Xenなどに特化したパッケージも

DRBDで高可用のLinuxシステムを実現、サードウェアがサポート強化

2008/05/09

 サードウェアは5月9日、オープンソースのミラーリングソフトウェア「DRBD」およびその商用版「DRBD Plus」のサポートサービスを開始することを発表した。DRBDを開発しているオーストリアのLINBIT Information Technologyと認定パートナー契約を結び、日本語によるサポートやトレーニングサービスを提供していく。

 DRBDは、GPLで配布されているオープンソースのミラーリング・レプリケーションソフトウェア。Linux上で動作し、デバイスドライバレベルでHDDのデータを同期させることにより、どちらか1台に障害が発生してもデータを保護し、システムの早期復旧を支援する。

 商用版のDRBD Plusでは、DRBDの2台に対し、3台のマシンの間でデータの同期が可能で、ディスク容量も16TBまでサポートするなど、スケーラビリティが強化されている。さらにWAN回線越しのレプリケーションも可能なため、災害対策に利用することも可能だ。

 サードウェアによると、すでに国内でも30セット以上の導入実績があり、特に企業にとってクリティカルなメールシステムのほか、LAMPスタックなどの可用性向上に利用されている。ファイルシステムレベルではなく、ディスクI/Oの手前でデータを同期させるというアーキテクチャを採用しているため、アプリケーションに対し透過的に動作する点が特長だ。

drbd01.jpg サードウェア代表取締役社長の久保元治氏

 サードウェア代表取締役社長の久保元治氏によると、ITシステムの稼働時間に対する要求の高まりやコンプライアンス対応などにより、クラスタリングやデータ保護のニーズはさらに高まりつつある。その意味で、DRBDが果たす役割は大きくなると予想されるが、「ソフトウェア自体は無償で導入できても、そのアップデートやセキュリティ対応などを自力で行おうとすると相応の手間がかかる」(同氏)。新たに開始するサポートサービスを通じて、日本語による問い合わせ対応体制を整えることにより、こうした懸念をなくすことが狙いだ。

 サポートサービスには、応答時間や構築サポートの内容により「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」および「プラチナ」の4メニューが用意されており、まずブロンズとシルバーの2種類から提供を開始する。年間サポート料はそれぞれ39万円、79万円。7月からは教育サービスも開始する。

 同時にLINBITの支援を受け、特定の目的に特化したソリューションパッケージも提供していく。具体的には、仮想化ソフトウェア「Xen」のクラスタを構築する「DRBD仮想化エンタープライズクラスタ」、DRBD PlusやIP-SANを組み合わてディザスタリカバリシステムを構築する「DRBDストレージエンタープライズクラスタ」を用意。今後はさらに、データベースソフトウェア「PostgreSQL」対応のパッケージなどを提供する計画という。

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(@IT 高橋睦美)

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