三菱マテリアルのノウハウを導入

PBC、Microsoft Dynamics NAV対応の製造業向けテンプレート開発

2007/06/13

 パシフィックビジネスコンサルティング(PBC)は6月13日、三菱マテリアルとパートナー契約を締結し、マイクロソフトのERP製品「Microsoft Dynamics NAV」用に製造業向けテンプレートを共同で開発すると発表した。主に日系製造業の海外生産拠点向けに秋ごろから出荷開始する予定だ。

萩島氏写真 PBC 代表取締役社長 萩島紀子氏

 Microsoft Dynamics NAVは、マイクロソフトが2002年に買収したデンマーク企業「Navision」の中堅企業向けERP製品。売上高100億円〜500億円規模の中堅企業や、外資系企業子会社、日系企業子会社をターゲットに展開しており、すでに5万7000社以上の導入顧客がいるという。日本語版はPBCが提供しており、現在のバージョンは4.0 SP2。秋には.NETテクノロジに対応したバージョン5.1の日本語版がリリースされる予定だ。

 今回、PBCと三菱マテリアルが共同で開発するのは、Microsoft Dynamics NAV用の製造業向けテンプレート。PBCは、従来のERP製品の多くは、日系製造業が満足できる工程管理機能を持っていなかったと指摘。例えば、日系製造業が行っている「モノの流れに沿ってお金が付いていく原価計算方法」ができなかったり、工程管理の対象データの精度がERPが持っているものと異なる場合が多いといった問題があるという。その点、テンプレートを実際に開発する三菱マテリアルは同社が製造業であることから、自身のノウハウを生かし、“製造業者のかゆいところに手が届く”テンプレート制作を目指す。

 実際にテンプレートで提供するのは、「製造実行」の部分の「生産スケジューラ」やロット追跡などの「製造実行ツール」、RFIDによる「先進的データ収集ツール」など。主にテンプレート開発は三菱マテリアルが担当し、PBCはMicrosoft Dynamics NAVの日本語化や販売を手掛ける。また、Microsoft Dynamics NAVの製品啓蒙サイト「MIBUSO(Microsoft Business Solution)」の日本語サイト「MIBUSO.JP」を構築・運営していく予定だ。

 PBC 代表取締役社長 萩島紀子氏は、「Microsoft Dynamics NAVは、すでに5万7000社に導入実績のあるERP製品だ。Microsoft Dynamics NAVが得意な中堅規模の製造業は、これから海外進出・海外生産は必須のトレンドだ。それをサポートするためのテンプレートを三菱マテリアルの経験を生かしつつ、共同で提供していきたい」とコメントした。

(@IT 大津心)

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