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» 2018年03月23日 05時00分 公開

Google Chrome完全ガイド:外出先からPCを遠隔操作、「Chromeリモートデスクトップ」入門 (1/2)

Google Chromeには、拡張機能としてリモートデスクトップが利用可能になる「Chromeリモートデスクトップ」が提供されています。Chromeリモートデスクトップを利用することで、手軽にインターネットを介したリモートデスクトップ環境が構築できます。ここでは、その設定方法などを紹介します。

[小林章彦,デジタルアドバンテージ]
「Google Chrome完全ガイド」のインデックス

連載目次

 スマートフォンのテザリングによるデータ通信や公衆無線LANなど、外出先でもインターネットを使える通信手段が手軽に利用できるようになってきました。VPN(Virtual Private Network)などの接続環境が整っていれば、外出先からでも、これらのデータ通信機能を利用して社内に接続し、Windows OSのリモートデスクトップ機能を使って社内PCのデスクトップを操作できます。

 このように外出先でも、社内にいる場合と同様に仕事ができる環境が整いつつあるわけですが、実際にはVPNの設定がハードルになってしまうことが多いようです。外出先から社内のコンピュータにリモートデスクトップで接続して作業を行いたいと思っていても、社内ネットワークに接続するためのVPN環境が整っておらず、断念している人も多いのではないでしょうか。

 こうした人向けに、VPN接続をしなくてもインターネットを介してリモートデスクトップ接続できる「LogMeIn」や「TeamViewer」などのツールがあります。

 同様のツールとして、GoogleのWebブラウザ「Google Chrome(以下、Chrome)」の拡張機能として「Chromeリモートデスクトップ」が提供されています。操作されるPC(リモートデスクトップのホスト側)と操作するPC(クライアント側)の両方にChromeリモートデスクトップをインストールするだけで、簡単にリモートデスクトップ環境を構築できます(正確には、ホスト側にはリモートデスクトップのサーバとなる「Chrome Remote Desktop Host」のインストールが必要になります)。

Chromeリモートデスクトップの接続方法 Chromeリモートデスクトップの接続方法
Chromeリモートデスクトップは、GoogleアカウントでログインしたChromeを起動し、ホスト側で設定されているPINをクライアント側で入力すると接続できます。

 Windows OS、macOS、Linux、Chromebookの各Chromeに対してホストとクライアントの両方に対応したChromeリモートデスクトップが提供されており、Android OSとiOSに対してはクライアントとなるアプリが提供されています。これらの拡張機能やアプリは、Google自身が開発・提供しています。

 一方、システム管理者としては、Chromeの拡張機能としてリモートデスクトップが利用可能になってしまうため、情報漏えいなどの対策を考慮する必要があります。そこで本稿では、Chromeリモートデスクトップの設定方法ならびにブロック方法などについて説明します。

Chromeリモートデスクトップの設定

 Chromeリモートデスクトップを利用するためには、ChromeのインストールとGoogleアカウントの作成が必要になります。Chromeのインストール方法や基本的な使い方は、Google Chrome完全ガイド「Google Chromeのインストールから基本的な使い方まで」を参照してください。

 Googleアカウントは、GmailやGoogleカレンダー、Google+など、Googleが提供しているさまざまなサービスにアクセスするために必要となるものです。Googleの検索ページ右上にある[ログイン]ボタンをクリックし、次ページの右上にある[アカウントを作成]ボタンで、新しいアカウントの作成が可能です。具体的な手順は「Google Chromeの閲覧履歴やブックマークをPCとスマホの間で同期・共有する」の「Googleアカウントを新たに作成するには」を参照してください。

 なお、Chromeリモートデスクトップを利用するには、前述の通りホスト側(操作される側)とクライアント側(操作する側)の両方のPCにChromeとChromeリモートデスクトップ拡張機能のインストールが必要になります。またホスト側には、Chromeリモートデスクトップのサーバとなるアプリケーションもインストールします(後述)。

 Googleアカウントが用意できたら、次はChromeに拡張機能のChromeリモートデスクトップを追加します。Chromeを起動し、Googleアカウントでログイン後、Chromeウェブストアの以下のURLを開き、右上の[CHROMEに追加]ボタンをクリックすると、Chromeリモートデスクトップがインストールできます。

Chromeウェブストアの「Chromeリモートデスクトップ」のページ Chromeウェブストアの「Chromeリモートデスクトップ」のページ
Chromeウェブストアの「Chromeリモートデスクトップ」のページを開き、[CHROMEに追加]ボタンをクリックすると、ChromeリモートデスクトップがChromeに追加されます。
「Chromeリモートデスクトップ」の追加 「Chromeリモートデスクトップ」の追加
[CHROMEに追加]ボタンをクリックすると、この確認ダイアログが表示されます。[アプリを追加]ボタンをクリックすると、Chromeリモートデスクトップの拡張機能がダウンロードされ、Chromeにインストールされます。

 Chromeリモートデスクトップが拡張機能としてインストールされると、[アプリケーション]セクションに[Chromeリモートデスクトップ]アイコンが追加されます([アプリケーション]セクションはブックマークバー左端の[アプリ]アイコンをクリックするか、「chrome://apps」というURLで表示できます)。

