メールやWebのトラフィックをSaaS型で保護
ゲートウェイでの対策もSaaSで、マカフィーが新サービス
2011/01/26
マカフィーは1月26日、企業向けのSaaS型セキュリティサービス「McAfee SaaS Email Protection」と「McAfee SaaS Web Protection」を発表した。これまでオンプレミスで設置されることが多かった境界セキュリティ機能をSaaS形式で提供するもので、2月21日から開始する予定だ。
同社はすでに、企業クライアントPCをSaaS形式で保護する「McAfee SaaS Endpoint Proteciton」を提供している。これに対し新製品が提供する機能は、企業のゲートウェイ部分でトラフィックを検査し、マルウェアなど有害なコンテンツをブロックするというもの。「これまでハードウェアアプライアンスとして、オンプレミスで設置していたものをSaaSとして提供する」(同社マーケティング本部長 安藤浩二氏)という。
新サービスは、米マカフィーが2009年に買収したMX Logicの技術を下敷きにしている。これに、マカフィーが全世界的に展開している脅威情報データベース、GTI(Global Threat Intelligence)を組み合わせ、ウイルスやマルウェア、スパムなどを検出する。導入時には、既存システムのDNS設定に変更を加えることになる。
McAfee SaaS Email Protectionは、複数のスパム/ウイルス判定エンジンを用いてウイルスやスパムメールを検出し、隔離するサービスだ。自社のメールサーバには、フィルタ後のメールだけが届くことになる。「多段判定エンジンで誤検知をなるべく少なくしている」(同社マーケティング本部 プロダクトマーケティング部長 近藤学氏)ことが特徴。また、自社メールサーバに障害が起こったときに、Webインターフェイスを介してマカフィー側で一時的にメールの送受信を行える機能も提供する。
McAfee SaaS Web Protectionは、Web経由で侵入するマルウェアをブロックするサービスだ。GTIの情報を利用したレピュテーションに基づくフィルタリングに加え、コンテンツ解析を組み合わせ、動的に変化するマルウェアもブロックする。
ライセンス料金は、McAfee SaaS Email Protectionが25ユーザーまでの場合で年額4460円から、McAfee SaaS Web Protection年額5960円から。マカフィーでは、市場が成熟しつつある既存のソフトウェア/アプライアンス製品に対し、SaaSを成長が見込める戦略的製品と位置付け、アーカイブやアプライアンスとのハイブリッド構成などにラインアップを広げていく計画だ。
関連リンク
情報をお寄せください:
- Windows起動前後にデバイスを守る工夫、ルートキットを防ぐ (2017/7/24)
Windows 10が備える多彩なセキュリティ対策機能を丸ごと理解するには、5つのスタックに分けて順に押さえていくことが早道だ。連載第1回は、Windows起動前の「デバイスの保護」とHyper-Vを用いたセキュリティ構成について紹介する。 - WannaCryがホンダやマクドにも。中学3年生が作ったランサムウェアの正体も話題に (2017/7/11)
2017年6月のセキュリティクラスタでは、「WannaCry」の残り火にやられたホンダや亜種に感染したマクドナルドに注目が集まった他、ランサムウェアを作成して配布した中学3年生、ランサムウェアに降伏してしまった韓国のホスティング企業など、5月に引き続きランサムウェアの話題が席巻していました。 - Recruit-CSIRTがマルウェアの「培養」用に内製した動的解析環境、その目的と工夫とは (2017/7/10)
代表的なマルウェア解析方法を紹介し、自社のみに影響があるマルウェアを「培養」するために構築した動的解析環境について解説する - 侵入されることを前提に考える――内部対策はログ管理から (2017/7/5)
人員リソースや予算の限られた中堅・中小企業にとって、大企業で導入されがちな、過剰に高機能で管理負荷の高いセキュリティ対策を施すのは現実的ではない。本連載では、中堅・中小企業が目指すべきセキュリティ対策の“現実解“を、特に標的型攻撃(APT:Advanced Persistent Threat)対策の観点から考える。