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» 2018年05月18日 05時00分 公開

Tech TIPS:Windows 10でLinuxプログラムを利用可能にするWSL(Windows Subsystem for Linux)をインストールする(バージョン1803対応版)

Windows 10では、Linux向けのバイナリプログラムをそのまま実行できるようになるWSL(Windows Subsystem for Linux)機能が提供されている。ただ、別途インストールが必要だ。本TIPSでは、そのインストール方法を解説する。

[打越浩幸,デジタルアドバンテージ]
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連載目次

対象OS:Windows 10バージョン1709以降(64bit版のみ)


WSL(Windows Subsystem for Linux)とは?

 Windows 10ではLinuxのプログラムを実行可能にする「WSL(Windows Subsystem for Linux)」が利用できる。当初、このWSLは実験的なβ版(当時の名称は「Bash on Ubuntu on Windows」)として提供されていたが、Windows 10 バージョン1709(ビルド16299)以降では正式なOS機能の1つとなっている。

 現在ではLinuxシステムとの互換性も向上した他、Microsoft Store経由でのインストール、Ubuntu以外のディストリビューションの提供、コマンドプロンプトからWSLのコマンドを呼び出し可能になるなど(TIPS「Windows 10のコマンドプロンプトからWSL上のLinuxコマンドを呼び出す」参照)、機能も向上している。

Linxu環境をエミュレーションするWSL Linxu環境をエミュレーションするWSL
WSLはWindows OS上でLinuxの実行環境を実現するサブシステムである。Linuxのプログラムが発行したAPIやファイルアクセス要求などをWindows OSのAPIやファイルシステムアクセスなどに変換して、Linuxのバイナリプログラムをそのまま実行できるようにしている。Ubuntuの他、OpenSUSE、SLES(SUSE Linux Enterprise Server)、Debian、Kali Linuxのディストリビューション向けのプログラムをそのまま実行できる。

 Ubuntuやその上で動作するBashシェルについては、以下の記事も参照していただきたい。

 本TIPSでは、このWSL環境のインストール方法についてまとめておく。

[注意]旧β版のBash On Ubuntu on Windowsについて

 lxrunやbashコマンドでインストールしていた当初のβ版のBash On Ubuntu on Windowsは、内部的には、本TIPSで解説するWindowsストア版のUbuntuディストリビューションとは別のインスタンスとしてインストールされている。だが残しておいても混乱の元なので、アンインストールして、今後はMicrosoft Store版だけを使う方がよい。

 古いβ版をアンインストールするには「lxrun /uninstall /full」コマンドを実行する。具体的な手順についてはTIPS「Windows 10のBash on Ubuntu on Windows環境を初期化/再インストールする」を参照していただきたい。


手順1.WSL機能を有効にする

 WSLをインストールするには、まずコントロールパネルの「プログラムと機能」グループにある[Windowsの機能の有効化または無効化]画面で「Windows Subsystem for Linux」の機能を有効にする必要がある。

[設定]の[アプリと機能]の呼び出し [設定]の[アプリと機能]の呼び出し
[スタート]アイコンを右クリックして、クイックアクセスメニューから[アプリと機能]を実行する。

[プログラムと機能]の起動 [プログラムと機能]の起動
「アプリと機能」画面で、「関連設定」に表示されている[プログラムと機能]を実行する。Cortanaの入力ボックスまたは[Windows]+[R]で[ファイル名を指定して実行]を呼び出し、「appwiz.cpl」と入力して実行してもよい。

Windowsの機能を追加する Windowsの機能を追加する
コントロールパネルの「プログラムと機能」が表示されるので、左側のメニューにある[Windowsの機能の有効化または無効化]をクリックする。

 以上の手順で[Windowsの機能の有効化または無効化]画面が表示されるので、「Windows Subsystem for Linux」のチェックボックスをオンにしてインストールする。

