連載
» 2016年06月24日 05時00分 UPDATE

Tech TIPS:パスワードを忘れたWindows OSにログオン(サインイン)する

退社した人のPCや前の管理者が管理していた共有PCなど、パスワードが分からず、仕方なくWindows OSを再インストールする羽目になった、という人も少なからずいることだろう。実は、パスワードが分からなくなっても、ちょっとした操作でパスワードの再設定が可能だ。ただし悪用は厳禁だ。

[小林章彦,デジタルアドバンテージ]
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連載目次

対象OS:Windows 7/Windows 8/Windows 8.1/Windows 10



解説

 退社した人のPCや前の管理者が管理していた共有PCなど、パスワードが分からなくなり、仕方なくWindows OSを再インストールする羽目になった、ということもあるのではないだろうか。実は、パスワードが分からなくなっても、ちょっとした操作でパスワードの再設定ができる。ただし悪用は厳禁である。他人のPCに対して許可なく、以下の方法でログオン(サインイン)すると犯罪になる。以下、Windows 10のインストールメディアを使い、Windows 7のパスワードを解除する手順を紹介する。他のバージョンのインストールメディアやWindows 8/8.1/10でも同じ手順でパスワードの再設定が可能だ。

操作方法

 パスワードを再設定するには、ちょっとした裏技(?)を利用する。Windows 7/8/8.1/10のログオン(サインイン)画面の左下にある[コンピューターの簡単操作]アイコンをクリックした際に、コマンドプロンプトが起動されるように細工するのだ。

Windows 7のログオン画面 Windows 7のログオン画面
画面左下の[コンピューターの簡単操作]アイコンをクリックすると、画面のように[コンピューターの簡単操作]ダイアログが開く。ここを細工して、コマンドプロンプトが起動するようにする。
  (1)[コンピューターの簡単操作]アイコンをクリックする。
  (2)[コンピューターの簡単操作]ダイアログが開く。

 細工を行うため、Windowsセットアップメディア(Windows OSのインストール用DVDか、それをUSBメモリなどにコピーしたもの)を用意する。Windows 10のインストール用USBメモリを作成する方法は、Tech TIPS「『メディア作成ツール』をダウンロードしてWindows 10インストール用のUSBメモリを作る」を参照してほしい。

 用意したWindowsセットアップメディアを使って、パスワードを忘れてしまったPCを起動する(DVDやUSBメモリから起動するようにBIOS設定を変更するのを忘れないこと)。パスワードを再設定したいWindows OSのシステムファイルを書き換えるためなので、インストールされているOSバージョンと同じものである必要はない。評価版のWindows OSでも可能だ。セットアップ画面([Windowsのインストール]ダイアログ)が開いたら、[Shift]+[F10]キーを押してコマンドプロンプトを開く。

Windows 10のWindowsセットアップメディアで起動したところ Windows 10のWindowsセットアップメディアで起動したところ
このセットアップ画面が表示されたら、[Shift]+[F10]キーを押す。これでコマンドプロンプトが開かれる。

セットアップ画面でコマンドプロンプトを開いたところ セットアップ画面でコマンドプロンプトを開いたところ
[Shift]+[F10]キーでコマンドプロンプトを開き、ここでcmd.exeをutilman.exeにコピーする。これで[コンピューターの簡単操作]アイコンをクリックすると、コマンドプロンプトが起動するようになる。

 このコマンドプロンプトで、以下のコマンドを実行する。utilman.exe([コンピューターの簡単操作]の実行ファイル)をバックアップした後、cmd.exe([コマンドプロンプト]の実行ファイル)をutilman.exeという名前にしてコピーする。これにより、Windows OSのログオン画面にある[コンピューターの簡単操作]アイコンをクリックすると実行されるutilman.exeの実体が、cmd.exeとなり、コマンドプロンプトが起動されるようになるわけだ。なお、ここではWindows OSのシステムファイルがD:ドライブに存在するとしている(本来はC:ドライブだが、インストールディスクで起動すると、C:になるとは限らない)。

※以下、D:が元のC:ドライブであったものとする。最初にdirコマンドを実行して、ファイル名やラベル名、ディスク容量などで確認すること
X:\Sources>d:

D:\>cd \windows\system32

D:\Windows\System32>ren utilman.exe utilman.org

D:\Windows\System32>copy cmd.exe Utilman.exe
        1 個のファイルをコピーしました。

D:\Windows\System32>exit

コマンドプロンプトで実行するコマンド

 Windowsセットアップメディアを取り外し、ダイアログの右上の「×」をクリック、インストールを取り消してから、Windows OSを再起動する。

 ログオン(サインイン)画面が表示されたら、右下の[コンピュータの簡単操作]アイコンをクリックする。すると、[コンピュータの簡単操作]ダイアログではなく、上記の操作によりUtilman.exeにコピーしたコマンドプロンプトが実行される。

