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» 2019年03月01日 10時00分 公開

世界トップレベルのクラウドビジネスは、いかにして成長してきたか:SI企業出身のスペシャリストが語る、「世界で戦える人材」のなり方

クラウドコンピューティングが話題にならない日はない。あらゆる企業や組織のシステムに浸透しつつあるクラウドだが、そこにはどのような人材がいて、どのような思いを持って仕事にまい進しているのだろうか。クラウドを提供する側と使う側、その間の橋渡し役を担う企業として世界最大級の一社がアクセンチュアだ。同社で活躍している、SI企業から転職した2人のクラウドスペシャリストが語るアクセンチュアのクラウドビジネスとは何か。人、サービス、そして戦略が見えてくる。

[@IT]

SI企業から総合コンサルティング企業への転職を促した、シンプルな動機

――お二人はアクセンチュアのクラウド関連ビジネスの最前線で活躍中のスペシャリストですが、伊藤氏と岡氏には「SI企業での勤務を経て、転職でアクセンチュアに入社」という共通点があると伺いました。活躍の場としてアクセンチュアを選んだ理由は何だったのでしょうか。

アクセンチュア テクノロジー コンサルティング本部 インテリジェントソフトウェアエンジニアリングサービス グループ シニア・マネジャー 岡 智也氏

岡氏 私はアクセンチュアが2社目です。新卒だった2000年代初頭のころから「人材としての自分の市場価値」をどうやったら高められるかを意識していました。

 前職は先輩や上司にも恵まれ、働きやすい環境ではありましたが、30代の中堅社員になると管理業務に軸足を移すなど、先端テクノロジーに触れ続ける機会が減ってしまうように思えました。私は「継続的なスキルアップをベースとするキャリアを構築したい」と考え、先端テクノロジーをビジネスに生かすことを強みとするアクセンチュアへの転職を決意しました。

伊藤氏 システムの提案といった「テクノロジーに関するプロジェクトに継続的に関わりたい」という希望を強く持っていたこと。私がアクセンチュアをキャリアアップの場として選んだ理由は、その1点に尽きます。

 私は1社目でプログラマーを経験し、2社目で業務コンサルティングに携わりました。プログラミングという「モノづくり」の仕事は楽しかったし、業務コンサルで企画や戦略策定の領域を担当したときには仕事の幅の広がりを感じて充実していましたが、テクノロジーに関する仕事をしたい、テクノロジーを生かしてお客さまのビジネスの変革を支援したい、と考えてアクセンチュアに飛び込みました。

アクセンチュアで活躍する転職者が実践している「掛け算」

――入社後にギャップなどを感じることはありましたか?

岡氏 コンサルタントの思考法を身に付けるために努力したことをよく覚えています。

 エンジニア職の時は先輩から技術を習い、まねてみながら仕事をしていましたが、コンサルタントは「答えがない」状態の中で、自分の仮説を立てて迅速に形にし、対話を通じて洗練させていきます。こうした「仕事のやりかたの違い」に気付いてからは、一気に成長できた気がします。

 後はPowerPointでのお客さまに向けた資料作成ですね。先輩の資料を参考に同じように作る「写経」的な特訓で、ストーリーラインの構成方法やコツ、工夫の仕方を自分なりに研究して覚えました。

伊藤氏 私も似たような経験があります。上司や同僚の思考法を自分も実践しつつ、「今日はどのような学びがあったか」を毎日考え、翌日の会議やディスカッションに備えたシミュレーションを繰り返しました。例えば、会議で聞かれる可能性が高い想定質問を自分で考え、回答を考え抜いておくようなトレーニングを日々続けましたね。

――アクセンチュアでのキャリアで、ブレークスルーになった出来事は何でしょうか。

伊藤氏 小さな領域でしたが、プロジェクトの一部分を任せてもらったことです。「立場が人をつくる」という言葉の通りで、受け身で仕事をするのではなく、自分で「目標設定はこうだから、この方法を試してみよう」と主体的に考えられるようになったことがブレークスルーポイントになりました。

