連載
» 2017年09月13日 05時00分 公開

Tech TIPS:パスワードを忘れたWindows OSにログオン(サインイン)する

退社した人のPCや前の管理者が管理していた共有PCなど、パスワードが分からず、仕方なくWindows OSを再インストールする羽目になった、という人も少なからずいることだろう。実は、パスワードが分からなくなっても、ちょっとした操作でパスワードの再設定が可能だ。ただし悪用は厳禁だ。手順や画面をWindows 10をベースに改訂した。

[小林章彦,デジタルアドバンテージ]
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連載目次

対象OS:Windows 7/Windows 8/Windows 8.1/Windows 10


 退社した人のPCや前の管理者が管理していた共有PCなど、パスワードが分からなくなり、仕方なくWindows OSを再インストールする羽目になった、ということもあるのではないだろうか。実は、パスワードが分からなくなっても、ちょっとした操作でパスワードの再設定ができる。ただし悪用は厳禁である。他人のPCに対して許可なく、以下の方法でログオン(サインイン)すると犯罪になる。

 以下、Windows 10のインストールメディアを使い、Windows 10のパスワードを解除する手順を紹介する。他のバージョンのインストールメディアやWindows 7/8/8.1でも同じ手順でパスワードの再設定が可能だ。

Windows OSのパスワードをリセットする裏技

 パスワードを再設定するには、ちょっとした裏技(?)を利用する。Windows 7/8/8.1/10のログオン(サインイン)画面にある[コンピューターの簡単操作]アイコンをクリックした際に、コマンドプロンプトが起動されるように細工するのだ。

Windows 10のサインイン画面 Windows 10のサインイン画面
画面右下の[コンピューターの簡単操作]アイコンをクリックすると、画面のように[コンピューターの簡単操作](アクセシビリティ機能)が開く。ここを細工して、コマンドプロンプトが起動するようにする。

●Windows OSのインストールメディアを作成する

 細工を行うため、Windows OSのインストールメディア(Windows OSのインストール用DVDか、それをUSBメモリなどにコピーしたもの)を用意する。マイクロソフトのWebサイトから簡単にツールとOSイメージがダウンロードできるので、Windows 10のインストールメディアを作成するのが手軽だろう。パスワードを再設定したいWindows OSのシステムファイルを書き換えるだけなので、インストールされているOSバージョンと同じものである必要はない(Windows 10のインストールメディアでもWindows 7のパスワードを解除できる)。

 Webブラウザで、以下の「Windows 10のダウンロード」ページを開き、[ツールを今すぐダウンロード]ボタンをクリックすることで、メディアクリエーションツール(MediaCreationTool.exe)をダウンロードする。

 「MediaCreationTool.exe」を実行すると、[Windows 10セットアップ]ウィザードが起動するので、「別のPCのインストールメディアを作成する」を選択して、指示に従って、インストールメディア(DVDやUSBメモリ)を作成すればよい。Windows 10のインストール用USBメモリを作成する詳しい手順は、Tech TIPS「『メディア作成ツール』をダウンロードしてWindows 10インストール用のUSBメモリを作る」を参照してほしい。

マイクロソフトの「Windows 10のダウンロード」ページを開く マイクロソフトの「Windows 10のダウンロード」ページを開く

メディアクリエーションツールの画面 メディアクリエーションツールの画面

●パスワードを忘れたPCをインストールメディアで起動する

 用意したWindows 10のインストールメディアを使って、パスワードを忘れてしまったPCを起動する(DVDやUSBメモリから起動するようにBIOS設定を変更するのを忘れないこと)。セットアップ画面([Windowsのインストール]ダイアログ)が開いたら、[Shift]+[F10]キーを押してコマンドプロンプトを開く。

Windows 10のWindowsセットアップメディアで起動したところ Windows 10のWindowsセットアップメディアで起動したところ
このセットアップ画面が表示されたら、[Shift]+[F10]キーを押す。これでコマンドプロンプトが開かれる。

セットアップ画面でコマンドプロンプトを開いたところ セットアップ画面でコマンドプロンプトを開いたところ
[Shift]+[F10]キーでコマンドプロンプトを開き、ここでcmd.exeをutilman.exeにコピーする。これで[コンピューターの簡単操作]アイコンをクリックすると、コマンドプロンプトが起動するようになる。

 このコマンドプロンプトで、以下のコマンドを実行する。「utilman.exe([コンピューターの簡単操作]の実行ファイル)」をバックアップした後、cmd.exe([コマンドプロンプト]の実行ファイル)をutilman.exeという名前にしてコピーする。

 これで、Windows OSのログオン画面にある[コンピューターの簡単操作]アイコンをクリックすると実行される「utilman.exe」の実体が、「cmd.exe」となり、コマンドプロンプトが起動されるようになるわけだ。なお、ここではWindows OSのシステムファイルがD:ドライブに存在するとしている(本来はC:ドライブだが、インストールディスクで起動すると、C:になるとは限らない)。

d:
cd \windows\system32
ren utilman.exe utilman.org
copy cmd.exe Utilman.exe
exit

コマンドプロンプトで実行するコマンド
画面は、D:が元のC:ドライブであったものとしている。最初にdirコマンドを実行して、ファイル名やラベル名、ディスク容量などで確認すること。

