MSの中堅向けERPを独自に日本語化、PBCが発売「Microsoft Dynamics NAV 5.0 日本語版」登場

» 2008年10月08日 00時00分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 パシフィックビジネスコンサルティング(PBC)は10月8日、米マイクロソフトが開発した中堅・中小企業向けのERPパッケージの日本語版「Microsoft Dynamics NAV 5.0 日本語版」を11月1日に販売開始すると発表した。NAV 5.0はマイクロソフト日本法人が日本語版を提供していない異色の製品。PBCが独自に日本語化し、日本企業向けのアドオンを開発した。

 NAVは元々デンマークのNavisionが開発、販売していた製品。Navisionはその後、2002年に米マイクロソフトに買収された。PBCは2001年からNAVを日本語化して販売。マイクロソフトによる買収後も日本でNAVを取り扱ってきた。

 マイクロソフト日本法人は同じくNavisionが開発、販売していた大企業向けの「Microsoft Dynamics AX」を日本語化して販売しているが、NAVは日本語化していない。マイクロソフトのパートナーが販売する中堅向けERPパッケージとバッティングすることを考慮しているようだ。

「Microsoft Dynamics NAV 5.0 日本語版」の受発注機能

 NAVは世界で広く受け入れられている。導入数は約7万件で、製造や貿易・輸入販売、小売りなどで使われている。世界の導入パートナーは3700社に及ぶ。NAV 5.0は2007年に登場。伝票承認機能、前受・前払機能、オンラインマップなどの新機能を追加した。在庫原価処理機能やシリアル・ロット番号追跡機能などの拡張も行った。2008年以降に登場するNAV 2009では3階層構造と.NET Frameworkに対応するという。

PBCの代表取締役社長 萩島紀子氏

 PBCがNAV 5.0に対して独自に追加したアドオン機能は15以上。マスタの名称や住所フィールド、伝票フィールドを日本の商慣習に合わせたり、西暦・和暦変換機能、手形管理機能、借方・貸方入力フォームなどに対応した。PBCは日本でビジネスを行う外資系企業への導入でも実績があるため、帳票は日本語と英語で用意した。PBCの代表取締役社長 萩島紀子氏は「今後も外資系日本法人、日系企業の海外拠点への拡販を行っていく」と話した。

 NAV 5.0自体のライセンスは約400万円から。日本語版のライセンスは200万円から。PBCは年間50件の導入を目指す。

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