パレートの法則

Pareto's law


 一国の富、企業の売り上げ、不良品の発生などにおいて分配・分布・発生原因を考えたとき、その大勢は少数の要因によって決定されるという経験則のこと。

 イタリアの経済学者・社会学者、ヴィルフレド・パレート(Vilfredo Federico Damaso Pareto)が、欧州各国や米国の統計データに基づいて統計的に所得配分の研究を行い、1896年にローザンヌ大学の論文集に成果を発表した。ここで彼は、経済・社会体制が異なる国々でも、また異なる時期においても、所得金額xとx以上の所得のある人の数Rxの間に「Rx=Ax」という定式が成り立つと指摘した。Aは正の常数、αがパレート係数(値が小さいほど富の配分が不平等であることを示す)である。

 この研究において当該国のパレート定数は、それぞれほぼ1.5で一定であった。このことからパレートは、社会全体の所得の多くは一部の高額所得者が占めているが、それは国や時代の制度の問題ではなく、一種の社会的自然現象であると主張した。

 パレートの法則は早くから所得配分だけではなく、自然現象にも当てはまると指摘され、現在では品質管理、在庫管理、売上管理、マーケティングなどにも適用できるとされている。

 「不良全体の80%は、20%の原因に由来する」「売上の80%は、全商品の20%が作る」「売上の80%は、全顧客の20%によるものである」といった解釈がそれで、これらは俗に80対20の法則、2:8の法則、80-20ルールとも呼ばれる。

 米国の経営コンサルタント ジョセフ・M・ジュラン(Dr. Joseph Moses Juran )博士は、こうした普遍的現象を品質管理に適用することを提唱、この現象を「パレート原則」(Pareto principle)と呼んだ。品質管理で使われるパレート図、在庫管理で使われるABC分析などもこの原理に由来する。

 なお、2000年にゼロックス・パロアルト研究所(当時)のレダ・A・アダミック(Lada A. Adamic)氏はパレートの法則は、べき法則(power law)の一部として解釈できることを示し、注目された。

参考文献

  • 『パレート――均衡理論』 ジュリアン・フロイント=著/小口信吉、板倉達文=訳/文化書房博文社/1991年6月(『Pareto』の邦訳)
 
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