プロセス製造向け生産計画・スケジューリング製品、アイログサプライチェーン・アプリケーションの国内提供を開始

» 2008年06月27日 00時00分 公開
[吉村哲樹,@IT]

 アイログは6月27日、同社の製造業向け生産計画・管理ソリューションの最新バージョン「ILOG Plant PowerOps 3.0」を同日から提供開始すると発表した。

 ILOG Plant PowerOpsは、アイログの各種サプライチェーン・アプリケーション製品群の中で、主に製造業向けの生産計画とスケジュール立案機能を提供するもの。特に食品/飲料、一般消費財、医療など、複雑なプロセス加工工程のある製造業をターゲットにしている。同社 代表取締役ゼネラルマネージャーの和多田茂氏は、同製品の位置付けを次のように説明する。

写真 アイログ株式会社 代表取締役ゼネラルマネージャー 和多田茂氏

 「ビジネスの競争激化により、日本の製造業は製品投入サイクルの短縮、事業のグローバル展開など新たな課題に直面している。ILOG Plant PowerOpsは、特にプロセス製造業の分野で培ったノウハウを生かしてこうした課題の解決を支援し、生産効率の向上に寄与する」(和多田氏)

 また同氏は、他社製も含めたERP/SCMソリューションとの関係について、「プロセス加工工程には、タンクの管理、洗浄作業、貯蔵寿命管理といったこの分野特有の工程があるが、SAPをはじめとした一般的なERP製品はこれに対応していない。ILOG Plant PowerOpsは、この部分の計画・スケジューリング機能を既存のERPシステムにアドオンのイメージで付加できる」(和多田氏)と説明する。

写真 アイログ株式会社 セールス&マーケティングマネージャー ジョエル・ゲイ(Joel Gay)氏

 同製品は、製造の計画とスケジュールの双方を統合して管理することが可能。同社 セールス&マーケティングマネージャー ジョエル・ゲイ(Joel Gay)氏は、「通常、プランニング部門で使用するシステムと生産現場で使用するスケジューリングのシステムは別々になっている。そのため、プランニング部門で作成した計画が、そのまま現場の生産スケジュールとして適用できるとは限らない。その点、ILOG Plant PowerOpsはプランニングとスケジューリングを統合して管理するため、両部門が同じツールを見ながら作業を進めることができる」と同製品の強みを説明する。また、各種KPIに合わせてプランを作成することも可能。この機能を使えば、「例えば、プランニング部門が設定したKPIと現場が設定したKPI、それぞれに基づくプランを作成し、比較検討することができる」(ゲイ氏)という。

写真 プランニングとスケジューリングを統合した画面

 こうした機能に加え、今回リリースした新バージョンでは、需要の変動に生産を適応させる「原材料リバランス機能」、プランニング結果をより高度に分析できる「多次元分析機能」などを新たに搭載した。

 日本国内では、同社のSIパートナーである新日鉄ソリューションズとの協力体制のもと、顧客にソリューションを提供していく。すでに新日鉄ソリューションズでは、大手電子部品メーカー向けにILOG Plant PowerOpsを採用した製造計画・スケジューリングシステムを提供しているという。同製品のライセンス価格は1工場当たり1312万5000円(税別)から、初年度のビジネス目標は「数プロジェクトへの導入を目指す」(和多田氏)としている。

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