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» 2011年05月26日 00時00分 UPDATE

Unityで楽々スマホ用3Dアプリ開発入門(1):iOSアプリのAndroid移植も簡単なUnityの基礎知識 (1/3)

[佐藤大介,グリー株式会社 メディア開発本部]

ドラッグ&ドロップで“3D”が作れる「Unity」とは

 「Unity」とは、本格的なインタラクティブ3Dアプリケーションの開発を容易にする、米Unity Technologies社(以下、Unity社)が開発・販売するオーサリングツールです。

 通常、3Dを用いたアプリケーションを開発するには、OpenGLOpenGL ES)などを用いた複雑なプログラミングを行う必要がありますが、Unityを使うと、まるでFlashコンテンツを制作するかのように、マウスによるドラッグ&ドロップでの3Dオブジェクトの設置と、スクリプトによる動きの定義で簡単にインタラクティブな3Dアプリケーションが作成できてしまいます。

 OpenGL ESを用いたアプリケーション開発と比較してUnityでの開発がいかに簡単かについては、少し古いですが、以下の記事で詳しく紹介されているので、ここでは割愛します。

JavaScriptやC#でスクリプトが書ける

 この記事でも紹介されていますが、スクリプトはJavaScriptやC#といった、3Dゲーム開発者以外でもなじみのある開発言語を利用できることは非常に特筆すべき点と思います。

iOS/Androidどころか、Windows、Mac、Wii、プレステ、Xbox 360もカバーする

 また、Unityで作成したコンテンツは、Windows、Mac OS X上はもちろん、iPhone/iPadなどのiOSデバイス上、Androidデバイス上、さらにはWii、PlayStation 3、Xbox 360といったコンソール機でも動作可能です。できるだけ、いろいろなプラットフォームにアプリケーションを提供したい開発者には、Unityの活用は大きなメリットかと思います。

 特にモバイル端末においては、昨年から各通信キャリアからスマートフォン端末が多く発売され、すでに出荷台数の半分ほどをスマートフォンが占める状況です。「iOSにもAndroidにも両方アプリを提供したいが、開発コストや言語の違いから起こる開発スピードの遅れが悩みどころ」という開発者は非常に多いのではないでしょうか。

 Unityは、他のスマートフォン用アプリの流れと同じく、昨年まではiOS版の対応を先行して開発されてきたように思いますが、2011年2月にUnityの最新版3.2、3月には3.3が立て続けにリリースされ、Android版のサポートも大幅に改善されました。

 2011年2月末?3月頭にかけてサンフランシスコで開催された「Game Developers Conference」においても大々的にAndroidサポートがアナウンスされ、「Tegra」タブレットや「Xperia PLAY」などといった最新の端末にも対応することを謳っています。

Unityのさまざまな使い方を紹介

 本特集では、Unityを用いてAndroid端末用の3Dアプリを開発する手順を紹介するとともに、Unity自体の機能を拡張する機構を利用して、ネイティブ機能との連携やAndroid用の既存のライブラリとの連携方法について紹介していきます。

 今回は、まずiOS用UnityアプリをAndroidに移植する方法や、Unityのプラグインを紹介します。

UnityのAndroid用ビルドに必要な環境

 Unityは、有料版であるUnity Proに加え、無料版であるUnityも提供しています。「UNITY: Download and Start Creating Games」から無料版のインストーラをダウンロードできます。

 機能は一部制限されているものの、十分無料版で試してみることが可能ですし、簡単なアプリであればProでなくても開発可能です。

 なお、Android用にUnityをビルドするためには、これに加えて「Unityの購入ページ」から「Android AddOn」をチェックして購入する必要があります。とは言っても400ドル程度で無制限にビルドが可能になるというだけです。これを高いと思うか安いと思うかは開発者の方次第ですが、筆者はこれだけでWindowsからAndroid、あるいはiOSからAndroidへの移植が簡単に完了するのであれば、とても良い投資ではないかと思います。

移植素材としてiPhoneで動くUnityプロジェクトを準備

 UnityiPhoneで動くUnityプロジェクトを用意します。ご自分で用意したり、あるいは記事「OpenGL ESが大変な3Dアプリ開発を楽にするUnity」で作成したプロジェクトを利用する方法もありますが、ここではUnity社がiPhone用にサンプルとして提供しているUnityプロジェクト「Batching」を利用してみます。「UNITY: Unity iPhone Examples」よりダウンロードできます。

 「Batching.zip」を解凍すると、下図のようなディレクトリ構成を展開します。

図1 「Batching.zip」の中身 図1 「Batching.zip」の中身

Android開発環境の設定

 初期設定としてグーグルが提供するAndroid SDKを取得し、Unityにパスの設定をする必要があります。まずは、「Android SDK | Android Developers」にアクセスし、最新のAndroid SDKを入手します。

 次に「Installing the SDK | Android Developers」に記載の手順でAndroid SDK自体のセットアップを完了してください。

 他にも、Androidアプリ開発の基礎としては、以下の記事を参考にしてください。

 以下の手順で、UnityにAndroid SDKを認識させるための設定を行います。

  1. Unityを起動
  2. メニューから[Unity]→[Preferences...]を開き[Unity Preferences]ウィンドウを開く
  3. [General]タブから[Android SDK Location]の値フィールドをクリックしてAndroid SDKをインストールした先のルートディレクトリを指定
図2 [Unity Preferences]ウィンドウ 図2 [Unity Preferences]ウィンドウ

 この辺りの手順は「Unity - Android SDK Setup」にも記載があるので、参考にしてください。

 次ページでは実際に、iOS用UnityアプリをAndroidに移植してみます。

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