の方針を吟味しなければならない。また、予算には余裕がないのに、平時は投資したシステムを眠らせておくだけというのは、いかにももったいない。ではいったいどうすれば、低コストで、迅速に、賢く、対策を実現できるのか? その現実解を紹介しよう。

災害対策は至上命題、でも予算と時間はない……

 「これっぽっちの予算で、どうやって災害対策をやれと言うんだ……」

 某中堅企業A社の情報システム部長X氏は、頭を抱えていた。東日本大震災が発生して間もなく、自社システムの災害対策強化を検討するよう経営層から指示を受けた同氏。早速、災害対策サイトの新設と、ストレージのレプリケーションシステムの導入を盛り込んだ案を作成し、そのための新たな予算の確保を上申したところ、あっさりと却下されてしまったのだ。

 却下の理由は2つ。「非常時に稼働させるシステムにそこまで膨大なコストを掛けることはできない」、そして「不測の事態に備えるためには、導入に時間をかけられない」というものだった。

 再検討を命じられたX氏は、完全にジレンマに陥っていた。

 「災害発生後も、業務を継続させるためには、本番システムと同じバックアップサイトが必要だ。バックアップサイトの構築には、さらにデータを転送するための十分なネットワーク帯域も確保しなければならない。普段は使わないからと言われてもコスト削減はできないし……導入までの期間にしても、運用や設計を検討すると時間がかかってしまう」

データベースの災害対策、4つのポイント

 東日本大震災以降、同じような悩みを抱えている情報システム部門の担当者は、決して少なくないはずだ。災害対策は必ずやらなければいけない。しかし、そのために掛かるコストの妥当性を意思決定層になかなか納得してもらえない……。このジレンマを解決するためにはポイントを明確にした対応が重要となる。

平野氏
NEC 第三ITソフトウェア事業部 シニアエキスパート 平野裕司氏

 中でも、データベースに保管されている業務データの保全性強化は、不測の事態に備えるためには今すぐにでも着手すべき領域だ。しかし実際はと言えば、その実現にまでこぎ着けている企業はまだまだ少数派だ。

 NECでOracle Databaseをはじめとするオラクル製品を使ったソリューションを担当する第三ITソフトウェア事業部 シニアエキスパート 平野裕司氏は次のように述べる。

 「ITシステム全体の災害対策としては、データベースの保護をはじめ、ネットワークや電源の冗長化、運用管理体制の整備など、やるべきことは多岐に渡る。だがその中でも最も大切なのは、企業の最重要資産である業務データの保護。不測の事態でもすぐ使えるようにしておくための準備は、事業継続性を確保する上で欠かせない取り組みとなる」(平野氏)

 では、実際にデータベースの災害対策ソリューションを検討するに当たっては、どのような点に留意すれば良いのだろうか? NEC 第三ITソフトウェア事業部 Oracleグループ 主任の小泉潤氏は、4つの重要ポイントを挙げる。

 「災害発生時を想定した場合の検討ポイントとしては、よく言われるようにRTO(復旧までにどのくらいの時間をかけられるか)RPO(データをどの時点まで復旧させる必要があるか)の2つがある。しかしこれ以外にも、平時におけるネットワークのランニングコストと、バックアップサイトの有効活用の2点を検討しておく必要がある」(小泉氏)

小泉氏
NEC 第三ITソフトウェア事業部 Oracleグループ 主任の小泉潤氏

 RTOとRPOは言うまでもなく、データベースのサービスレベルを測る上での基本的な指標だ。しかし、その目標値を具体的に定める作業は、そう容易ではない。

 特に災害対策や事業継続を目的とする場合、本来であれば自社業務の優先付けやインシデントによる影響度分析などといったBCPの手順を踏んだ上で、最終的にRTOとRPOの値をはじき出す。しかし、不測の事態に備えて今すぐ災害対策の仕組みを立ち上げなければいけない場合、こうした手順をきちんと踏むための時間も人手もないのが実情だろう。

 また、災害対策ソリューション検討時における「盲点」とでも言うべきなのが、ネットワークコストだ。本番サイトとバックアップサイトの間を専用線でつなぎ、データをリモートコピーする仕組みでは、回線に掛かるコストが決してばかにならない。例えば、東京−大阪間を1Gbpsの専用線で結んだ場合、1カ月間に掛かる回線コストは数百万円にも上ってしまう。

 さらに、バックアップサイトを平時から有効活用できるか否かも、災害対策ソリューションの投資対効果を測る上で欠かせないポイントとなる。何千万円も掛けて構築したバックアップサイトを、ただスタンバイさせているだけでは、いかにももったいない。これを平時から業務に有効活用できれば、バックアップサイトに対する投資効果も説得力をもって意思決定層に説明できるようになるのではないだろうか。

