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» 2018年01月25日 10時00分 公開

分からないことは内部で議論するより「顧客」に聞け!:プロトタイピングとリーン開発で新たな価値作りに取り組む「じゃらんnet」

リクルートライフスタイルが運営する国内最大級の旅行サイト「じゃらんnet」では、現場のエンジニアとデータサイエンティスト、UXディレクターの連携による迅速な開発を通じて、次々に新しい「価値」作りに取り組んでいる。

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新たに宿泊施設の業務支援に踏み込む「じゃらんnet」

 「リクルートライフスタイル」が運営する国内最大級の旅行サイト「じゃらんnet」は、2000年のサービス開始以来成長し続けてきた。今ではWebやスマートフォン向けアプリを通じて、年間のべ9000万泊以上もの予約を仲介している他、レンタカーや航空券、それらと宿泊を組み合わせたダイナミックパッケージに加え、旅行先でのさまざまな「アクティビティー(遊び、体験)」も提案し、インターネット経由で予約できるようにしている。

ネットビジネス本部 旅行事業ユニット ユニット長
犬伏洋介氏

 もともとは旅行情報誌「じゃらん」からスタートしたサービスだが、「宿泊施設の情報をデータベース化し、簡単に予約できるようにしてネット予約マーケットを広げてきた。ネット予約が当たり前になってきた今、『宿』だけでなく『旅行』というドメインで高い価値や優れた体験を提供していきたいと考えている」と、同社のネットビジネス本部 旅行事業ユニット ユニット長の犬伏洋介氏は説明する。

 じゃらんnetはさらに、宿泊、アクティビティーなどのネット予約サービスを強化することに加えて、2018年から新たに宿泊施設の業務支援サービスを展開する。

 2020年の東京オリンピック・パラリンピックを前に、インバウンドの旅行客は増加の一途をたどっている。一方で、宿泊施設には、日本語だけでなく英語など多言語での対応が求められる。また、ユーザーの予約チャネルも多様化しており、宿泊施設の運用業務も複雑化してきている。一方で、現場では人手不足が叫ばれて久しい。「じゃらんnetが保有してきたデータや培ってきた知見を生かして、業務効率化へ寄与したい。これによって負荷が減った分を、おもてなしなど価値向上に宿泊施設が注力できるよう貢献していきたい」(犬伏氏)

 そんな狙いから同社では複数の新サービスを発表済みだ。1つは、需要予測などのデータを基に、適切な宿泊販売価格の設定を支援する「レベニューアシスタント」。2つ目は、宿泊施設に寄せられるさまざまな質問に、AI(人工知能)が自動的に応答するチャットボットの「トリップAIコンシェルジュ」。さらに、マルチデバイス、多言語対応で予約機能付きのWebサイトを作成できる「ホームページダイレクトサービスプラス」。これら3つのサービスを、2018年春に開始する。

 こうした新機能を実現しているのが、新卒・中途問わず、「新しいことにチャレンジしよう」と考えてリクルートライフスタイルに加わったエンジニアやデザイナーたちだ。

従業員に代わってAIが質問に答える新サービス、実現の鍵は新しい開発体制

 トリップAIコンシェルジュは、その名が示す通り、宿泊客から宿泊施設へのさまざまな質問にAIが自動的に応答するサービスだ。「レイトチェックインは可能ですか?」「駐車場はありますか、有料ですか?」といった定型的な質問に24時間即時に応答することができ、宿泊施設の業務負荷を軽減できる。また、AIが問い合わせ内容を学習することで、さらに多様な問い合わせに対応できるようになっていく。

ネットビジネス本部 旅行事業ユニット プランニンググループ
中野克己氏

 同サービスの立ち上げを率いてきたプランニンググループの中野克己氏によれば、開発のきっかけは、ある自然言語系AIに触れたこと。「これを使って何かできないだろうか」という漠然とした思いから始まり、海外の事例を収集したり、宿泊施設にヒアリングしたりしながら幾つか仮説を立て、1人でトリップAIコンシェルジュの原型を考え、実証実験の計画を立てた。実証実験の起案に犬伏氏からのゴーサインが出てからは、本格的に仲間を集め、約2カ月かけてMVP(Minimum Viable Product)を開発し、実証実験を進めながらサービスの提供価値を磨き上げていったという。

