NewsInsight
Webアプリとサーバ/デスクトップアプリに分けて28項目を解説
IPA、安全なアプリ開発技法の体験学習ツールを公開
2011/01/27
情報処理推進機構(IPA)は1月27日、安全なアプリケーション開発技法の学習ツール「AppGoat」を開発したことを発表した。ソフトウェア開発者やWebサイト運営者を対象に、同日からベクターで、1月28日からはIPAフォーラムのWebサイトで公開する。
アプリケーションに対する不正アクセスやマルウェアによる攻撃を防ぐには、設計/開発時から安全面を考慮し、なるべく脆弱性を作り込まない形で実装していくことが重要だ。だが、どうすれば脆弱性を発見でき、どのように修正すればよいかを学べるツールが十分に整備されておらず、脆弱性がなかなか減らない要因の1つになっていたという。
AppGoatはこの課題を踏まえて開発された体験型学習ツールだ。大きくWebアプリケーションとサーバ・デスクトップアプリケーションの2つに分けて、脆弱性の原理から検証手法、影響、対策方法を対話的に解説する。Webアプリケーションに関してはクロスサイトスクリプティングやSQLインジェクションなど15種類の、サーバ/デスクトップアプリケーションではバッファオーバーフローやディレクトリ・トラバーサルなど13種類の学習テーマを用意した。
AppGoatの動作環境はWindows XP SP3/Windows Vista SP2/Windows 7。これからセキュリティについて学ぼうと考える初級者から、現場の開発者、セキュリティエンジニアまで幅広い層向けに提供していく。
なおIPAでは、セキュリティを考慮したWebサイトの作成に参考となる情報をまとめた「安全なウェブサイトの作り方」といった資料も公開している。
関連記事
情報をお寄せください:
Security&Trust フォーラム 新着記事
- Windows起動前後にデバイスを守る工夫、ルートキットを防ぐ (2017/7/24)
Windows 10が備える多彩なセキュリティ対策機能を丸ごと理解するには、5つのスタックに分けて順に押さえていくことが早道だ。連載第1回は、Windows起動前の「デバイスの保護」とHyper-Vを用いたセキュリティ構成について紹介する。 - WannaCryがホンダやマクドにも。中学3年生が作ったランサムウェアの正体も話題に (2017/7/11)
2017年6月のセキュリティクラスタでは、「WannaCry」の残り火にやられたホンダや亜種に感染したマクドナルドに注目が集まった他、ランサムウェアを作成して配布した中学3年生、ランサムウェアに降伏してしまった韓国のホスティング企業など、5月に引き続きランサムウェアの話題が席巻していました。 - Recruit-CSIRTがマルウェアの「培養」用に内製した動的解析環境、その目的と工夫とは (2017/7/10)
代表的なマルウェア解析方法を紹介し、自社のみに影響があるマルウェアを「培養」するために構築した動的解析環境について解説する - 侵入されることを前提に考える――内部対策はログ管理から (2017/7/5)
人員リソースや予算の限られた中堅・中小企業にとって、大企業で導入されがちな、過剰に高機能で管理負荷の高いセキュリティ対策を施すのは現実的ではない。本連載では、中堅・中小企業が目指すべきセキュリティ対策の“現実解“を、特に標的型攻撃(APT:Advanced Persistent Threat)対策の観点から考える。