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» 2019年03月13日 05時00分 公開

仕事が「つまんない」ままでいいの?(51):仕事はツラいが、何とかしたい (3/3)

[竹内義晴(特定非営利活動法人しごとのみらい),@IT]
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「自分から動く」と楽しくなる

 転職先の会社で働くのは心も体もしんどくて、ホトホト困りました。しかも、しばらくしたら管理職になってしまいました。管理職になりたくなくて転職したのに!

 上司に不満をいろいろぶつけましたが、何も変わりませんでした。もう、八方ふさがりです。ホトホト困っていたので「もっと働きやすい職場にしたい!」と思うようになりました。

 そこで、上司に「コミュニケーションの勉強に行かせてくれ」と頼みました。

 しかし、答えは「No」。「ITの資格を取るなら会社のお金を使うのも分かるが、コミュニケーションにはお金を出せない」と言われました。とても悔しかったです。

 そこで、「こうなったら、自分でお金を出してでも勉強するしかない」と決意しました。

 週末にコミュニケーションのセミナーに通い、習ったことを職場で実践する日々が始まり――すると、職場が変わり始めました。

 それまでは、若いエンジニアへのコミュニケーションといえば、「やる気を出せ」や「自発的になれ」のように(私たちがそう言われてきたように)命令や指示を直接的に伝えていました。でも、毎月30分じっくり話を聞いたり(今でいう1on1ミーティングですね)、関わり方を変えたりすることで、自然とメンバーがやる気になり、自発的になったのです。

 それから少しずつ「あっ、変わってきたな」と実感できて、「このまま続ければ、変えられるかも」と、希望の光が差したように感じました。それからですね、少しずつですが、「管理職も、意外と面白いかも」「仕事って、結構楽しいのかも」と思えるようになったのは。

 この経験から、「仕事が楽しい」と思えるようにするためには、「自分から動く」ことが大切だと気が付きました。

楽ではないが大切な「内省のプロセス」

 最後に、仕事を楽しくする上で、もう一つ。

 望まない環境に置かれることは、誰しもが経験あるものです。

 そういうときは「サクッと辞めて転職しましょう」「やりたいことをやりましょう」というのが、今の時流かもしれません。それも悪くはないでしょう。

 でも、その「イヤだ」と思う環境にいるとき、「時間の無駄、人生の無駄」と思うときこそ、楽しく働くための大切な準備期間でもあるなぁと思うのです。

 というのも、「イヤだ」「ツライ」という感情を抱いたときは、その感情を利用して内省し、「何がイヤなんだろう?」「じゃあ、どんな環境で働きたいんだろう?」「本当は、何をしたいんだろう?」「今の自分にできることって何だろう?」と、「本当はどうしたいんだろう?」という、自分なりの理想を考える機会になるからです。

 私自身、「内省のプロセス」は今もよくやっています。決して楽な作業ではありませんが、困りごとがあったときには特に、「自分が本当にやりたかったことって、何だっけ?」と自分に問い掛け、本心を確認しながら、今、何をすればいいのかを考えています。

仕事の「ツライ」が「楽しい」に変わるとき

 仕事が「つまんないな」「楽しくないな」と思うときは、何をすればいいのかよく分からないものです。「こうすれば楽しくなりますよ」という画一的、ノウハウ的なもので解決するものでもないですし。

 そんな状況でも仕事の楽しさを見いだす根源的な方法があるのだとしたら、それは、「できることを増やし」て、「自分でコントロールする」感じをつかみ、「自分に合う環境を見つけ」て、「自分のできる範囲で動き」、その中で「内省」しながら、これらを繰り返していくことではないかと思います。

 少し時間はかかるかもしれないけれど、これらを繰り返しながら、楽しく働くことができるようになるといいですね。

仕事は楽しく“する”んだな

筆者プロフィール

竹内義晴

しごとのみらい理事長 竹内義晴

「仕事」の中で起こる問題を、コミュニケーションとコミュニティの力で解決するコミュニケーショントレーナー。企業研修や、コミュニケーション心理学のトレーニングを行う他、ビジネスパーソンのコーチング、カウンセリングに従事している。

著書「感情スイッチを切りかえれば、すべての仕事がうまくいく。(すばる舎)」「うまく伝わらない人のためのコミュニケーション改善マニュアル(秀和システム)」「職場がツライを変える会話のチカラ(こう書房)」「イラッとしたときのあたまとこころの整理術(ベストブック)」「『じぶん設計図』で人生を思いのままにデザインする。(秀和システム)」など。


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