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EuroBSDCon 2011レポート

はっきり見えてきたFreeBSD 10の行方


後藤 大地
2011/10/25
BSDの国際会議「EuroBSDCon 2011」がオランダで開かれた。BSD系統のOSの行方を決める会議から、BSD系統のOSの将来像と、オープンソースソフトウェアの世界の進む道を探った(編集部)

 2011年10月6日から9日(オランダ時間)にかけて、オランダの都市マァルシェン(Maarseen)においてEuroBSDCon 2011およびFreeBSD DevSummit2011が開催された。ヨーロッパでは、毎年各国持ち回りで*BSD関係者の国際会議「EuroBSDCon」を開催しており、2011年はオランダで開催となった。

記事概要
EuroBSDCon 2011レポート
 はっきり見えてきたFreeBSD 10の行方
Page 1
 FreeBSD 10に向けて、いろいろ挙がる機能要求
  Page 2
 ケーパビリティを利用したアクセス制限機構
 「パッケージセット」と「ウィークリーアップデート」
  Page 3
 GPLフリーのツールチェーン実現への道
 各国からの参加状況

EuroBSDCon 2011およびFreeBSD DevSummit2011の開催地となったオランダの都市Maarseen

 EuroBSDCon 20111と合わせて開催されたFreeBSD DevSummitは、FreeBSDの開発の今後の方向を議論したり改善点などのアイデアを検討する会議だ。本稿では、EuroBSDCon 2011およびFreeBSD DevSummit2011から、特に興味深かった話題を紹介する。

FreeBSD開発者および招待を受けた者のみが参加する開発者会議「FreeBSD DevSummit2011」

FreeBSD 10に向けて、いろいろ挙がる機能要求

 FreeBSD 9系で初めてのメジャーリリースとなる、「FreeBSD 9.0-RELEASE」の正式公開が近づいているが、開発ブランチのバージョンはすでに10-CURRENTになっている(CURRENTとは、開発途上のソフトウェアも収録しているブランチ。安定動作を重視するユーザーのためにはSTABLEというブランチがある)。そのせいか、開発者の興味の対象は次期バージョンである10へ移っている。最近、FreeBSDは2年おきにメジャーアップグレードを実施している。このペースでアップグレードが続くとすれば、FreeBSD 10の正式版は2014年の早い時期に登場となりそうだ。

 2011年5月にカナダで開発者会議「BSDCan 2011」を開催されたときに、FreeBSD 10で実現したいと開発者が考えている機能の提案を集めていたが、オランダでも同様の提案を集めていた。集まった提案を見るとなかなか興味深い。集まったアイデアの中から、ファイルシステムに関するものの一部を以下に挙げる。

  • UFS(UNIX File System)ライブリサイジング/GEOMライブリサイジング
  • ZFS(Zettabyte File System)の並列処理の高速化/tmpfsの並列処理の高速化
  • UFSシンプル化/i-node 64ビット化
  • 対応するすべてのファイルシステムをMPSafe対応へ
  • HAST(Highly Available STorage)の2ノード以上への対応
  • CAM(Common Access Method)のマルチパス対応
  • NandFSの開発
  • UnionFSストレステストの実施

 提案内容を見ると、現在世界中のユーザーが問題視しており、改善を期待していることが多い。業務などで必要になる機能も多く見られる。UFSのリサイズなどこれまでも要求があった機能だ。i-nodeの64ビット化も妥当な提案だ。ZFS並列処理の高速化なども多くのユーザーが望んでいる。ZFSは特定の処理の並列化が済んでいないので、ここが性能上のボトルネックになっている。この部分を並列化することで並列処理性能の向上が期待できる。HASTの2ノード以上への対応はHAST開発当時から次期開発目標として掲げられていたもの。

 XenのDom0やDomUとして動作させるようにすることや、Xenでamd64に対応することなど、Xenに関する要望も多い。Amazon EC2に対応するために需要が高まっているということもあるが、エンタープライズでの採用ということになるとやはりXen対応を求める声が大きい。

 i386だけでなく、ARM/MIPS/PowerPCといったアーキテクチャへの展開などFreeBSD 10ではXenへの対応がどこまで進むかに注目したい。

 ちなみに、5月にカナダで開催されたBSDCan 2011併設の「DevSummit2011」では以下のような提案があった。

  • ハイパーバイザ「BHyVe」と仮想化機構「Jail」の間のマイグレーション
  • BHyVe管理機能強化
  • スレッドレベルクレデンシャル
  • トランザクショナルNFS exportアップデート
  • Linuxとのバイナリ互換性改善(inotifyの実装、64ビット対応)
  • リソース制御機能
  • 新しいハードウェアに対応するデバイスドライバ(Thunderbolt、高速NIC/無線LAN、並列デバイス検出、ホットプラグPCI、アンマップIO)

 ここに挙がっている項目はあくまでも開発者によるブレインストーミングで出てきたものであって、確実に開発が進むというわけではない。ここに挙がっているもの以外は開発が進まないということでもない。あくまでも関係者がどういったことに興味を持っているかということを示すものだ。しかし、2年後に登場することになるFreeBSD 10に取り込まれる可能性がある機能や改善の一覧に近いものになりそうだ。

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