「Oracle Data Guard」と「Oracle GoldenGate」による
災害対策ソリューション

 では、時間も人手も予算も十分にない中で、どうすれば4つのポイントを満たす対策を迅速に実施できるのか?――この問題に応えてNECが提供するのが、Oracle Database Enterprise Editionに備わっている機能「Oracle Data Guard」(以下、Data Guard)を活用したソリューションである。

 Data Guardはひと言で言うと、データベースの複製をリモートサイトに構築することでデータの保全性を確保するソリューションである。Oracle Database Enterprise Editionにもともと含まれる機能でありながら、RTOはほんの数分間で、RPOに至っては0〜数十秒前まで復旧が可能となっている。また、ネットワークのランニングコストを低く抑えられるのも大きな特徴だ。

 「一般的なレプリケーション機能では、データベースが利用しているディスクへの更新を全てリモートサイトに転送する方式が多いため、必要な帯域幅がどうしても広くなり高価な回線を必要とする。しかしData Guardでは、Oracle Databaseに対する更新のログ(REDOログ)のみの転送で済むため、帯域幅が狭い回線でも十分に運用できる」(小泉氏)

図1
図1 Oracle Data Guardはデータベース全体の保護を行うためのOracle Databaseの機能。通常のネットワーク回線を利用したサイト間通信により、更新データ(REDOログ)を自動的に転送・適用し、DB全体のデータ保護・同期を行う。RPOは0〜数十秒前まで復旧可能。また、バックアップサイトが半稼動状態のため、RTOは数分間で復旧可能。ネットワークのランニングコストを抑えられるほか、REDOログのみの転送により帯域幅が狭い回線でも運用できる

 さらに、バックアップサイトを平時から活用することも可能だ。Active Data Guardというオプション機能を付加することで、本番サイトの更新を適用しながら、バックアップサイトのデータベースの内容を参照できるようになる。つまり、本番サイトの更新をリアルタイムにバックアップサイトで参照できるのだ。この機能により例えば「更新系の処理は本番サイトのデータベースに対して行い、レポート作成やデータウェアハウスといった参照系の処理はバックアップサイトを利用する」といったことが可能になる。

 しかし、Data Guardにはいくつかの機能制限もある。その1つが、基本的に、同じOS、同じバージョンのデータベースソフトウェア間でしかデータのコピーを行えない点だ。この欠点を補うのが、オラクルが提供するデータ連携・統合ツール「Oracle GoldenGate」(以下、GoldenGate)である。同製品を使うと、本番サイトとバックアップサイト間で、それぞれ異なるOS上でデータベースを運用しながら、データのリモートコピーが可能になる。これは「災害対策ソリューションの導入・運用コストを抑える上で極めて有用だ」と小泉氏は述べる。

図2
図2 Oracle GoldenGateの機能イメージ。更新データの転送によってDBのレプリカサイトを構築することで、災害時のバックアップサイトを作成できる。本番サイトとバックアップサイト側で、それぞれ異なるOSを使ってデータベースを運用していてもデータをリモートコピーできる点が特徴。さらに、バックアップサイト側でもプライマリサイトのDB同様、検索・更新処理が可能なため、平時も業務用DBとして運用でき、投資対効果を高められる

 「GoldenGateなら、例えば本番サイトのOracle DatabaseはUNIXサーバで運用しつつ、バックアップサイト側のデータベースは安価なLinuxサーバ上に構築することができる。また、遠隔サイトにある既存のデータベース環境をそのままバックアップ用に流用することも可能になる」(小泉氏)

 また、バックアップサイト側のデータベースで更新処理が実行できる点も、Data Guardにはない大きな特徴だ。これにより、災害対策だけではなく、平時におけるデータベースの更新処理の分散までも実現できる。

 ただし、RPOに関しては、Data Guardに比べると若干劣る面がある。そのためNECではソリューションを顧客に提案する際、前述の4つのポイントそれぞれの要件をヒアリングした上で、最終的にData GuardとGoldenGateのどちらを提案するか判断しているという。ただしどちらを採用するにせよ、「4つのポイントが極めてバランス良く網羅されたソリューションが構築できることは間違いない」と小泉氏は述べる。

 「これらの製品は、Oracle Database上のデータ保護を実現するものとしては、品質とコストのバランスに非常に優れていると感じる」(小泉氏)

災害対策とデータベース高速化を短期間で実現する
NECの「Oracle Database 高速化ソリューション」

 上記のいずれかの製品を導入することで、Oracle Databaseのデータ保護にまつわるコスト面での懸念は、かなりの部分が払拭できるはずだ。しかし、災害対策ソリューションの導入でもう1つ問題になるのが、導入期間である。

 東日本大震災の発生からまだ半年も経たないとはいえ、東海地震や首都圏直下型地震はいつ起きても不思議ではないとされている。そこで冒頭でも述べたように、いつ起こるか知れない不測の事態に備えるためには、なるべく早くシステムを構築する必要がある。しかし、遠隔データコピーによる災害対策システムを新たに導入するには、通常は設計作業や検証作業だけでも数カ月、長い場合には半年から1年かかってしまうことも珍しくない。これでは直近に起きるかもしれない災害にまったく備えることができない。