Chromeの[アプリ]タブの画面 Chromeの[アプリ]タブの画面
Chromeリモートデスクトップが追加されると、Chromeリモートデスクトップのアイコンが[アプリケーション]セクションに追加されます。ここからChromeリモートデスクトップを起動できます。

Chromeリモートデスクトップのホストとして設定する

 Chromeリモートデスクトップを起動すると、[Chromeリモートデスクトップ]画面が開きます。この画面の「マイコンピュータ」の[利用を開始]ボタンをクリックすれば、同じGoogleアカウントでログインしているデバイスで、かつChromeリモートデスクトップのリモート接続が有効になっているデバイスの一覧が表示されます。

 このPCをChromeリモートデスクトップのホストにしたい場合、「Chromeリモート デスクトップを使用してこのパソコンにアクセスするには……」の[リモート接続を有効にする]ボタンをクリックし、「Chromeリモートデスクトップ ホスト インストーラ(chromeremotedesktophost.msi)」をダウンロードし、「Chrome Remote Desktop Host」をインストールします。

 インストール完了後、「PIN」と呼ぶ一種のパスワードを6桁以上の数字で設定します。GoogleアカウントとPINの2つでセキュリティを確保しているわけです。逆に言えば、GoogleアカウントとPINが分かってしまうと、簡単にリモートデスクトップのホスト側に接続できてしまいます。Googleアカウント名は、Gmailのメールアドレスと同じなので、事実上、PINだけが(他人に知られていない)パスワードということになるので、PINは類推されにくいものを設定しておきましょう。

Chromeリモートデスクトップの画面(1) Chromeリモートデスクトップのホストに設定する(1)
Chromeリモートデスクトップを起動すると、初回のみこの画面が表示されます。ここで[利用を開始]ボタンをクリックすると、「マイコンピュータ」に接続可能なPCの一覧が表示されます。
Chromeリモートデスクトップのホストに設定する(2) Chromeリモートデスクトップのホストに設定する(2)
「マイコンピュータ」の[リモート接続を有効にする]ボタンをクリックします。
Chromeリモートデスクトップのホストに設定する(3) Chromeリモートデスクトップのホストに設定する(3)
「Chromeリモートデスクトップホストインストーラ」のダウンロードが求められるので、ここで[同意してインストール]ボタンをクリックします。
Chromeリモートデスクトップのホストに設定する(4) Chromeリモートデスクトップのホストに設定する(4)
「chromeremotedesktophost.msi」をダウンロードして実行します。
Chromeリモートデスクトップのホストに設定する(5) Chromeリモートデスクトップのホストに設定する(5)
6桁以上のPINを設定します。PINが類推できるようなものの場合、意図しないPCから接続されてしまう危険性があるので、なるべく長い複雑なPINを設定しましょう。
Chromeリモートデスクトップのホストに設定する(6) Chromeリモートデスクトップのホストに設定する(6)
これでクライアント側からChromeリモートデスクトップを使って接続できるようになります。

 PINの設定が完了すると、「マイコンピュータ」上にPC名が表示され、[リモート接続を無効にする]ボタンが追加されます。同じGoogleアカウントでログインしているPCのChromeリモートデスクトップにもそのPC名が表示され、このPCのリモート操作が可能になります。

 このようにChromeリモートデスクトップはChromeの拡張機能ですが、ホストにする場合には、各OS上にネイティブなアプリケーションのインストールが求められます。

[コントロールパネル]の[プログラムと機能]画面 [コントロールパネル]の[プログラムと機能]画面
Chromeリモートデスクトップのホストとして利用する場合、このようにChromeの他に、「Chrome Remote Desktop Host」のインストールが必要になります。

ホスト側のChromeを起動しておく

 ホスト側のPCで、Chromeリモートデスクトップを設定済みのChromeを起動しておきます。この際、Chromeにはリモートデスクトップ接続に使うGoogleアカウントでログインした状態にしておく必要があります。スリープ状態や休止状態になっていると、クライアント側でそのPC名がグレーアウトして選択できなくなります。そのため、スリープ状態や休止状態にならないように、事前にコントロールパネルの電源オプションで設定しておきましょう。ホスト側の設定は、これだけです。

 なおChromeを常駐する設定にしておけば、わざわざChromeを起動する必要はありません。それには、Chromeのアドレスバー横の[Chromeメニュー]アイコンをクリックし、メニューから[設定]を選択すると、[設定]タブが開きます。[設定]タブの画面をスクロールして、一番下の[詳細設定]をクリックします。さらに設定項目が表示されるので、「システム」枠を探し、「Google Chromeを閉じた際にバックグラウンド アプリの処理を続行する」のスイッチをオンにしておきます。これでChromeが常駐されるようになります。

Chromeを常駐するように設定する Chromeを常駐するように設定する
Chromeの設定画面を開き、「システム」枠の「Google Chromeを閉じた際にバックグラウンド アプリの処理を続行する」のスイッチをオンにしておきます。

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