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» 2017年11月08日 05時00分 公開

Tech TIPS:Windows 10でLinuxプログラムを利用可能にするWSL(Windows Subsystem for Linux)をインストールする

Windows 10では、Linux向けのバイナリプログラムをそのまま実行できるようになるWSL(Windows Subsystem for Linux)機能が提供されている。ただ、別途インストールが必要だ。本TIPSでは、そのインストール方法を解説する。

[打越浩幸,デジタルアドバンテージ]

対象OS:Windows 10バージョン1607以降(64bit版のみ)


WSL(Windows Subsystem for Linux)とは?

 Windows 10ではLinuxのプログラムを実行可能にする「WSL(Windows Subsystem for Linux)」が利用できる。当初、このWSLは実験的なβ版(名称は「Bash on Ubuntu on Windows」)として提供されていたが、2017年10月に提供が開始されたWindows 10 バージョン1709(Windows 10 Fall Creators Update、ビルド16299)以降では正式な機能となった。

 以前のバージョン(Bash on Ubuntu on Windows)では、Ubuntuしか利用できなかったが、現在ではそれ以外のディストリビューションも用意され、インストール方法もWindowsストアを使うように変更されている。

WSLとは? WSLとは?
WSLはWindows OS上でLinuxの実行環境を実現するサブシステムである。Linuxのプログラムが発行したAPIやファイルアクセス要求などをWindows OSのAPIやファイルシステムアクセスなどに変換して、Linuxのバイナリプログラムをそのまま実行できるようにしている。Ubuntuの他、OpenSUSE、SLES(SUSE Linux Enterprise Server)などのディストリビューション向けのプログラムをそのまま実行できる。

 Ubuntuやその上で動作するBashシェルについては、以下の記事も参照していただきたい。

 本TIPSでは、このWSL環境のインストール方法についてまとめておく。

手順1.旧バージョンをアンインストールする

 これはオプション手順だが、すでに古いβ版のWSL(旧Bash On Ubuntu on Windows)がインストールされている場合は、それをいったんアンインストールしてからWindowsストア版を再インストールする。旧版をアンインストールするにはコマンドプロンプトを開き、「lxrun /uninstall /full」コマンドを実行する。

 このコマンドやオプションの意味などについてTIPS「Windows 10のBash on Ubuntu on Windows環境を初期化/再インストールする」を参照のこと。

旧版のBash On Ubuntu on Windowsについて

 lxrunやbashコマンドでインストールしていた以前のβ版のBash On Ubuntu on Windowsは、内部的には、本TIPSで解説するWindowsストア版のUbuntuディストリビューションとは別のインスタンスとしてインストールされている。だが残しておいても混乱の元なので、アンインストールして、今後はWindowsストア版だけを使うのがよいだろう。


手順2.WSL機能を有効にする

 WSLをインストールするには、まずコントロールパネルを開き(TIPS「Windows 10で素早くコントロールパネルを開く方法」参照)、「Windowsの機能の有効化または無効化」で「Windows Subsystem for Linux」の機能を有効にする。

「アプリと機能」の呼び出し 「アプリと機能」の呼び出し
[スタート]ボタンを右クリックして、クイックアクセスメニューから[アプリと機能]を実行する。

[プログラムと機能]の起動 [プログラムと機能]の起動
「アプリと機能」画面で、「関連設定」に表示されている[プログラムと機能]を実行する。Cortanaの入力ボックスまたは[Windows]+[R]で[ファイル名を指定して実行]を呼び出し、「appwiz.cpl」と入力して実行してもよい。

Windowsの機能を追加する Windowsの機能を追加する
コントロールパネルの「プログラムと機能」が表示されるので、左側のメニューにある[Windowsの機能の有効化または無効化]をクリックして起動する。