 コントロールされる側からコントロールする側に変わったことと、小さな範囲でも失敗と成功を繰り返し体験したことで、自信がついて仕事がどんどん楽しくなりました。

岡氏 全く同感です。私も「自信」を持ったことがブレークスルーのきっかけでした。私の場合、入社から1年間くらいは最低レベルの評価だったのですが、あるシステム開発プロジェクトの技術基盤の設計から構築で前職の経験を生かすことができ、「この分野については他人に負けない」という自信を持つことができました。お客さまとの会議の場で「より良くするための提案」を自分の意思で言えるようになったことが大きい変化です。

 経験者採用の方がパフォーマンスを発揮するには、「それまでのキャリアで獲得したスキル、知識」×「アクセンチュア入社後に身に付けたコンサルタント的考え方、働き方」の掛け算が有効だと思います。

 私の場合、もう一つブレークスルーがありました。それは自分でチームを率いるようになったことです。私は一時期、「管理職にはなりたくない」と上司に反発していました。ですが、次第に「ビッグプロジェクトで大きな成果を出すには、メンバーを育成しながらチームワークで挑まなければいけない」という考えが大きくなっていき、プレイングマネジャーのような立場になりました。

 私は現在シニア・マネジャーの立場ですが、実は今でもShellを書いています(笑)。

伊藤氏 実は私も同じです。私も「何でも自分でやりがち」なタイプでした。ですが、それぞれ専門性を持ったメンバーで分担する方がプロジェクトも効率的に進むし、何より楽しいと気付きました。

――同僚や上司にもSI企業からの転職者は多いのでしょうか?

岡氏 多くいますね。SI企業やコンサルティング企業からの転職者と新卒入社メンバーとの混成チームでの仕事は日常的です。

伊藤氏 そうですね。転職組だからといって、何か引け目のようなものを感じる要素は皆無です。むしろチームのカルチャーが多様化することで面白さが増しますし、それぞれのバックグラウンドを尊重し合うカルチャーなので、一人一人に「違い」がある方が、むしろ親近感が強くなります。

 評価の仕組みもフラットで、あるプロジェクトで活躍できなかったとしても、次のプロジェクトで活躍できた場合は、以前の評価とは無関係にきちんと評価してもらえます。あるチームに、プログラミングと提案業務のどちらもそこまで強くないメンバーがいましたが、実はその人は英語が得意でした。開発系プロジェクトから、英語の利用頻度が高いプロジェクトに移ったら生き生きして、自信に満ちたプレゼンをしていました。

岡氏 似たような話を私も知っています。システム開発で苦労したメンバーがいましたが、その人はスペイン語が堪能だったので、あるプロジェクトでスペイン語圏から来たプロジェクトリーダーとのコミュ二ケーションを担当したらトントン拍子で活躍したそうです。組織が柔軟で、適材適所であるのがアクセンチュアの独特なところですね。

AWSやマイクロソフトと、クラウドのパートナーとして密に連携

――お二人がクラウドのビジネスに携わるようになった経緯(けいい)を教えてください。

岡氏 私は以前から、システム更改プロジェクトにおいてサーバ/インフラ環境の構築がボトルネックになっていたり、スケーラビリティの設計で苦労したりといった経験をしていました。そうした背景や課題意識を日々持っていたので、パブリッククラウドが出てきたときは「課題解決に使える」と確信して、一気に独学で勉強し、ユーザーグループにもすぐに参画しました。

 当初はアクセンチュアにもクラウドに懐疑的だったメンバーはいました。しかし時代は変わったという認識が社内にどんどん浸透していきました。そして今では、アクセンチュアはアマゾンやマイクロソフト、グーグルといった主要なクラウド事業者と「ビジネスグループ」(共同事業体)の関係を築いています。これは単なるアライアンスではなく、人材交流などを含め、ワールドワイドに非常に密なレベルで連携してビジネスを行っているということです。

 例えば、未知のバグに遭遇したときにAmazon Web Services(AWS)のグローバルの開発部隊にエスカレーションして優先的な障害対応を依頼することもあります。