細工後のWindows 7のログオン画面 細工後のWindows 7のログオン画面
画面左下の[コンピュータの簡単操作]アイコンをクリックすると、画面のように今度はコマンドプロンプトが開く。これでログオン(サインイン)していなくても、ユーザーアカウントの操作が行える。
  (1)[コンピュータの簡単操作]アイコンをクリックする。
  (2)コマンドプロンプトが開く。

 ここで以下のコマンドを実行して、Administratorや既存のユーザーに対して新しいパスワードを設定する。この際、設定済みのパスワードの確認は行われないので、パスワードを忘れてしまったユーザーに対しても、新しいパスワードが設定できる。

C:\Windows\System32>net user

\\ のユーザー アカウント

---------------------------------------------------------------
Administrator Test Guest
エラーでコマンドが終了しました。


C:\Windows\System32>net user <ユーザー名> <新しいパスワード>
コマンドは正常に終了しました。

パスワードを再設定するためのコマンド

 あとは再び、Windowsセットアップメディアで起動して、実体がcmd.exeになっているutilman.exeをバックアップしたオリジナルのutilman.orgに戻せばよい。

del utilman.exe
ren utilman.org utilman.exe

元に戻すためのコマンド

●MicrosoftアカウントでサインインしているWindows 8/8.1/10の場合

 Windows 8/8.1/10でMicrosoftアカウントでサインインしている場合、この方法でMicrosoftアカウントのパスワードは変更できない。

 本人がパスワードを忘れた場合は、以下のMicrosoftアカウントの[パスワードのリセット]ページを開き、指示に従ってMicrosoftアカウント名やCAPTCHAを入力すると、パスワードリセット用のリンクがアカウント作成時に指定したメールアドレスに送られるので、メールに記載されたリンクを開き、新しいパスワードを設定すればよい。

 他人のMicrosoftアカウントが設定されている場合、[コンピューターの簡単操作]アイコンをクリックしてコマンドプロンプトが開いた後、以下のコマンドを実行して、Administratorアカウントを有効化して、パスワードを設定すればAdministratorアカウントでサインインできるようになる。

C:\Windows\System32>net user Administrator /active:yes
コマンドは正常に終了しました。


C:\Windows\System32>net user Administrator <パスワード>
コマンドは正常に終了しました。

Administratorアカウントを有効にしてパスワードを設定するコマンド

 パスワード設定後、[電源]アイコンをクリックし、メニューから[再起動]を選択して、Windows 8/8.1/10を再起動する。

 再起動後、Windows 8/8.1の場合、[サインイン]画面でのユーザー名の左側に矢印が表示されるので、ここをクリックする。ユーザーの選択が行えるので、「Administrator」を選択、先ほど設定したパスワードを入力してサインインする。Windows 10の場合は、[サインイン]画面の左下にアカウント名が表示されるので、「Administrator」をクリックする。

Windows 8/8.1でAdministratorを有効化した場合のサインイン画面 Windows 8/8.1でAdministratorを有効化した場合のサインイン画面
Administratorを有効化にすると、すでに設定済みのMicrosoftアカウントに加え、Administratorアカウントが利用できるようになる。そこで、アカウントの選択画面に移るための[←]アイコンが表示される。
  (1)ここをクリックして、アカウントの選択画面を開く。→[A]
  (2)設定済みのMicrosoftアカウント。名前の下にMicrosoftアカウントとなっているメールアドレスが表示されている。

[A]

Windows 8/8.1のアカウント選択画面 Windows 8/8.1のアカウント選択画面
Administratorと設定済みのMicrosoftアカウントのいずれかでのサインインが可能になっていることが分かる。ここで「Administrator」を選択すると、サインイン画面が表示されるので、設定したパスワードを入力すればサインインできる。
  (1)Administrator側をクリックしてサインインする。
  (2)設定済みのMicrosoftアカウント。

Windows 10のサインイン画面 Windows 10のサインイン画面
Administratorと設定済みのMicrosoftアカウントのいずれかでのサインインが可能になっていることが分かる。左下の「Administrator」をクリックすると、Administratorアカウントでサインインできる。
  (1)パスワードが分からないMicrosoftアカウント。
  (2)有効化してパスワードを設定したAdministratorアカウント。ここをクリックしてサインインする。

 これでWindows 8/8.1/10の操作が可能になるので、必要なファイルをコピーしたり、新しいアカウントを追加したり、パスワードが分からないMicrosoftアカウントを削除したりといった作業を行えばよい。


 このようにちょっとした操作により、簡単にパスワードの再設定が可能だ。パスワードを忘れてしまったPCを救済する方法として有効な半面、セキュリティ面では大いに不安の残る仕様(?)となっている。パスワードが設定されているからといって安心できないことがお分かりいただけただろう。ノートPCなど、簡単に盗まれたり、忘れたりしてしまうようなもののハードディスクは、暗号化しておくなど、セキュリティを高める工夫をした方がよい。

■更新履歴

【2016/06/24】Windows 10への対応などを追記。

【2013/12/06】初版公開。


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