センサを組み合わせての温度・湿度監視も可能に
「電源抜いて強制再起動」をリモートから、ラリタンの新製品
2008/05/23
日本ラリタン・コンピュータは5月23日、リモートからの電源オン/オフやモニタリングが可能なラック用電源タップ「Dominion PX」の機能を強化した。センサの追加により、ラック内の温度/湿度を計測し、リアルタイムにモニタリングできるようになる。
Dominion PXは、電源供給というタップとしての基本機能に加え、LANポート/シリアルポートを介してリモートからのコントロールやモニタリングが可能なPDU(Power Distribution Unit:ラック用電源タップ)製品だ。Webブラウザベースの管理画面上で、遠隔地のラックに設置した電源のオン/オフを切り替えられるほか、電流や電圧、消費電力といった情報をモニタリングできる。タップ全体ではなくコンセント単位で制御・監視できる点が特長だ。
さらに、同社の主力製品であるKVMスイッチやシリアルコンソールサーバと連動させることも可能だ。
例えばサーバに障害が起こったとき、まずKVMスイッチを介して状況を把握し、復旧処置を試みてもフリーズしたままならば、電源オフにより強制的にリブートさせる、といった対応を、ラックまで足を運ぶことなく、リモートから行うことができる。この際、複数の機器をグルーピングしたり、一気に電圧が下がることを避けるため、電源再投入時の時間をずらすといった設定が可能だ。
同社代表取締役の市村修一氏は、サーバ管理負荷の軽減といったこれまでの課題に加え、「サーバやデータセンタの省電力という課題が浮上している」と指摘。ネットワーク経由でオン/オフや使用状況を管理できるDominion PXでリアルタイムに状況を把握すれば「より最適な電源管理が可能になる。これまでのKVMスイッチを軸としたITインフラ管理に、電力管理を追加できる」と述べている。
なお機能強化では、ファームウェアのバージョンアップにより、外付けのセンサを組み合わせて、ラック内の温度・湿度情報を収集できるようになった。閾値を超える場合にはアラートを発するよう設定できる。また、6月販売予定のセンサ追加用ハブを組み合わせれば、Dominion PX 1台を介して最大8カ所までの測定が可能だ。
Dominion PXには、1Uサイズで8個のコンセントを備えた「DPCR8-15-J」「DPCR8A-20L6-J」と、ラックの側面などに取り付ける0Uサイズの「DPCS12-20L-J」「DPCS12-30L-J」「DPCS20-30L-J」があり、いずれも電気用品安全法(PSE法)に適合している。価格はオープンプライスだが、市場想定価格は12万6000円から。また温度センサは1万数千円程度からの見込みという。
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