84コアをネットで分散、3D描画が6時間から30分にテレビ・コマーシャル向け画像でワークスゼブラが実証

» 2008年07月03日 00時00分 公開
[西村賢,@IT]

 従来クアッド・コアCPU搭載サーバでも1枚のレンダリング処理に約6時間かかっていたテレビ・コマーシャル向け3次元グラフィック画像の処理を、インターネット経由で84個のCPUコアを使う分散コンピューティング環境で約30分に短縮した――。自動車メーカーの映像制作を手がけるワークスゼブラは7月3日、アルテアエンジニアリング、日本IBMと協力して、こんな実証実験に成功したと発表した。

 実験ではIBMのデータセンターに構築されているHPC環境「IBM Deep Computing Capacity on Demand」(DCCoD)を使い、最大84個のCPUコアを活用した。システムは、HPC向けOSの「Microsoft Windows Compute Cluster Server 2003」、アルテアエンジニアリングのグリッド・ミドルウェア「Altair PBS Professional TM 9.1」、オートデスクの「Autodesk 3ds Max 2008」で構成した。

 解像度864×648ピクセルの画像78フレームを描画。1CPUコアに1枚の処理を割り当て、78CPUコアで同時に処理させた。この結果、全体の作業時間を50%削減することができたという。また、6時間かかった複雑な画像1フレームの描画を84個のCPUに分担させて並列処理することで、約30分で完了できることも確認した。

(クリックで拡大) 出典:ワークスゼブラの発表資料

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