OSGi対応のホームゲートウェイも投入

日立がNGNへの取り組み強化、「かえってSOHOにとって魅力的」

2008/01/29

 日立製作所は1月29日、NTTグループが3月より開始予定のNGN(Next Generation Network)をにらみ、通信・ネットワーク事業の強化を図る方針を明らかにした。NGN対応の宅内向けゲートウェイやSOHO/中小規模企業向けの小型IPテレフォニーサーバなどを投入し、2010年には5000億円の売り上げを目指す。

 日立はすでに、2006年よりNTTが実施してきたNGNフィールドトライアルに参加し、SDP(サービス提供基盤)の検証を行ってきた。家庭に置かれた監視カメラや証明、健康機器などがNGNを介して管理センターのアプリケーションと連動することで、質の高いホームセキュリティや介護/ヘルスケアサービスを提供できるという。また、宅内機器とセンター基盤の両方が、Javaをベースに、OSGi(Open Service Gateway initiative)フレームワークを実装しているため、リモートからの設定支援やアプリケーションの追加、更新などを容易に行える点もメリットという。

hitachi01.jpg 日立が販売予定のホームゲートウェイ

 同社はこうした検証結果を踏まえ、2008年度第1四半期(4〜6月)中に、OSGi対応のインテリジェントホームゲートウェイを販売する予定だ。ギガビットイーサネットポートや無線LAN機能を内蔵し、NGN-SIPやIPv6マルチキャストに対応するほか、将来的なアプリケーションの追加に対応できるよう、宅内機器の制御機構や音声合成エンジン/スピーカーなども搭載する。価格は未定だ。

 一方企業向けの取り組みでは、IPテレフォニーソリューション「Communimax」をNGNに対応させていく。その第1弾として、SOHOや小規模拠点向けの小型SIP/IPテレフォニーサーバをリリースする予定だ。さらに2009年度にかけて、中大規模拠点向けのゲートウェイ製品やNGNのQoSに対応したビデオ会議システムなどを投入していく計画という。

 「2008年度はNGNの創生期、2009年度は普及期になると予想している」と同社理事、情報・通信グループネットワーク事業統括の竹村哲夫氏は述べる。特に、すでにネットワークの整備が進んでいる大規模な企業よりも、SOHOをはじめとする比較的小規模な企業でのNGN需要の伸びに期待しているという。「SOHOのほうがかえって、セキュリティの担保をはじめとする、NGNによる『インターネットプラスアルファ』が魅力になるのではないか」(同氏)

(@IT 高橋睦美)

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