 「前例のないサービスで、分からないことがたくさんありました。そこでまず、必要最小限の機能を満たすMVPを作り、4つの宿に協力いただいて、2カ月かけて実証実験を行いました。『従業員の省力化につながりそうか』『宿泊客の満足度はどうか』『そもそも正確な応答はできているのか』といったさまざまな事柄を確かめながら、サービス内容を固めていきました」(中野氏)

 中野氏によると、このサービスを可能にした要因は2つある。1つは、じゃらんnetがサービスを通して築いてきた宿泊施設や宿泊客との接点力だ。「これまで宿泊施設と築いてきた関係性があったため、新しい取り組みの実証実験にも積極的に協力していただけ、さまざまなフィードバックや気付きを得られた。さらにじゃらんnetを通じて多くの宿泊客との接点があるため、豊富なデータを手に入れられ、AIの学習の優位性を実現できると考えた」という。

 もう1つは、エンジニアとデータサイエンティスト、UXディレクターの三位一体で進める開発体制だ。MVPを作ってからの実証実験では、フロントエンド側では宿泊施設や宿泊客の反応を確かめ、バックエンドではデータサイエンティストの協力を得て、どのようなスキームで最適なAIの学習を実現していくか、2週間程度でスプリントを回しながら学習効果の検証を進めていった。多くの宿泊施設に展開しスケールさせることを考えると、大量のデータの中から優先度の高い情報を抽出し、運用コストを抑えつつ学習効果を最大化させるスキームの構築は不可欠だったという。

 この間、犬伏氏からの「口出し」は一切なかったそうだ。ゴールは数値で明確に決めるが、具体的な実現方法は担当者のアイデア次第だったという。「これをやりたいと手を挙げ、意義をきちんと説明して『やる』と決まれば、後は自由にやらせてくれる。AIという新しい技術を取り入れ、試行錯誤しながらゼロからサービスを形作っていくというのはなかなかできない経験だった」と中野氏は振り返る。

 トリップAIコンシェルジュの開発を通して、じゃらんnetが今まで把握していなかった新たな問い合わせ内容があることも分かってきた。そこで、特に多い項目はユーザーインタフェース(UI)に反映させ、サービス改善にもつなげたいと考えている。既に多くの宿泊施設が同サービスの導入に興味を持っており、今後はインバウンドの増加を見込み、英語や中国語、韓国語など多言語対応を図る計画だ。

UXのA/Bテストは週に10本以上ペース。リーン開発で次々にサービスを改善

 トリップAIコンシェルジュも含めたさまざまな新規サービスのリリースを、データサイエンティストと並び、サービスのUI/UXや機能といったプロダクトデザイン面で支援してきたのがUX担当者だ。

 Web2.0もスマホもなかった時代から提供され続けてきたサービスだけに、じゃらんnetには長年引き継がれてきた部分もある。従って一部にはウオーターフォール的に開発されている部分も残っているが、今まさにそれが変わりつつあると、UXデザイングループでリーン開発に取り組む坂東塁氏は言う。「今ではリーン開発も本格稼働しており、週に10本以上、年間では何百というA/Bテストを回すペースでプロジェクトを進めています。スクラムのスプリントを週次で回し、早いものでは要件を決めて開発し、リリースするまで1週間程度というスピード感です」(坂東氏)

 「社内での合意形成に時間を使うよりも、ユーザーやマーケットに向き合ってフィードバックを得て、より早くいいものを出していきたい」(犬伏氏)

 坂東氏はもともと、他社でエンジニアをしていた経験の持ち主だ。UXの視点でプロジェクトに携わる今は、データサイエンティストチームからはデータに関する知見を、営業などの担当者からは旅行ドメインの知識を得ながら、エンジニアの経験を生かしてUXからもさまざまな提案を行い、開発を進めている。

