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携帯の醍醐味! 位置情報とGoogleマップを使うにはクラウドとフレームワークで超簡単ケータイ開発(3)(1/3 ページ)

数年前に比べケータイ向けサービス構築を支援するフレームワークやノウハウがたまってきて、そして無料または、格安でサービスを公開できる仕組み(クラウドやVPSなど)も普及している今こそ、ケータイ向けサービス開発を始めるチャンスではないでしょうか

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 前回の「JavaでTwitterをOAuth認証して使えるTwitter4jとは」では、「Twitter4j」を使って、JavaTwitterからタイムラインを取得したり、つぶやいたりする機能を実装しました。

 今回は最後に、携帯端末ならではの位置情報取得機能とGoogleマップ表示機能を実装して、サンプルアプリを仕上げます。

位置情報の取得はGPSと基地局測位の2つある!

 ケータイでは、2つの方法を使って、位置情報を取得できます。

  • GPS
    GPS衛星を使い測位する。正確な位置が取得できるが、GPSを搭載していない機種では使えない。天候や場所によっては、測位できない場合もある
  • 基地局測位
    GPSを搭載していない機種でも、基地局情報により、大体の位置が把握できる。携帯の基地局の位置と数に依存するので、場所によっては大きな誤差が出る場合がある

 この2つの方法によって位置情報を取得するわけですが、実際にはキャリアごとに決められたフォーマットで、位置情報取得用のURIGETPOSTアクセスを行う必要があります。

 大手3キャリアを対象にするためには、それぞれにも上記2つの方法があるので、計6種類の位置情報取得方法をサポートする必要があります。しかし、連載第1回の「Google App EngineとSlim3とMobyletで始める携帯Web入門」で紹介した「Mobylet」を使用することにより、共通のタグを1つ置いておくだけで位置情報が取得できます。

前回から画面遷移を変更

 1つ注意点があります。携帯で位置情報を取得するためには、ユーザーに位置情報を取得することを通知し、許可を得る必要があります。そのため、ワンアクション増えることになります。具体的には、以下のような画面遷移です。

図1 位置情報を取得する際の画面遷移図
図1 位置情報を取得する際の画面遷移図

 「位置情報を取得しますボタン」は、機種によって、リンクまたはボタンとなります。「位置情報を取得する確認画面」も機種により変わります。

 画面遷移の変更に伴い、各ファイルの構成を以下のように変更します。

URLパス コントローラ JSP 処理内容
/twitter/ IndexController index.jsp 位置情報を取得するタグを配置
/twitter/show ShowController show.jsp 位置情報により、ツイートを検索し一覧表
/twitter/timeline TimelineController show.jsp タイムラインを取得し一覧表示
/twitter/tweet TweetController show.jsp Twitterにつぶやく
表1 ファイル構成も変更

Mobyletタグで位置情報による検索を実装

 まずは、位置情報を取得するためのMobyletのカスタムタグを「war/twitter/index.jsp」に作成します。

*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***

index.jsp

 Mobyletのタグを使用するためには、「<%@taglib prefix="m"uri="http://taglibs.mobylet.org/" %>」を設定します。<m:gps>タグを使用して、位置情報を取得するURLを作成しますが、遷移先のURLをkickBackUrlに指定します。ここではshowを指定して、ShowControllerクラスが呼ばれるように設定します。

 次に、「com.hayato.gpstweet.service.TwitterService」を以下のように編集します。

*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***

TwitterService.Java

 ツイートの検索には、twitter4j.Queryクラスを使用します。Queryに位置情報を設定することにより、指定位置のツイートやユーザープロファイルの場所が指定位置のユーザーのツイートを検索できます。

 緯度と経度からtwitter4j.GeoLocationクラスを作成し、QueryのsetGeoCode()メソッドで指定します。その際に検索範囲を指定できますので、今回は半径10kmを指定しています。

 位置情報を基に検索を行うコントローラクラスを作成します。build.xmlを実行し、「gen-controller」で、ダイアログに「/twitter/show」を指定します。

 作成された「com.hayato.gpstweet.controller.twitter.ShowController」を以下のように編集します。

*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***

ShowContoroller.Java

 位置情報は、Mobyletクラスから取得できます。MobyletFactoryクラスからgetInstance()でMobyletインスタンスを取得して、getGps()で、GPSクラスを取得します。GPSクラスから経度と緯度を取得します。一度取得した位置情報は、リクエストに保存し、使い回します。

 JSPファイル「war/twitter/show.jsp」を以下のように編集します。

*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***

ShowContoroller.Java

 show.jspは、前回の「timeline.jsp」をベースにして作成します。位置情報を送信するために、hidden項目やURLパラメータに「${latitude}」「${longitude}」を設定します。検索されたツイートは、QueryResultとして返ってきます。

 QueryResultクラスからツイートしたユーザーの画像のURLを取得するには、「${tweet.profileImageUrl}」を使用します。このshow.jspをTimelineControllerと共用するため、「${tweet}」のクラス名を確認して、ユーザー画像のURLの取得方法を変えています。

 TimelineControllerから取得するクラスは、「twitter4j.StatusJSONImpl」です。このクラスの場合のみ、「${tweet.user.profileImageURL}」を使用します。

 次ページでは、Googleマップから位置情報を取得して、この実装をFireMobileSimulatorで試してみます。

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