![]() nslookup 〜DNSサーバに名前解決の問い合わせを行う 加地眞也 2002/3/21 |
| 目的と用途 |
nslookupコマンドは、DNSクライアントの名前解決機能を手動実行するためのコマンドだ。正引き/逆引き、Aレコード/NSレコード/MXレコードなどのレコード種類の絞込み検索や、再帰検索/イテレイティブ検索、DNSサーバの任意切り替え、デバッグの実行など、さまざまなオプションからDNS検索の診断が行える。単にDNS検索を行いたいだけの場合にも、十分な機能を提供するだろう。
| 書式 |
nslookup[ -setコマンド・オプション][ ホスト・ドメイン名またはIPアドレス[ -DNSサーバ名]]
一般的なコマンド・ライン・モードのほか、ホスト・ドメイン名やIPアドレスが与えられていない場合には、対話モードで使用できる。対話モードでは、コマンドを指定することで、DNSサーバ切り替えやゾーン情報の参照なども行える。またLinuxでは、ユーザーのホーム・ディレクトリの「.nslookuprc」ファイルにオプションを記載して、実行時に自動指定しておくこともできる。
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オプションなし
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対話モードで実行する |
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setコマンド・オプション
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setコマンドのオプションを指定して設定する |
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ホスト・ドメイン名
または IPアドレス |
ホスト・ドメイン名を指定した場合は正引き(Aレコード検索)、IPアドレスを指定した場合には逆引き(PTRレコード検索)が行われる |
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DNSサーバ名
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接続するDNSサーバを指定する |
●コマンド・ライン・モード時
ホスト・ドメイン名またはIPアドレス[ DNSサーバ名]
下記のコマンド以外の文字列が入力された場合、ホスト・ドメイン名またはIPアドレスが入力されたと解釈して、正引きまたは逆引きを実行する。DNSサーバ名も指定された場合には、そのDNSサーバに対して問い合わせを実行する
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all
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現在の設定オプションを表示する |
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debug | nodebug
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デバッグ・モードを指定する。nodebugでこれを解除する |
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d2 | nod2
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より詳細なデバッグ・モードを指定する。nod2でこれを解除する |
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defname | nodefname
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デフォルト・ドメイン名を指定したホスト・ドメイン名に自動的に付加して検索する。例えばwwwと指定された場合に、デフォルト・ドメイン名であるexample.netを付加してwww.example.netとして検索する。nodefnameはこの動作を解除する |
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recurse | norecurse
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recurseは再帰検索を指定する。norecurseはイテレイティブ検索(反復検索: 再帰検索を行わずDNSサーバが管理するゾーン情報のみへの一度の検索のみ)を指定する |
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search | nosearch
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ドメイン・サーチ・リストを付加して検索する。nosearchはこれを解除する |
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vc | novc
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TCP接続による検索を行う。novcはUDP接続での通常の検索を行う(ただし通常は、回答されるデータ・サイズがUDPパケット・サイズを越えている場合(トランケーション・エラー)に、あらためてTCP接続で検索される) |
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domain=ドメイン名
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デフォルト・ドメイン名を指定する |
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srchlist=ドメイン名[/ドメイン名
……]
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ドメイン・サーチ・リストを指定する。複数のドメインを指定でき、検索時に指定されたホスト名に自動的に付加して、それぞれの名前で成功するまで試行する |
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root=DNSサーバ名
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ルートDNSサーバを指定する |
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retry=試行回数
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検索失敗時の試行回数を指定する |
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timeout=タイムアウト秒数
|
DNSサーバに対するタイムアウトを秒数で指定する |
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querytype=検索レコード種別
| type=検索レコード種別
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検索対象とするレコード種別を指定する。「'A'」「'SOA'」「'NS'」「'MX'」など |
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port=ポート番号
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DNSサーバへ接続する際のポート番号を指定する。通常は'53'番 |
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class=クラス名
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検索するレコード・クラスを指定する。通常はデフォルトである「'IN'(internet)」を指定する |
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msxfr | nomsxfr*1
|
高速ゾーン転送モード(many-answers)を指定する。nomsxfrはこれを解除する |
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ixfrver=シリアル番号*1
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IXFR(Incremental Zone Transfers:差分ゾーン転送(RFC1995))モードを使用するとともに、現在のシリアル番号を指定する |
server DNSサーバ名
使用するDNSサーバを、指定したサーバに変更する(デフォルト・サーバの変更)。その際に、サーバのIPアドレスは現在指定されているDNSサーバを用いて検索するlserver DNSサーバ名
使用するDNSサーバを、指定したサーバに変更する(デフォルト・サーバの変更)。その際に、サーバのIPアドレスはルート・ネーム・サーバから再帰検索して判断するfinger[ ユーザー名]
現在のデフォルト・サーバに対してfinger(指定されたユーザー情報の問い合わせ)を実行するroot
現在のデフォルト・サーバをルート・ネーム・サーバとするignoretc | noignoretc
トランケーション・エラーを無視する。つまり、TCP接続による再度の検索は行わない。noignoretcはこれを解除するls[ オプション] ドメイン名[ >|>> 出力ファイル名]
指定したドメインのゾーン情報を表示する。これは、通常プライマリ・サーバからセカンダリ・サーバに対して行うゾーン転送と同様の動作である。指定した出力ファイルに内容を出力して、新規作成または追記することもできる。また以下のオプションが指定できる
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オプションなし
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ホストのエイリアス(CNAMEレコード)のみを表示する |
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-v
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ホスト情報(HINFOレコード)のみを表示する |
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-n
|
ホストのサービス情報(WKSレコード)のみを表示する |
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-N
|
すべてのレコードを表示する |
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-t レコードタイプ
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任意のレコードタイプを表示する。例えば「-t cname」は-aオプションと同義となる |
view 出力ファイル名*1
(lsコマンドで作成された)出力ファイルを表示するexit
対話モードを終了するhelp | ?
