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ファイルやディレクトリのサイズを取得するには?

デジタルアドバンテージ 遠藤 孝信
2005/09/30

 本稿では、ファイル・サイズおよびディレクトリ・サイズ(ディレクトリに含まれているファイルのサイズ合計)を取得する方法について解説する。

FileInfoクラスによるファイル・サイズの取得

 ファイル・サイズを取得するには、FileInfoクラス(System.IO名前空間)のLengthプロパティを利用する。FileInfoクラスはファイルやファイルの属性を操作するためのクラスだ。

 具体的には、次に示すように、サイズを取得したいファイルのパスをコンストラクタのパラメータに指定してFileInfoクラスのインスタンスを作成し、Lengthプロパティの値を取得すればよい。

string path = @"c:\WINDOWS\隅田川.bmp";
FileInfo fi = new FileInfo(path);
long size = fi.Length;
Dim path As String = "c:\WINDOWS\隅田川.bmp"
Dim fi As FileInfo = New FileInfo(path)
Dim size As Long = fi.Length
FileInfoクラスによるファイル・サイズの取得(上:C#、下:VB.NET)

 ファイルのサイズは整数型(Integer)ではなく長整数型(Long)の値である点に注意してほしい。また、クラス・ライブラリにはファイルのコピーや削除を行うためのメソッドを集めたクラスとしてFileクラス(System.IO名前空間)があるが(参考:「TIPS:ファイルをコピー/削除/リネーム/移動するには?」)、このクラスにはファイル・サイズを取得するメソッドが用意されていないため、ここで示したようにFileInfoクラスを利用する必要がある。

 なお、ファイルのストリームを開いているときには、FileStreamクラス(System.IO名前空間)のLengthプロパティからも、ファイル・サイズを取得することができる。

ディレクトリ・サイズの取得

 ファイルに対するFileInfoクラスのように、ディレクトリについてはDirectoryInfoクラス(System.IO名前空間)が用意されているが、このクラスにはディレクトリ・サイズを取得するためのプロパティは存在しない。

 従って、ディレクトリ・サイズを取得するには、まずDirectoryInfoクラスのGetFilesメソッドを利用して、そのディレクトリに含まれるファイルのFileInfoオブジェクト(の配列)を取得し、それぞれのファイル・サイズの合計を求める必要がある。

 さらに、すべてのサブディレクトリに含まれるファイルのサイズも合わせたディレクトリ・サイズが必要な場合には、ディレクトリ階層をたどりながらファイル・サイズの合計を求めていかなければならない。

 DirectoryInfoクラスにはGetDirectoriesメソッドが用意されており、そのディレクトリに含まれるすべてのサブディレクトリについてのDirectoryInfoオブジェクト(の配列)を取得できるため、このメソッドを利用すればディレクトリの階層をたどっていくことが可能だ。

 次のサンプル・プログラムは、FileInfoクラスとDirectoryInfoクラスを利用して、ディレクトリ(ここではc:\Inetpub)配下にあるすべてのファイルのサイズ合計を表示する。

// dirsize.cs

using System;
using System.IO;

public class DirectorySize {
  static void Main() {
    string path = @"c:\Inetpub";

    DirectoryInfo di = new DirectoryInfo(path);
    long dirSize = GetDirectorySize(di);
    Console.WriteLine(dirSize);
  }

  static long GetDirectorySize(DirectoryInfo dirInfo) {
    long size = 0;

    foreach (FileInfo fi in dirInfo.GetFiles()) {
      size += fi.Length;
    }
    foreach (DirectoryInfo di in dirInfo.GetDirectories()) {
      size += GetDirectorySize(di); // 再帰呼び出し
    }
    return size;
  }
}

// コンパイル方法:csc dirsize.cs
ディレクトリ・サイズを取得し表示するC#のサンプル・プログラム(dirsize.cs)
 
' dirsize.vb

Imports System
Imports System.IO

Public Class DirectorySize
  Shared Sub Main()
    Dim path As String = "c:\Inetpub"

    Dim di As DirectoryInfo = New DirectoryInfo(path)
    Dim dirSize As Long = GetDirectorySize(di)
    Console.WriteLine(dirSize)
  End Sub

  Shared Function GetDirectorySize(ByVal dirInfo As DirectoryInfo) As Long
    Dim size As Long = 0

    For Each fi As FileInfo In dirInfo.GetFiles
      size += fi.Length
    Next
    For Each di As DirectoryInfo In dirInfo.GetDirectories
      size += GetDirectorySize(di) ' 再帰呼び出し
    Next
    Return size
  End Function
End Class

' コンパイル方法:vbc dirsize.vb
ディレクトリ・サイズを取得し表示するVB.NETのサンプル・プログラム(dirsize.vb)

 このサンプル・プログラムでは、各ディレクトリのサイズを求めるGetDirectorySizeメソッドを再帰的に呼び出してディレクトリ階層をたどっている。DirectoryInfoクラスについては「TIPS:ファイルやディレクトリの一覧を取得するには?」でも解説しているので、そちらも参考にしていただきたい。End of Article

カテゴリ:クラス・ライブラリ 処理対象:ディレクトリ&ファイル
使用ライブラリ:FileInfoクラス(System.IO名前空間)
使用ライブラリ:DirectoryInfoクラス(System.IO名前空間)
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