XenAppによるアプリケーション配信機能も

iPadを安心して業務で使える環境を、IIJがサービス群発表

2010/09/30

 インターネットイニシアティブ(IIJ)は9月30日、iPadやiPhone、Androidなどのモバイルデバイスやスマートフォンを業務で安全に利用するためのサービス群「IIJ GIOスマートモバイルソリューション」を発表した。

 IIJ GIOスマートモバイルソリューションは、パブリックなインターネットではなく、閉じたIP網(閉域接続)を介して企業ネットワークやIIJのクラウド基盤にアクセスし、業務アプリケーションを利用できる環境を提供する。すでに提供ずみの接続サービス「IIJモバイル」などを使って、社内網への閉域型リモートアクセスを可能にする接続サービス、既存のアプリケーションをモバイルデバイス上で利用できるようにするゲートウェイ機能、企業のポリシーに沿ってモバイルデバイスを効率的に管理、コントロールする「Smart Mobile Manager」という3種類のサービスから構成されている。

 接続サービスでは、モバイルアクセスサービスのIIJモバイルに、独自の「IDゲートウェイ」を介して社内ネットワークとIIJのバックボーンを接続する「IIJダイレクトサービス」を組み合わせて提供し、インターネットを介さず、プライベートIPアドレスで社内ネットワークにアクセスできるようにする。

 さらに、NTTドコモのFOMA回線を利用する「IIJモバイルサービス/タイプD」に対応したモバイルWi-Fiルータの開発も進めており、これらを組み合わせて安定した接続環境を提供する計画だ。モバイルルータの想定価格は、2年レンタルの場合で月額800円程度となる。また、IIJモバイルサービス/タイプDの料金は、2年契約の場合で月額5700円。

 ゲートウェイ機能では、IIJのデータセンター側にシトリックスのアプリケーション仮想化製品「XenApp」を設置。これを企業システムとプライベート接続し、無償で導入できるクライアント「Citrix Receiver」を介して、既存のWindowsアプリケーションをモバイルデバイスに配信する環境を提供する。ICAによる画面転送を利用することで、Flashなど、iPhoneやiPad上では動作が困難なアプリケーションも利用可能だ。また、既存のネットワーク構成などに手を加えることなく、迅速に導入できることもメリットだという。価格は、100ユーザーの場合で初期導入費用が18万5000円、月額料金は25万8000円。

 Smart Mobile Managerは、端末の管理やセキュリティ対策を徹底するためのサービスだ。「業務用モバイル端末を導入するときの課題として、紛失対策やセキュリティ対策、管理の効率化や機能の統制などが挙げられる」(同社マーケティング本部 プロダクトマーケティング部 青山直継氏)。Smart Mobile Managerは、管理画面からリモートで各端末のセキュリティ対策や管理を行う機能を、SaaSとして提供する。

iij01.jpg Smart Mobile Managerのデモ。右側の管理画面で初期化を指示すると、左側の端末でそれが実行される

 サービスは現在開発中で、まず試験サービスとして、紛失時にリモートから設定を初期化する「リモートワイプ」機能を、11月から無償で提供する予定。その後、2011年3月以降に正式サービスを開始し、リモートからの端末設定や障害対応、アプリケーションの制御、バックアップといった機能を追加し、有償で提供していく計画だ。対応するOSはiOSとAndroid、Windows Mobileで、料金は100台の場合で初期費用数万円、月額料金は1台当たり数百円程度を見込んでいる。

 なお同社は、一連のサービス提供に合わせて米アップルと販売代理店契約を締結。Wi-Fi版のiPadを法人向けに販売していくことも明らかにした。

(@IT 高橋睦美)

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