ヘルプを表示する
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| 使用方法 |
■基本的な再帰検索
一般的な正引きまたは逆引きを行うには、単に解決したいホスト名またはIPアドレスを入力するだけだ。コマンドラインの引数として指定するか、あるいは対話モードで指定する。入力された文字列がホスト名かIPアドレスかは、自動的に判断して検索してくれる。
| ●Windows 2000での使用例 | |
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この検索では、デフォルト・サーバ(デフォルトで要求を送信するDNSサーバ)に再帰検索を依頼しているだけである点に注意しよう。実際に、ドメイン・ツリーを順に検索する名前解決を行っているのは、デフォルト・サーバだ。一般に、nslookupコマンドなどDNSクライアントは「スタブ・リゾルバ」と呼ばれる、自身では名前解決の依頼をする機能しか提供しない。
デフォルト・サーバとして使用されるサーバは、Windowsであれば「ネットワークとダイヤルアップ接続」プロパティ、Linuxであれば「/etc/resolv.conf」ファイルでの指定によって決定されるが、必要に応じてserverまたはlserverコマンドで変更することもできる。
| ●Windows 2000での使用例 | |
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また、指定するホスト名はFQDNに限らない。FQDNでないホスト名(つまり「.(ピリオド)」が含まれていないホスト名)が指定された場合には、デフォルトのドメイン名(DNSサフィックス)を付加して検索してくれる。これはやはり、「ネットワークとダイヤルアップ接続」プロパティや/etc/resolv.confファイルで指定されたドメイン名のほか、必要に応じてdomainオプションで指定することもできる。またはsrchlistオプションで複数の候補を設定しておけば、順に自動的に補完して検索を試行してくれる。
| ●Windows 2000での使用例 | |
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■レコード別に検索を行う
nslookupでは、AレコードやPTRレコードの検索だけではなく、SOAレコード/NSレコードなどの任意のレコードの検索を行うこともできる。typeオプションまたはquerytypeオプションで、レコード種別を指定する。レコード種別として'ANY'を指定すれば、関係するドメイン内のすべてのレコードを検索して表示する。
| ●使用例1(SOAレコードの検索) | |
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| ●使用例2(MXレコードの検索) | |
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| ●使用例3(ANYの指定。検索対象に関連したレコードの回答) | |
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■デバックモードで検索の様子を調査する
通常の再帰検索だけでは、実際にどのような試行や回答がなされているのかは分からない。debugオプションまたはd2オプションを指定することで、より詳細な検索状況が把握でき、問題点の調査にも役立つだろう。
| ●Windows 2000での使用例 | |
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突然出力内容が増えてややこしく見えるかも知れないが、これらはDNSプロトコルでサーバとやりとりされたDNSデータの内容そのものだ。「連載:ネットワーク・コマンドでトラブル解決(7)『DNSの設定は正しいか?』」のプロトコルの説明と合わせて見ていただきたい。
上記の例では、サーバからの回答においてANSWERSセクションからwww.example.comの正式名(server2.example.com)とIPアドレスが分かる。AUTHORITY RECORDSセクションでこのレコードにオーソリティを持っているDNSサーバ(ns.example.com)が、ADDITIONAL RECORDSセクションからはそのDNSサーバーのIPアドレスが、それぞれ分かるだろう。また、DNS検索が正しく稼働しない場合には、検索パスやサーバからのエラーなどを詳しく確認するのに便利だろう。
■ゾーン転送を確認する
nslookupコマンドでは、ゾーン転送(完全転送:AXFR)をシミュレートすることもできる。これにはlsコマンドを用いる。
| ●Windows 2000での使用例 | |
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serverコマンドでゾーン転送を行うDNSサーバへと切り替えて、lsコマンドを実行すれば、セカンダリDNSサーバによるゾーン転送と同様の動作が行える。引数には転送したいドメイン名を指定する。表示できるレコードは、そのDNSサーバがオーソリティを持っているゾーン情報のみに限られる。
プライマリDNSサーバのゾーン転送が正常に動作するかどうかの確認とともに、もう1つの使い方としては、あるドメイン内のレコード定義一覧を表示するのにも使用できるだろう。ただし、一般的にはプライマリDNSサーバなどではセキュリティ保護の観点から、ゾーン転送を許可するホストをセカンダリDNSサーバなどだけに制限している場合が多い。その場合にはエラーとなる。
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ネットワークコマンド使い方
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