DD/D(でぃーでぃー/でぃー)情報マネジメント用語辞典

data dictionary/directory / データディクショナリ/ディレクトリ

» 2011年09月09日 00時00分 公開
[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 データに関する意味定義と物理情報の集まりのこと。データベースシステムにおいては、データベースに関する各種の定義情報の集合で、これに基づいてデータベース管理システムがデータベースを整合的に管理する。

 DD/Dは、データのデータ――すなわちメタデータの集合体として構成されるもので、データディクショナリ(データ辞書)とディレクトリ(登録簿)の2種類のメタデータベースを包含する。

 データディクショナリは、データの意味的な定義に関するメタデータの集まりで、データの名称、識別子、別名、属性、意味、発生源、使用法、権限、制約、参照先などを記述したものである。システムで利用するデータを一意に定義することで、一貫性のあるデータベースの維持を可能にし、データ(データベース)を利用するアプリケーションの開発を支援する。

 これに対してディレクトリは、データの物理的ないしは低水準の論理的情報に関するメタデータの集まりで、データのアクセス方法、内部構造、格納されている記録媒体、記憶媒体内の位置などを記録したものである。RDBではテーブル名やカラム名、データ型、主キー、外部キーなどの定義情報を含む。ディレクトリによって、ユーザーやアプリケーションはデータの物理的位置を意識する必要がなくなる。

 DD/Dの考え方は、データ管理における文書化の補助手段として構想されたが、その後にコンピュータ処理やリレーショナルデータベース管理、データ資源管理など、ほかの分野でも使われるようになった。CASEの分野ではDD/DS(data dictionary/directory system)が拡張されてリポジトリに発展した。

参考文献

▼『構造化分析とシステム仕様――目指すシステムを明確にするモデル化技法』 トム・デマルコ=著/高梨智弘、黒田順一郎=訳/日経BP出版センター/1994年9月(『Strucured Analysis and System Specification』の邦訳)

▼『データディクショナリ/ディレクトリシステム』 ベルキス・W・レオンホン、バーナード・K・プラグマン=著/穂鷹良介=監訳/成田光彰=訳/オーム社/1986年1月(『Data Dictionary/Directory Systems: Administratin, Implementation and Usage』の邦訳)


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