「Delphi、C++Builder市場を再活性化する」、エンバカデロ新製品投入、コミュニティとの連携強化

» 2008年09月08日 00時00分 公開
[西村賢,@IT]

 2006年11月にボーランド・ソフトウェアから分社し、開発ツール専業ベンダとしてDelphi、C++Builder、3rd Railといった製品を提供してきたCodeGear(コードギア)。データベース関連のソフトウェア製品を扱うエンバカデロ・テクノロジーズとの統合を終え、2008年7月には日本法人「エンバカデロ・テクノロジーズ合同会社」が活動を開始した。

 2008年8月26日にはボーランド時代からの主力2製品の最新版「Delphi 2009」「C++Builder 2009」を発表、同社は開発コミュニティと市場を活性化させたい考えだ(新製品ニュース)。

 ボーランド本社から切り離されたことで、これらの開発ツールが「手薄になっていた」(同社)が、ネイティブアプリケーション開発の需要が根強いこと、マイクロソフトが.NET普及にフォーカスしていることから、Delphi/C++BuilderでWindowsアプリケーション開発者を広く取り込んで行きたいという。CodeGear時代から3カ月に1度開いてきた開発者向けイベントは10回を数え、今回のバージョンからはフィールドテストに日本の開発者約70名が参加するなど、日本での取り組みも強化している。ネット上の情報提供もビデオやブログ、従来のニュースグループからWeb上の掲示板に移したディスカッションフォーラムを用意することで開発者同士の交流や情報交換を促す。

米エンバカデロ・テクノロジーズ Delphiプロダクト・マネージャのニック・ホッジス(Nick Hodges)氏

 同社は9月8日に製品説明会を開始。米エンバカデロ・テクノロジーズ Delphiプロダクト・マネージャのニック・ホッジス氏がデモンストレーションを行った。

 Delphi、C++Builderの新機能の1つは全面的なUnicode対応。ホッジス氏は変数名やプロパティ名、ユニット名、ファイル名などに日本語を使うデモンストレーションを披露。文字列データには標準でUTF-16を採用しているという。また、言語リソースを扱うITE(Integrated Translation Editor)/ETM(External Translation Manager)を用意し、ローカライゼーションや国際化対応を容易にしたという。

 GUIライブラリのVCL(Visual Component Library)では、Microsoft Officeで新たに採用されたリボンコントロールのほか、Ajax、SilverlightといったWeb技術に対応している。同社は「企業内で塩漬けになったアプリケーションをグローバル化、Web化することもできる」としている。

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