フローチャートをコンピュータ・プログラムの表記法として利用することを最初に紹介したのは、ハーマン・ゴールドスタイン(Herman H. Goldstine)とジョン・フォン・ノイマン(John von Neumann)が著した『Planning and Coding Problems for an Electronic Computing Instrument: Part III』(1948年)だとされる。コンピュータの利用が始まった黎明期には、コンピュータが実行する処理手順を表現する一般的な手法と考えられ、日本では1970年にJIS X 0121として、国際的には1973年にISO 5807として規格化されている。フローチャートによる情報処理の表記は詳細度によって、概略フローチャートや詳細フローチャートというようにレベル別に描き分けられる。
しかし、作成されるプログラムが高度化・複雑化するなかで次第に使われることが少なくなり、今日のソフトウェア開発で伝統的なプログラムフローチャートが正規の成果物として使用される場面はほとんどない。フレデリック・P・ブルックス Jr.( Frederick Phillips Brooks Jr.)は1975年の著書『The Mythical man-month』で、すでに「詳細で逐一記述したフローチャートは時代遅れの厄介者であり、アルゴリズムの考え方を初心者に手ほどきする場合に適しているだけである」と批判している。
参考文献
『人月の神話 新装版──狼人間を撃つ銀の弾はない』 フレデリック・P・ブルックス・Jr=著/滝沢徹、牧野祐子、富沢昇=訳/ピアソン・エデュケーション/2002年11月(『The Mythical man-month: essays in software engineering』の邦訳)