エンタープライズおよび米国外のビジネス強化へ

クラウド実装には「Network as a Service」が必要、アカマイ

2010/08/23

 アカマイ・テクノロジーズは8月19日、同社の戦略に関する説明会を開催した。米アカマイのインターナショナル・マーケティング担当副社長、マーティン・ヘリング氏は、米国以外での売り上げ拡大に注力する方針を示した。

 アカマイは、コンテンツおよびアプリケーション配信を高速に行うためのインフラおよびサービスを提供している。全世界に配置した、7万台以上のサーバで構成する「Edge Platform」や独自のルーティングプロトコルなどを組み合わせ、通常のインターネットを介する場合に比べ高速かつ低遅延な通信を実現。インターネットを流れるトラフィックのうち20%をコントロールしているという。「いまのインターネットはカオスで、パケットがどの経路を通るか分からない。アカマイはこれに対し、高速で安全かつ信頼性の高いポイントを介した配信を行う」(ヘリング氏)。

 現在、アカマイの売り上げのうち米国とそれ以外の地域の比率は7対3だという。ヘリング氏は「この比率を6対4にし、米国以外の市場におけるビジネスを強化していきたい」と述べた。

 具体的な施策の1つが、チャネルパートナーを介した販売の強化だ。もう1つは、アプリケーション配信ビジネスの拡大である。「アカマイは、コンテンツや動画を配信するCDN(コンテンツデリバリネットワーク)事業者として知られているが、アプリケーションデリバリネットワークにもビジネスを広げていく」(ヘリング氏)。顧客も、従来多かったメディア系企業だけでなく、製造や建設、金融、あるいは公共部門といったエンタープライズ分野に広げていきたいという。

 これを実現するため、動画配信だけでなく、セキュリティ関連のサービスやモバイルデバイス向けの最適化、クラウドも事業の柱に据えていく。「IaaSやPaaS、あるいはSaaSを実装するときに忘れがちなことだが、安全で低遅延、予測可能な形でこれらを実装するには『Network as a Service』が必要だ」(ヘリング氏)。例えば仮想デスクトップひとつ実現するにしても、データセンターとユーザーが遠く離れており、遅延が発生すれば、ユーザーエクスペリエンスは低下してしまう。そうした部分を、アプリケーション配信ネットワークを通じて補っていく方針という。

(@IT 高橋睦美)

情報をお寄せください:

Master of IP Network フォーラム 新着記事

キャリアアップ

- PR -

注目のテーマ

- PR -
ソリューションFLASH

「ITmedia マーケティング」新着記事

IBMが「巨大金魚鉢」で警告 生成AIがマーケターにもたらすリスクとは?
IBMが、ラスベガスの球体型アリーナ「Sphere」を、奇妙な魚が泳ぐ金魚鉢に変えた。テクノ...

広告業界の平均年収上昇率ランキングトップ10
国内540万社の企業情報を網羅した日本最大級のデータベース「SalesNow DB」が、上場企業...

ドミノ・ピザに学ぶ「必ず記憶に残る」ブランディング(無料eBook)
“たまたまピザを売っているEコマース企業”を名乗るドミノ・ピザの斜め上を行く発想はど...