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特集

サイトの更新情報を提供する標準言語RSS

―― .NETでRSSを活用する ――

株式会社ピーデー
川俣 晶
2003/08/30

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RSS入門編

アメリカではやるウェブログとRSS

 アメリカ方面のインターネットの話題を見ていると、しばしばウェブログ(weblog)、あるいは略してブログ(blog)と呼ばれるサイトが話題になることが多い。例えば、戦時下のイラク・バグダッドから、街の様子や戦争への思いを連日発信してきたイラクのウェブログなどがあったという。さまざまな影響力を発揮するウェブログがあるだけでなく、ウェブログそのものが大手のジャーナリズムを脅かすものとして取り上げられる場合もある。また、大手検索サイトであるgoogleを活用するソフトであるGoogle Toolbarの新版にも、ウェブログへの投稿機能が付く、といったニュースもある。とはいえ、ウェブログという言葉が話題になることは多いものの、日本国内にいると、それが何かはいま1つピンと来ないのが実情だ。

 ウェブログが何であるかは、人によって見解が微妙に異なるようで、一貫した定義は見い出せなかったが、だいたいのイメージは述べることができる。以下の解釈は、あくまで筆者個人のものであることはお断りしておく。まず、ウェブログとは、インターネット上にあるWebサイトの一種であって、主に個人が運営し、頻繁に更新されるものであるようだ。つまり、企業の公式サイトや、プロフェッショナルが仕事として運営する情報サイトなどとは違う。しかし、企業が作るサイトと個人が作るサイトという単純な分け方で、個人のサイトがウェブログだという理解では不十分である。例えば、個人が一生懸命HTMLを勉強して、可愛い我が子の写真を掲載したはよいが、そこで力尽きて3年間更新がないようなサイトは、ウェブログとはいえない。ウェブログというには、頻繁な更新がなければならない。さらに付け加えるなら、頻繁な更新を支えるために、それを手軽に行うためのツール類の活用も必要となる。

 頻繁に更新される個人運営のサイト、というと日本では以下のようなものが連想される。例えば、相互に内容を参照し合いながら書かれているタイプの日記系サイト。文字による表現の面白さで勝負するタイプのテキスト系サイト。ニュース記事にリンクして独自のコメントを付けるタイプのニュース系サイト。これらのサイトと、ウェブログは完全に同じではないかもしれないが、近い特質を持っていることは事実だろう。

 このようにウェブログは頻繁に更新される。そして、担い手が個人であることから、インターネット上には膨大な数のウェブログ・サイトが存在する。そのため、それらのサイトを継続的にウォッチして読んでいこうとすると、膨大な手間がかかることになる。更新があるかもしれないサイトを順番にめぐって行かねばならないからだ。いくら回線が速くなっても、ページの表示は一瞬で終わらないことが多い。ちょっと待たされながら更新のない複数のサイトをめぐっていくと、大きなストレスを感じる羽目になる。これに対処する何かのスマートな方法が必要となるのは明らかである。

 そこで、RSS(RDF Site Summary)(仕様の参考訳をここで読むことができる)という新しい言語の存在意義が出てくる(RSSは別の言語であるRDF:Resource Description Frameworkをベースとしている。これについては後述)。RSSは、何か素晴らしい崇高な理念から生まれた雲の上の言語ではない。それは、日常的な切実な必要性から必然的に生まれた言語であるといえる。

RSSとは何か?

 では、RSSはいったい何をしてくれるのだろうか。

 現在の主要な使い方は、サイトの更新情報の提供である。例えば、後で紹介するSharpReaderなどのRSS対応ソフトに、ウェブログ・サイトについてのRSS情報が存在するURLを登録しておくと、ソフトが定期的にRSS情報を取得し、新しいコンテンツが追加されていれば、それをリストアップしてくれる。つまり、更新のないサイトを順番に延々とめぐっていく手間と時間から解放されるというわけである。また、複数のサイトの新しいコンテンツが1つのリストに表示されるので、どのコンテンツを読むかを選ぶのも容易になる。

WebサイトとRSS
通常ブラウザでWebを閲覧する場合には、サイトを訪れるまで更新された情報があるかどうかは分からない。RSSはサイトの更新情報(記事タイトルやそのURL、更新日時など)を提供するため、それを定期的にチェックすることにより、更新のあったページを効率的に見ていくことができる。また、複数の異なるサイトのRSS情報を1つのリスト形式で見ることができる。

 このように、RSSは実際のニーズから生まれたシンプルだが強力な言語である。ベースとなったRDFやXMLをうまく実用に生かした具体例だといってよいだろう。

 しかし、RSSの力は、ただ単にウェブログを便利にするだけにとどまらない。ウェブログではないサイトも、RSS情報を提供している例がある。

 例えば、2003年3月24日付けのZDNetの記事「NetscapeのRSS、第2の人生は前途有望」によれば、スペース・シャトル「コロンビア」号が再突入の際に分解事故を起こしたとき、Christian Science Monitor紙のWebサイトにその特集が掲載されたが、RSSによってそのことに読者が気付くことができたという。この記事には、『当社のWeb版の普通の読者は、(シャトル事故の後に)当社のWebサイトをチェックしようと思わなかっただろう。だがRSSのおかげで、当社がこの事件に何らかの対応をしたということを読者に知らせることができた。RSSは、人々により多くの記事を見てもらう手段だ』という開発担当者の言葉も掲載されている。

 コンピュータ業界の内部にも事例がある。例えば、マイクロソフトの開発情報を提供するMSDNサイトでは、MSDN Just Published(http://msdn.microsoft.com/rss.xml)というRSS情報を提供している。これはMSDNサイトに最近新しく追加されたドキュメントに関する情報を提供するものである。残念ながら日本のMSDNサイトにはないが、新しいコンテンツを読むために毎日MSDNのサイトを開いてみる手間から解放されることになる。この例は、頻繁に更新されないからこそ、RSSの価値が分かる例である。

 では、日本ではRSSを活用した事例はないだろうか。実はとても身近なところに事例が存在するのである。この記事を掲載している@ITのサイト自身が、RSSによる情報提供を行っている。このほか、日本国内には、大手新聞社などのニュース記事をRSS形式にして個人的に発信しているサイトなどもある。

 以上のことから、RSSの持つ潜在的な力はウェブログの世界に限られるものではないことが分かるだろう。多数の頻繁に更新されるサイトをウォッチするには、これほど便利なものはない。筆者も、最近になってRSSを使ってさまざまなサイトを読むということを行うようになり、切実にそう思うようになった。その対象は、ウェブログに限らない。新聞社やオンライン・マガジンの発行者は、みなRSS情報を提供してくれるとありがたいと思う。

 さて、これでRSSに興味を持っていただけただろうか。次は、もうちょっと具体的にRSSを体験する方法を説明しよう。そう、RSSは日本の普通のパソコン・ユーザーがすぐに試すことができ、そして恩恵をすぐ受けられるだけの実用性をすでに備えているのである。決して、未来の絵空事の話をしているわけではない。

 

 INDEX
  [特集]サイトの更新情報を提供する標準言語RSS
   1.RSS入門編:アメリカではやるウェブログとRSSとは?
     2.RSS活用編:SharpReaderでRSSを体験する
     3.RSS開発編:RSS情報提供機能をASP.NETサイトに付加する
 

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