WSLを有効にする WSLを有効にする
「Windows Subsystem for Linux」のチェックボックスをオンにして[OK]をクリックする。

 WSLを有効にすると再起動を要求されるので、システムをいったん再起動する。

システムの再起動 システムの再起動
WSL機能の追加後、システムを再起動する。

 β版の時は、この操作の前に「開発モードを有効にする」という設定手順が必要だったが、現在ではこれは不要となっている。

 このWSL機能の有効化は、最初に一度だけ、管理者権限を持つユーザーが行えばよい。

手順2.WSLのパッケージをストアから導入する

 WSLを有効化したら、次はMicrosoft Store経由でLinuxパッケージを導入する。この手順は、WSLを利用したいユーザーごとに行う。

 現在Microsoft Storeで提供されているLinuxのパッケージ(ディストリビューション)は、次の5つがある。それぞれ、ベースにしているディストリビューションが違っていたり、管理用コマンドや設定方法などが異なっていたりするので、慣れているものを選択していただきたい。Linuxにあまりなじみがないなら、比較的ユーザー数が多くて情報を得やすいUbuntuから始めるとよいだろう。

  • Ubuntu
  • OpenSUSE Leap 42
  • SLES(SUSE Linux Enterprise Server 12)
  • Debian GNU/Linux
  • Kali Linux

 これ以外に「Fedora」も今後リリースされる予定となっている。

 「Microsoft Store」アプリを起動して検索窓に「Linux」と入力すると、Linuxディストリビューションを入手するためのガイドが表示されるので、そこからアプリを導入する。

Linuxディストリビューションを入手する Linuxディストリビューションを入手する
「Microsoft Store」アプリを起動して「Linux」という単語を検索し、表示された画面の指示に従ってアプリを入手する。

現在利用できるLinuxディストリビューションの一覧 現在利用できるLinuxディストリビューションの一覧
インストール可能なLinuxディストリビューションの一覧が表示されるので、利用したいものを選んでインストールする(複数インストール可能)。これらをダウンロード/インストールするのにMicrosoftアカウントは必要ない。

 これらのディストリビューションはそれぞれ独立して起動・利用できるので、必要なら複数インストールしてもよい。だが1つのディストリビューションを複数インストールして環境を使い分ける(例えば開発用と日常業務用に分けるなど)、といったことはできない。そういう使い方をしたければ、Windows 10にサインインするユーザーアカウントを別のユーザーに切り替えて、インストールし直す。

 インストールしたいアプリのアイコンを選択して[インストール]をクリックすると、WSL上で動作するLinuxディストリビューションのダウンロードとインストールが行われる。

Linuxディストリビューションアプリのインストール Linuxディストリビューションアプリのインストール
WSL上で利用できるLinuxのディストリビューションは、Windowsストア経由のアプリとして提供されているので、簡単に再インストールしたり、アンインストールしたりできる。

WSLの起動方法

 インストールされたディストリビューションは、スタート画面から起動できる。

インストールされたLinuxディストリビューション インストールされたLinuxディストリビューション
スタート画面のプログラムの一覧にインストールしたディストリビューション名が表示されているので、それをクリックして起動する。よく使うならアイコンとして登録したり、タスクバーに登録したりしておくとよい。

 最初に起動したときには、ディストリビューションの内容をユーザーフォルダの下に展開して初期設定する処理が行われるため、しばらく時間がかかる。

初回起動時のセットアップ作業 初回起動時のセットアップ作業
WSLを起動すると、最初にLinuxのファイル環境などをユーザーフォルダの下に展開するための作業が行われる。

 数分待つと作業が終了するだろう。最初に行う作業はユーザー名とパスワードの入力である。WSL環境では、Windows OSのユーザーやグループとは別に、WSLの中だけで閉じたユーザー管理が行われている。そのためのユーザー名とパスワードを最初に入力する。

ユーザー名とパスワードの指定 ユーザー名とパスワードの指定
初回起動時には、WSL環境で利用するユーザー名とパスワードの情報を入力する。これはUbuntuを起動した例である。

 ディストリビューションごとに異なる起動メニュー(スタート画面のアイコン)が用意されているので、目的に応じて使い分けることができる。

WSLで起動したLinuxシェルの例 WSLで起動したLinuxシェルの例
異なるLinuxディストリビューションを使い分けることも可能だ。

 インストール後は、それぞれのディストリビューションごとに固有の方法を使ってパッケージの更新などを行っておこう。例えばUbuntuなら、以下の記事で述べているように「apt update」「apt upgrade」コマンドなどを使って更新する。

 インストールしたWSL上のLinuxコマンドをコマンドプロンプトから呼び出して使う方法については、以下の記事を参照していただきたい。

■更新履歴

【2018/05/18】最新状況に合わせて内容を更新しました。

【2017/11/08】正式版として公開されたWSLに合わせて、内容を更新しました。

【2016/08/08】初版公開。


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