異言語、異DBを統合的にサポート

CodeGear買収完了、エンバカデロ日本法人が始動

2008/07/15

 2006年11月にボーランド・ソフトウェアから分社し、開発ツール専業ベンダとしてDelphi、C++ Builder、3rd Railといった製品を提供してきたCodeGearが、再び生まれ変わる。2008年5月に米エンバカデロ・テクノロジーズがボーランドとの間でCodeGear買収に合意に達したと発表。国内でも7月に入り日本法人「エンバカデロ・テクノロジーズ合同会社」を設立した。

emb03.jpg エンバカデロ・テクノロジーズ日本法人代表の八重樫行男氏

 従来のCodeGearスタッフはすべてエンバカデロ・テクノロジーズに移籍し、CodeGear製品群と、新たに加わったDatabaseGearの製品群の販売・サポートを行う。合同会社の代表である職務執行者に就任した八重樫行男氏は、「これまで通り、開発者に100%フォーカスした開発者のための独立系ツールベンダとして活動していくが、これからはアプリケーション開発者だけでなく、システム開発者まで含むようになり、開発者の意味合いが広くなる」と話す。当面は“エンバカデロ”ブランドの確立と、DatabaseGear製品のマーケット整備を目標に活動していくという。

 「DatabaseGear」の新ブランド名の元に展開されるエンバカデロ・テクノロジーズのデータベース関連製品群は、年間1億ドルの売り上げ規模の実績がある。同社は1993年設立のベンチャー企業で、Oracle、DB2、MySQL、SQL Server、Sybaseなど異なるデータベースの設計、開発、運用、最適化ツールを手がけている。日本国内では日揮情報ソフトウェアが国内販売代理店として販売・サポートを手がけてきた。今後はエンバカデロ日本法人と日揮は協業していく。日揮情報ソフトフェアの岩田アキラ代表取締役社長は「ローカライゼーションは今後も責任を持ってやっていく。(旧エンバカデロ・テクノロジーズは)知名度が低かったが、CodeGear製品とともに販売できることを歓迎している」と話す。

DBチューンで新製品、今後はCodeGear製品との連携強化

emb01.jpg 米エンバカデロ・テクノロジーズCEOのウェイン・ウィリアムズ氏

 7月15日に都内で記者会見を開いたエンバカデロ・テクノロジーズは、国内での新法人設立について発表したほか、データベースのパフォーマンスチューニングを行う新製品「DB Optimizer」を発表した。DB OptimizerはSQLプロファイリングとチューニングを行う統合開発環境で、パフォーマンス上のボトルネックとなっている箇所を特定し、問題のありそうな構文を最適化できる。国内での販売予定について、詳細は未定だが、英語版の価格は1500ドル。

 今後は、こうしたDatabaseGear製品とCodeGear製品の連携を強めていくことで、ソースコードとデータベースのクエリの間をシームレスに移行しながら開発を進められるような環境を提供していくという。会見で挨拶した米エンバカデロ・テクノロジーズのウェイン・ウィリアムズ(Wayne D. Willams)CEOは「顧客がどのような環境でも自由にアプリケーションの設計、開発、実行していくのをサポートしていく」とし多様なOS、データベース、開発言語を1社でサポートする同社の強みと、CodeGearとの合併による今後のシナジー効果を強調した。

(@IT 西村賢)

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