 「さまざまな指標を毎日モニタリングできるようにしていて、エンジニア含めたチーム全員で日々のユーザーの動きに一喜一憂できる環境作りを心掛けている。どんどん精度を高めていくことにチーム全体で手応えを感じられるため、非常に楽しいと感じる」(坂東氏)

 1つの例が、予約時に表示する宿の情報の最適化だ。単に過去の閲覧データに基づいてユーザーごとに最適化する「レコメンデーション」にとどまらず、「数分前、数秒前のデータを生かして、ユーザーが直近で探そうとしたものに沿って、自然と最適なユーザーが必要な情報を表示する方法をUXの側面から考えている」という。今後は宿情報だけでなく、じゃらんnetのプロダクト全体についても同様な最適化を進め、領域を超えたレコメンデーションを実現していきたいという。

 それが可能なのは、やはり、エンジニアとデータサイエンティストと三位一体で開発を進めているからだ。「『こんな機能を作りたい』と言った翌週には、そのためのAPIが用意されている」と坂東氏がいうリーン開発のスピード感は、スタートアップ企業にも劣らないという。リクルートライフスタイルの場合はそれに加えて、「これまでの蓄積とサービス規模があるため、一気に大きく展開できる。そこから多くのフィードバックを得られることがモチベーションの1つになっている」(坂東氏)。

小さな失敗も含め、「チャレンジ」を歓迎する風土が新たな価値の土壌に

 転職してから1年半という短い期間だけでも、会社全体がどんどん変化して新しいことにチャレンジできる環境になっていることを感じると坂東氏は言う。

ネットビジネス本部 旅行事業ユニット UXデザイングループ
坂東塁氏

 開発スタイルしかり、ツールや環境の選択しかりで、「何を使うかは基本的に現場に任せられているので、エンジニアが使いたいものを自由に使える」とは坂東氏の弁。新たな「攻め」のシステム基盤としてGoogle Cloud Platform(GCP)を採用したのもその一例だ。坂東氏らは、負荷に耐え、かつ経済性が高いという観点からGCPを選択したが、この新しい開発体制がうまくいけば、将来的には「守り」の既存システムとGCPやAWS上の新しいシステムと統合することも検討している。

 「エンジニアが使いたい環境を選択できるというのは、エンジニアの役割も変わってきているということ。新しい価値を生み出すときには、フロントエンドだからとか、インフラだからと決めるのではなく、専門性に加えさまざまなフィールドに興味を持つという意味でのフルスタックエンジニアが求められるのではないか」と坂東氏は述べた。

 そもそもリクルートライフスタイルの社内は、エンジニア以外のスタッフがSQL文を書いて必要なデータを抽出したり、逆にエンンジニアもプロジェクトを中長期的に伸ばすことを意識しながら開発したりと、メンバーそれぞれが枠にとらわれない視野とスキルを持ち、生かしている。

 何より面白いのは、チャレンジする姿勢を歓迎する風土だろう。もともとエンジニアだった坂東氏は、この職場でUXデザイナーという新しい職種にチャレンジしている。そこで、成果を出し、新しい開発体制ではプロジェクトマネジャーとして新規サービス事業に取り込んでいる。また新卒で入社した中野氏も「『いろんなことを体験したい、新規サービス事業に関わってみたい』と言っていたら新規サービス事業を立ち上げるチャンスをもらえ、『事業全体を見渡す仕事もしてみたい』と手を上げたらプロデューサーという立場で事業に携わることができた。前のめりになって何かをやりたい、という人がいれば、チャレンジングなポジションを与えてくれる環境です」と言い、時に「失敗」から学べることも含め、キャリア形成にとても適した職場だと感じているという。

 開発のスピード感と自由度、規模の大きさから来るスケールとサービス展開のダイナミックさ……じゃらんnetはそんな相反する要素を両立できる、ユニークな現場ではないだろうか。

写真:くろださくらこ

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提供:株式会社リクルートライフスタイル
アイティメディア営業企画/制作:@IT自分戦略研究所 編集部/掲載内容有効期限:2018年2月24日

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