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IFRS動向ウォッチ(4)

IFRS適用第1号、日本電波工業の有価証券報告書を読む

宮島章
仰星監査法人
2010/9/2

国内企業で初めてIFRSを任意適用した日本電波工業。日本基準ベースの財務諸表とIFRSベースの財務諸表ではどのような財務数値の違いがあり、どのような会計処理がされているのか。注記情報を含めて、同社の有価証券報告書を分析する。

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IFRS初度適用には該当しない

 同社は、2002年3月期(「移行日」は2000年4月1日)よりIFRSに準拠した連結財務諸表を公表しています。従って、同社はIFRSの初度適用には該当せず、IFRSに基づく遡及適用の原則・例外の適用や、移行の影響額の調整表等の開示義務の適用はありません。IFRS初度適用の場合には、「移行日」時点の財政状態計算書や移行の影響額の調整表等の開示が求められます(有価証券報告書P40)。

資本の部 IFRS移行日(IFRS開始財政状態計算書日、2013年4月1日)および従前の会計基準で開示されている直近の財務数値の財政状態計算書日(2014年3月31日)の両日について調整表を開示
包括利益 従前の会計基準で開示していた直近の財務諸表(2014年3月期)について調整表を開示
キャッシュ・フロー計算書 従前の会計基準の開示していた直近のキャッシュ・フロー計算書(2014年3月期)について重要な調整を開示
初度適用(2015年3月期)の場合に必要な調整表

 

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2010年3月期における相違点

 以下に日本電波工業のIFRSによる財務数値と、日本基準の財務数値の相違点を概略として示します。

日本基準
相違点
IFRS
売上高 526億5000万円 出荷基準
→着荷基準
約6000万円減 売上高 525億9000万円
営業利益 48億5500万円 営業外損益・特別損益(金融損益以外)
→営業損益
約8億7600万円減 営業利益 39億7900万円
研究開発費と遊休固定資産減価償却費の減少
有給休暇費用の計上
税引前当期利益 38億5400万円 社債償還益の増加
社債利息の増加
約4億4900万円増 税引前当期利益 43億300万円
当期利益 39億9900万円 未実現利益消去の税率:
売手の税率
→買手の税率
約3億3800万円増 当期利益 43億3700万円
連結包括利益計算書の当期利益まで

 

有価証券報告書の分量について

  日本基準(2009年3月期) IFRS(2010年3月期)
総ページ数 103ページ 115ページ
連結財務諸表注記 24ページ 36ページ

 

 総ページ数に大幅な増加は見られませんが、連結財務諸表注記が1.5倍になっています。

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