コマンドプロンプトで実行するコマンドの例 コマンドプロンプトで実行するコマンドの例

 Windowsセットアップメディアを取り外し、[Windowsセットアップ]ダイアログの右上の「×」をクリックしてインストールを取り消してから、Windows OSを再起動する。

●コマンドを使ってパスワードを変更する

 サインイン画面が表示されたら、右下の[コンピューターの簡単操作]アイコンをクリックする。すると、[コンピューターの簡単操作]ダイアログではなく、上記の操作により「utilman.exe」としてコピーした「cmd.exe(コマンドプロンプト)」が実行される。

細工後のWindows 10のサインイン画面 細工後のWindows 10のサインイン画面

 ここで以下のコマンドを実行して、Administratorや既存のユーザーに対して新しいパスワードを設定する。この際、設定済みのパスワードの確認は行われないので、パスワードを忘れてしまったユーザーに対しても、新しいパスワードを設定できる。

net user <ユーザー名> <新しいパスワード>

パスワードを再設定するためのコマンド

パスワードを再設定するためのコマンド パスワードを再設定するためのコマンド

 再びWindows 10のインストールメディアで起動して、実体が「cmd.exe」になっている「utilman.exe」を、バックアップしておいたオリジナルの「utilman.org」から元に戻せばよい。

del utilman.exe
ren utilman.org utilman.exe

元に戻すためのコマンド

MicrosoftアカウントでサインインしているWindows 8/8.1/10の場合

●Microsoftアカウントのパスワードをリセットする

 MicrosoftアカウントでサインインしているWindows 8/8.1/10の場合、この方法でMicrosoftアカウントのパスワードは変更できない。

 本人がパスワードを忘れた場合は、以下のMicrosoftアカウントの[パスワードのリセット]ページを開き、指示に従ってMicrosoftアカウント名やCAPTCHAを入力すると、パスワードリセット用のリンクがアカウント作成時に指定したメールアドレスに送られてくるので、メールに記載されたリンクを開き、新しいパスワードを設定すればよい。

Microsoftアカウントのパスワードをリセットする Microsoftアカウントのパスワードをリセットする

●アカウントを追加してサインインする

 他人のMicrosoftアカウントが設定されている場合、上述の細工を使って、Administratorアカウントを有効化することで、パスワードを解除できる。

 [コンピューターの簡単操作]アイコンをクリックしてコマンドプロンプトが開いた後、以下のコマンドを実行して、Administratorアカウントを有効化、パスワードを設定すれば、Administratorアカウントでサインインできるようになる。

net user Administrator /active:yes
net user Administrator <パスワード>

Administratorアカウントを有効にしてパスワードを設定するコマンド

Administratorアカウントを有効にしてパスワードを設定するコマンド Administratorアカウントを有効にしてパスワードを設定するコマンド

 パスワード設定後、[電源]アイコンをクリックし、メニューから[再起動]を選択して、Windows 8/8.1/10を再起動する。

 再起動後、Windows 8/8.1の場合、[サインイン]画面でのユーザー名の左側に矢印が表示されるので、ここをクリックする。ユーザーの選択が行えるので、「Administrator」を選択、先ほど設定したパスワードを入力してサインインする。Windows 10の場合は、[サインイン]画面の左下にアカウント名が表示されるので、「Administrator」をクリックする。

Windows 8/8.1でAdministratorを有効化した場合のサインイン画面 Windows 8/8.1でAdministratorを有効化した場合のサインイン画面
Administratorを有効化すると、既に設定済みのMicrosoftアカウントに加え、Administratorアカウントでもサインインできるようになる。そのため、アカウントの選択画面に移るための[←]アイコンが表示される。

Windows 8/8.1のアカウント選択画面 Windows 8/8.1のアカウント選択画面
Administratorと設定済みのMicrosoftアカウントのいずれかでのサインインが可能になっていることが分かる。ここで「Administrator」を選択すると、Administratorのサインイン画面が表示されるので、設定したパスワードを入力すればサインインできる。

Windows 10のサインイン画面 Windows 10のサインイン画面
Administratorと設定済みのMicrosoftアカウントのいずれかでのサインインが可能になっていることが分かる。左下の「Administrator」をクリックすると、Administratorアカウントでサインインできる。

 これでWindows 8/8.1/10の操作が可能になるので、必要なファイルをコピーしたり、新しいアカウントを追加したり、パスワードが分からないMicrosoftアカウントを削除したりといった作業を行えばよい。


 このようにちょっとした操作により、簡単にパスワードの再設定が可能だ。パスワードを忘れてしまったPCを救済する方法として有効な半面、セキュリティ面では大いに不安の残る仕様(?)となっている。パスワードが設定されているからといって安心できないことがお分かりいただけただろう。ノートPCなど、簡単に盗まれたり、忘れたりしてしまうようなもののハードディスクは、BitLockerで暗号化しておくなど、セキュリティを高める工夫をした方がよい(BitLockerについては、超入門BitLocker:「BitLockerとは」参照のこと)。

■更新履歴

【2017/09/13】手順や画面をWindows 10 Creators Updateベースに更新しました。

【2016/06/24】Windows 10への対応などを追記。

【2013/12/06】初版公開。


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