 そこでNECでは、迅速に災害対策システムを構築するための手段として、「Oracle Database 高速化ソリューション」を提供している。これはその名の通り、もともとはOracle Databaseの処理性能を大幅に高速化するためのソリューションパッケージである。その内容は、NECのサーバ「Express5800シリーズ」とストレージ「iStorageシリーズ」に、Oracle Databaseとその周辺ソフトウェアをあらかじめ最大性能が発揮できるよう最適化した形で提供するものだ。

 具体的には、サーバ上に大容量のメモリを搭載し、Oracle Databaseのインメモリ技術「In-Memory Parallel Execution」と、データ圧縮技術「Advanced Compression」をフル活用することで、ディスクアクセスを極力減らしてインメモリの高速データ処理を実現している。

永縄氏
NEC 第三ITソフトウェア事業部 Oracleグループ 主任 永縄淳一氏

 NECと日本オラクルの共同検証によると、Oracle Database 高速化ソリューションは従来のディスクアクセス方式のデータベースシステムと比べ、最大で14倍もの性能向上を達成しているという。

 Oracle Database 高速化ソリューション最大のメリットは、極めて短期間でシステムの構築および拡張が可能な点にある。NEC 第三ITソフトウェア事業部 Oracleグループ 主任 永縄淳一氏は次のように説明する。

 「通常、新たにデータベースシステムを導入する際には、ハードウェア選定やデータベース設計、ストレージ設計、さらにはチューニング作業などに膨大な手間と時間を要する。しかしOracle Database 高速化ソリューションは、これら一切をあらかじめNEC側で行い、すでに性能や安定性が担保された形で顧客に提供されるため、導入期間を大幅に短縮できる」(永縄氏)

 さらには、災害対策と併せて、Oracle Database 高速化ソリューション本来のメリットであるデータベースの高速化も実現できるのだから、一石二鳥と言える。本番サイトのシステムをOracle Database 高速化ソリューションにリプレースするだけでも、既存のオンラインアプリケーションやバッチアプリケーションを高速化できるし、Data GuardやGoldenGateと組み合わせれば、バックアップサイト上に本格的なデータウェアハウスシステムを構築することも可能だ(図3参照)。

図3
図3 Oracle Databaseの処理性能を大幅に高速化する「Oracle Database 高速化ソリューション」。NECでは、膨大な時間と手間を要するハードウェア選定やデータベース設計、ストレージ設計などの一切を行い、性能や安定性が担保された形でこれを提供する。このため迅速かつ低コストで導入できる上、平時の業務処理も大幅に高速化する。柔軟な拡張性もポイントで、本格的なデータウェアハウスシステムを構築することも可能。まさしく一挙両得だ

 このように、Oracle Database 高速化ソリューションは一度の投資で災害対策以外のさまざまなビジネス価値を生み出せる。災害対策の予算を上申する際にも、より説得力のある投資効果をアピールできることだろう。

デモでソリューションを“体感”。対策をイメージしよう

 ここまで、NECによるOracle Databaseの災害対策ソリューションを紹介してきたが、これらは全て、同社がオラクル製品のソリューションを20年以上もの長きに渡って提供してきた実績とノウハウを存分に生かしたものだという。それだけ信頼が置けるソリューションだということだが、紙面だけではその具体的なイメージがなかなかわかないという読者も多いことだろう。

図3
NECによるOracle Databaseの災害対策ソリューションのデモでは、貴社の状況に合わせてソリューションの詳細な説明を受けられる。「データベースの災害対策、それ以前にBCPの具体的な取り組み方が分からない」という人にとっても大きなヒントがつかめるはずだ

 そこでNECでは、Oracle Databaseの災害対策ソリューションを検討している人に向けて、今回紹介したソリューションのデモンストレーションを実施している。そこでは、Data GuardやGoldenGateによるリモートデータコピー、フェイルオーバーなどの動作を実際に目の前で見て効果を確認することができる。

 ソリューションの導入を検討している人はもちろん、まだ災害対策そのもののイメージがわかない人にとっても、実際のシステムの動作を目の当たりにすれば、より明確な方針が見えてくるはずだ。ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。


関連リンク

提供:日本電気株式会社/日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画
制作:@IT情報マネジメント編集部
掲載内容有効期限:2011年9月28日


セミナーのご案内

これからBCPを検討・構築するお客様、検討したが、さまざまな理由からうまく対策を進めることができていないお客様に対して、データベースの災害対策における4つのポイント、災害対策とデータベース高速化を短期間で実現するNECの「Oracle Database 高速化ソリューション」についてデモンストレーションをまじえてご紹介いたします。

本記事の紹介製品
Oracle Data Guard

Oracle GoldenGate

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