連載
» 2008年07月23日 00時00分 公開

VMware Infrastructure 3 徹底入門(1):サーバ仮想化の必然とVMware (1/3)

[ヴイエムウェア株式会社,@IT]

 「仮想化」というキーワードはすっかりメジャーになった。恐らくほとんどの読者が「サーバ仮想化」「仮想マシン」といった言葉を耳にしたことがあるのではないだろうか。とはいえ、仮想マシンを主軸としたシステムを構築するに当たり、実際的な部分で必要な技術情報が不足しているといった声を聞くこともある。本連載は、VMware Infrastructure 3 を初めて利用する読者を対象として、仮想マシンによるインフラの設計・構築の方法を解説することを目的としている。仮想マシン環境を導入する上での「最初の一歩」の手助けとなれば幸いである。

 仮想化とひと言で言っても、一体どんな場面でどのような形で利用していくのかイメージすることが難しいという方がいるかもしれない。今回は、仮想マシンの活用方法の1つである「サーバ統合」を例に、なぜ仮想マシンの活用が有効であるのかを説明する。そして、VMware Infrastructure 3の構成要素と、VMware ESXのアーキテクチャを紹介する。 

サーバ統合と仮想化

 仮想マシンはさまざまな用途で活用されているが、その代表的な用途の1つに「サーバ統合」がある。サーバの集約・統廃合による効率化は企業のIT部門にとって常に課題となるが、それを実現するテクノロジーとして仮想マシンの活用は非常に注目されている。

 サーバの物理的な収容密度を上げるに当たっては、ブレード型サーバやラックマウント型サーバの活用など、さまざまな統合手法が各種サーバベンダから提供されている。これにより、限られた設置面積上にかなりの数のサーバを収容することが可能となっている。

 しかし、このように物理的なサーバ統合を実施したとしても、個々のサーバ 1台 1台の中を見ると、有効活用されていない場合が多い。

 ご存じの通り、近年のx86系サーバの性能向上には目を見張るものがある。単一プロセッサの中に複数個の演算コアを格納するマルチコア CPU が一般化し、例えば1U〜2Uクラスのボリュームゾーンのサーバであっても8個の演算コアを格納しているなど、極めて計算能力の高いマシンがリーズナブルな価格で購入できる。

 このように計算スループットの高いサーバが提供されている一方で、OS・アプリケーションの構造上なかなかその計算資源を有効に活用できていない場合が非常に多い。であれば、複数のアプリケーションを単一サーバ上で動作させ有効活用したいと考えるところであるが、これがなかなか単純には実現できないことが多い。アプリケーションによって求めるレジストリのセッティングが違っていたり、求めるOS・ライブラリ環境やパッチレベルが違っていたり、そもそも構造的に同居させられないアプリケーションの組み合わせなども存在する。

図1 仮想マシンを用いたサーバ統合。物理マシン上で複数の仮想マシンを実行 図1 仮想マシンを用いたサーバ統合。物理マシン上で複数の仮想マシンを実行

 そこで仮想マシンの活用が注目されている。仮想マシンとは文字通りソフトウェアによって仮想的に構成されたコンピュータのことであるが、この上で動作するOSやアプリケーションにとっては普通の物理マシンが単にそこにあるかのように見える。このため、例えばWindows ServerやLinuxなどの一般的なOSを仮想マシン上にインストールして動作させることができるし、一般アプリケーションもその上で変更なく動作させることができる。

 サーバ統合を最適化するに当たっては、この仮想マシンの特長を活用することができる。物理マシンに仮想化を実現するソフトウェアをインストールし、その上で複数個の仮想マシンを並列実行させる。これにより個々のアプリケーションの動作環境の独立性を維持したまま、サーバの計算資源を有効活用することが可能となる。先述の通り最近の x86サーバの性能は非常に高いため、1台の物理マシン上に数十台の仮想マシンを収容しているといった例も珍しくない。このようにして、必要となる物理マシンの台数を削減し、それに伴って消費電力やケーブリング、その他データセンターが抱えるさまざまなコストを大幅に削減することが期待できる。

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