「作って売る」製造小売企業が対象、SASが新ソリューション在庫最適化、品質管理を実現

» 2008年10月23日 00時00分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 SAS Institute Japanは10月23日、製造業の在庫最適化、品質管理を行う2つのソリューションを発表した。いずれもSASの複数製品を組み合わせた提供形態。SASの執行役員 宮田靖氏は「日本の製造業はツール単体の利用が多いが、ソリューションの方が投資効率が高く、開発期間も短くできる」とソリューションのメリットを強調した。

 発表したのは「SAS Quality Lifecycle Analysis」と「SAS Demand Driven Forecasting」。Quality Lifecycle Analysisは製造業の生産工程における製品品質と歩留まり、販売後の市場での製品品質をKPIに基づきモニタリングし、品質不良が発生した場合の原因分析を行うことができる。モニタリングから品質解析、結果の共有、レポーティングと、品質管理についてのPDCAサイクルを管理できる。ツールとしては「SAS Visual BI」「SAS Enterprise BI Server」「SAS Data Integration Server」などで構成する。最小構成価格は2200万円から。

「SAS Quality Lifecycle Analysis」の利用画面

 Demand Driven Forecastingは製品の生産、販売、在庫管理を行うソリューション。製造部門だけでなく、販売部門など複数の組織を横断的に調整し、在庫の最適化を行う。SASの需要予測エンジンを活用し、マーケットの変化や計画とのかい離などに柔軟に対応。SAS Enterprise BI Server、SAS Data Integration Serverのほか「SAS Financial Management」「SAS Forecast Server」で構成する。最小構成価格は2500万円から。宮田氏は両ソリューションについて(ユニクロのような)「作って売るという製造小売を対象にする」と話した。

「SAS Demand Driven Forecasting」の利用画面

 SASは2つのソリューションについて、今年度はそれぞれ2本ずつ、来年度は合わせて10社への導入を目指している。SASによると、本田技研工業が米国でSASの品質管理ソリューションの一部を利用。国内では保守部品の在庫管理を行うツールを採用しているという。

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