WSLを有効にする WSLを有効にする
「Windows Subsystem for Linux」のチェックボックスをオンにして[OK]をクリックする。

 WSLを有効にすると再起動を要求されるので、システムをいったん再起動する。

システムの再起動 システムの再起動
WSL機能の追加後、システムを再起動する。

 β版の時は、この操作の前に「開発モードを有効にする」という設定手順が必要だったが、現在ではこれは不要となっている。

 このWSL機能の有効化は、最初に一度だけ、管理者権限を持つユーザーが行えばよい。

手順3.WSLのパッケージをストアから導入する

 WSL役割を導入したら、次はWindowsストア経由でLinuxパッケージを導入する。この手順3.以下の操作は、WSLを利用したいユーザーごとに個別に行う必要がある点に注意したい。

 現在ストアで提供されているLinuxのパッケージ(ディストリビューション)は、次の3つがある。それぞれ、ベースにしているディストリビューションが違っていたり、管理用コマンドや設定方法などが異なるので、慣れているものを選択していただきたい。Linuxにあまりなじみがないなら、比較的ユーザー数が多くて情報を得やすいUbuntuから始めるとよいだろう。

  • Ubuntu
  • OpenSUSE Leap 42
  • SLES(SUSE Linux Enterprise Server 12)

 これ以外に「Fedora」も今後リリースされる予定となっている。

 「Microsoft Store」アプリを起動して検索窓に「Linux」と入力すると、現在利用可能なLinuxディストリビューションの一覧が表示される。

現在利用できるLinuxディストリビューションの一覧 現在利用できるLinuxディストリビューションの一覧
Microsoft Storeアプリを起動して「Linux」という単語を検索すると、一番上に「WindowsでLinuxを実行する」もしくは「C:\> Linux on Windows? 本当です。」というWSLの紹介画面が表示される。そこにある[アプリを入手する]というボタンをクリックすると、この画面が表示される。現在はこの3つをインストールできる。これらをダウンロード/インストールするのにMicrosoftアカウントは必要ない。

 この3つのディストリビューションはそれぞれ独立して起動・利用できるので、必要なら3つともインストールしてもよい。

 インストールしたいアプリのアイコンを選択して[インストール]をクリックすると、WSL上で動作するLinuxディストリビューションのダウンロードとインストールが行われる。

Ubuntuのインストール Ubuntuのインストール

WSLの起動方法

 インストールされたディストリビューションは、スタート画面から起動できる。

Ubuntuの起動 Ubuntuの起動
スタート画面のプログラムの一覧にインストールしたディストリビューション名が表示されているので、それをクリックして起動する。

 最初に起動したときには、ディストリビューションの内容をユーザーフォルダの下に展開して初期設定する処理が行われるため、しばらく時間がかかる。

初回起動時のセットアップ作業 初回起動時のセットアップ作業
WSLを起動すると、最初にLinuxのファイル環境などをユーザーフォルダの下に展開するための作業が行われる。

 数分待つと作業が終了するだろう。最初に行う作業はユーザー名とパスワードの入力である。WSL環境では、Windows OSのユーザーやグループとは別に、WSLの中だけで閉じたユーザー管理が行われている。そのためのユーザー名とパスワードを最初に入力する。

ユーザー名とパスワードの指定 ユーザー名とパスワードの指定
初回起動時には、WSL環境で利用するユーザー名とパスワードの情報を入力する。これはUbuntuを起動した例である。

 ディストリビューションごとに異なる起動メニュー(スタート画面のアイコン)が用意されているので、目的に応じて使い分けることができる。

WSLで起動したLinuxシェルの例 WSLで起動したLinuxシェルの例
異なるLinuxディストリビューションを使い分けることも可能だ。

 インストール後は、それぞれのディストリビューションごとに固有の方法を使ってパッケージの更新などを行っておこう。例えばUbuntuなら、以下の記事を参照していただきたい。

■更新履歴

【2017/11/08】正式版として公開されたWSLに合わせて、内容を更新しました。

【2016/08/08】初版公開。


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