アクセンチュア テクノロジー コンサルティング本部 インテリジェントソフトウェアエンジニアリングサービス グループ シニア・マネジャー 伊藤 啓介氏

伊藤氏 確かにAWSとの提携の発表は大きな転機でしたね。私の場合、長いことオンプレミスの案件を手掛けていましたが、3年ほど前から「スケジュール的にクラウドを使うしかない」というケースが増えてきて、今ではクラウド活用が標準になった気がします。

岡氏 スケジュールもそうですし、規模の面でも同様ですね。その企業のシステム更改が新聞記事になるような大企業や官公庁の大型プロジェクトでも、今ではクラウドは当たり前のように利用されますし。

伊藤氏 そういった、規模の大きい、面白い仕事に携わりたくてアクセンチュアに転職する人も多くいますね。入社したら周囲の人から学べることがたくさんあってどんどん成長している人がたくさんいる印象です。

クラウドはツールにすぎない。お客さまの「経営課題解決」に踏み込む

――クラウド関連で苦労したプロジェクトはありましたか?

伊藤氏 苦労といってまず思い浮かぶのは、「クラウドの効果に懐疑的なお客さまに、どうやって理解と納得をしていただくか」でしょう。とはいえ、何がメリットか、何が妥協すべき点か、そうしたことを整理しながら、お客さまの導入へのモチベーションを高めることは楽しいことでもあります。

 クラウドを単に販売するのではなく、「使い方を一緒に考えていきましょう」というスタンスであることが、アクセンチュアのクラウドビジネスが評価いただいているポイントだと思います。

岡氏 私の場合、プロジェクト管理や技術的な領域で、苦労とやりがいの両方を感じます。

 例えば、グローバル展開を前提としたプロジェクトではアクセンチュアの海外オフィスと連携する場合もありますし、トランザクションが膨大かつデータの量、種類も非常に多い場合では、クラウドサービス提供企業でさえも未経験な規模の巨大なデータボリュームを処理することもあります。逆に言うとそれだけ難しいチャレンジを乗り切った時の喜びもひとしおです。

伊藤氏 話題が苦労からメリットに変わりますが、お客さまの経営層が短いスパンで成果を求めている場合に対応できるのも、クラウドが本領発揮できる部分でしょう。単純にシステムを変えるだけでなく、並行して業務組織やプロセスも一緒に変えることでスピードが求められるお客さまのビジネス変革に寄り添い、業績を高める。DevOps的な取り組みで、頭をフル回転させながら、ダイナミックな仕事をしている実感はありますね。

――お二人が所属するアクセンチュアの専門家集団「クラウドCoE(Center of Excellence)」とは、どのような組織でしょうか。

岡氏 既存システムをクラウド移行するマイグレーションの案件はもちろん、クラウドネイティブな案件も多数手掛ける組織です。アクセンチュアにはマイクロサービスやDevOps、アジャイル開発などの専門組織もあり、連携してお客さまのビジネスのデジタル化を支援しています。

 大切なことは、クラウドはツール、手段であって、利用自体が目的化してはいけません。お客さまと日々「クラウドの効果的な使い方」を議論したり、経営課題解決のためのPoC(概念実証)を迅速に行ったりと、必要に応じてさまざまなことに取り組んでいます。クラウドCoEは、そのための組織でもあります。

伊藤氏 システム案件では「上流/下流」といった表現をよく耳にしますが、お客さまに最も近い場所にいると、上も下もない感じです。プロジェクト開始前の構想段階からカットオーバー後の運用のオフショアへの引き継ぎまで、全工程に関与できます。

岡氏 自社で製造できるのも強みですね。

伊藤氏 そこはお客さまが驚くポイントです。「アクセンチュアには外注がほとんどいないんですね!」と。

岡氏 確かに言われますね。だからこそ、こういう環境で新しい経験を積んでみたい人にはやりがいのある職場だと思います。

――ありがとうございました。

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写真:山本華漸

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提供:アクセンチュア株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT自分戦略研究所 編集部/掲載内容有効期限:2019年3月31日

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