業務用SaaSにシングルサインオン

ヴイエムウェア、SaaSと社内認証の連携サービスを発表

2011/05/19

 米ヴイエムウェアは5月17日(米国時間)、企業内のユーザー認証と、各種SaaS(クラウドアプリケーション)のユーザー認証を結び付けるシングルサインオンサービス「Horizon App Manager」を発表、英語圏の「早期アクセス顧客」に対するサービスとして提供を開始した。年内に正式サービスへ移行するとともに、日本語への対応も行うという。米シトリックス・システムズも来週開催のイベント「Citrix Synergy」で同様のツールを発表すると見られ、これを考慮してこの時期に発表したのかもしれない。

 Horizon App Managerは、企業社内とクラウドアプリケーションのユーザー認証の橋渡しをする機能。企業の社内では「Enterprise Connector」というソフトウェアプロセスを動かすが、機能の主体はヴイエムウェアがサービスとして提供する。ユーザーはiPhone/iPad、Android、Chrome OSなどと同様に、アプリケーションアイコンが並んだ画面から、使いたいアプリケーションを選択して利用開始することができる。そしてActive Directoryなどの社内ディレクトリサービスのユーザーアカウントとパスワードを用いて、これらすべてのアプリケーションにシングルサインオンできるようになる。

vmware01.jpg ユーザーはセルフサービスで自分の使うアプリを選んで有効化できる

 ヴイエムウェアではOAuth、SAMLによって、社内でのユーザー認証を、各種クラウドアプリケーションへの認証に橋渡しするサービスを提供する。対応SaaSとしてニュースリリースや説明スライドに名前が挙げられているのは、Box.net、Google、Salesforce.com、SlideRocket、VMware Zimbra、WebEx、Mozy、BroadVision、trovix、workday、digg、Linkedin、Taleo、Success Factors、Zohoなどだ。SlideRocketとZimbraはヴイエムウェアが買収したサービス。WebExはシスコ傘下にある。Mozyは最近EMCがヴイエムウェアへ運用を移管したサービス。Box.netは先週EMCが提携を発表したサービス。

 企業のIT管理者は、ヴイエムウェアのサービスが提供する管理画面で、各クラウドアプリケーションの社内ユーザー/グループへの割り当てや、各ユーザーのアプリケーション利用をトラッキングする機能などが使える。Google Appsでは法人ライセンスの取得から各エンドユーザーへのライセンスの払い出しのプロセスを完全に自動化できるという。

vmware02.jpg IT管理者はアプリケーションをグループやユーザーに割り当てられる

 今回のサービスでは、PCだけでなく、さまざまな端末で、社外からでも単一の社内ユーザーアカウント/パスワードでアプリケーションにアクセスできることがポイントだ。

 「Horizon App Manager」はヴイエムウェアが昨年、「VMworld 2010」で発表した「Project Horizon」構想の第1弾。Project Horizonでは、エンドユーザーが社内外のアプリケーション/SaaSに対し、さまざまな端末から一貫したアクセス環境を提供し、その一方で、企業の管理者が統合的なユーザーアカウント管理を提供できるようにすることを目指している。従って同社は最終的に、社内のアプリケーションと、今回のようなクラウドアプリケーションを、まったく同じように利用管理できる世界を目指している。しかし、これがいつ実現するかは未定という。

(@IT 三木泉)

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