ビル管理システムと連携可能

日立、非接触IC利用の入退室管理システム「秘堰(HISEKI)」を投入

2008/02/29

 日立製作所は2月29日、非接触ICカードや指静脈認証などの各種セキュリティシステムと連携する入退室管理システム「秘堰(HISEKI)」を発表した。非接触ICカードを用いたオフィスセキュリティの業界規格「SSFC」やビル管理システムの標準プロトコル「BACnet」に対応する。

 秘堰は、入退室管理サーバとWebブラウザからアクセスできるGUIベースの管理コンソール、非接触ICカードリーダ、指静脈認証装置、各種機器の認証・制御を行う「フロアコントローラ」で構成される。

 入退室管理サーバは、フロアコントローラを128台まで接続できる。また、最大で1024台の非接触ICカードリーダを制御し、6万5000枚までの非接触ICカードを管理することが可能。利用可能な非接触ICカードは、FeliCaやMIFARE、ミューチップ(カードタイプ、シールタイプ)など。指静脈情報は8000指分が登録できる。

 また、フロアコントローラにはセキュリティセンサーやエレベータ制御盤を接続できるほか、入退室管理サーバをID管理システムやビル管理システムと連携させることでセキュリティゲート、監視カメラ、空調・照明機器も連動させられる。

 日立製作所では、オフィス内だけでなく、ビル全体で強固なセキュリティが求められる金融機関や病院、データセンター、工場などを対象に秘堰を販売する意向だ。

 例えば、オフィス内のPCにログインやプリンタやFAX複合機など利用を、入室時に認証を行った非接触ICカードで制御したり、監視カメラを連動させて行動記録を残したりできるようになる。

 また、駐車場にICカードリーダ付き車両ゲートを設置することで、契約者の入退場手続きを簡略化したり、セキュリティゲートで部外者の不正侵入や共連れを防止することが可能になる。そのほか、エレベータ制御盤と連携することで、部外者のエレベータ利用を抑止したり、利用者IDによって目的階ボタンの制御を実施することもできる。

 病院では、電子カルテシステムと入退室用IDをマッチングさせて医療事故の防止に役立てられる。スタッフには非接触ICカード、入院患者にはリストバンド型のRFIDタグを貸与し、見舞い客など一時的な利用者にはICチップ入り紙カードを発行するなど状況に応じたIDの発行が可能だ。

 特に新生児室など厳格な入退室の管理が求められる場所では、非接触ICカードリーダによるドアロックの制御や、退室時には職員と2名での操作を求められるような仕組みを構築できるという。

(@IT 岡田大助)

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