省電力、省スペースのメリットを訴求

デルがクラウド向け高密度サーバ、OpenStack導入支援も

2011/08/25

 デルは8月24日、クラウド構築に向けた高密度サーバの新機種を発表した。また、オープンソースのクラウド構築・運用ソフトウェアOpenStackの導入支援の活動についても説明した。

 新製品「Dell PowerEdge C5220マイクロサーバ」は当初、欧州のあるサービスプロバイダのための専用モデルとして開発されたもの。ラック単位の電源容量が限定されているようなケースでも、少ないスペースで多数のサーバを動かしたいというニーズに応えている。

 同サーバは3Uサイズのシャーシに、1ソケットサーバモジュール(同社は「スレッド」と呼んでいる)を複数挿す構成。8枚あるいは12枚のスレッドを搭載できる。すなわち、3Uのサイズで最大48コア(4 コア×12)を提供可能。

dell01.jpg C5220の8スレッドモデル

 CPUには低消費電力のXeon E3-1200シリーズ、あるいはCore i3-2120を搭載できる。12スレッドモデルはTDP 20〜65WのCPUに対応。8スレッドモデルはTDP 20〜95WのCPUが使える。各スレッドは1 CPUソケットであり、省電力と密度に重きを置いているため、クラウド環境のフロントエンドサーバとしての利用を想定しているという。

 C5220の各スレッドは、基本的に独立したサーバだ。電源装置は、シャーシの二重化電源ユニットを共用する。ファンもシャーシに搭載したものを使う。これら以外は何も共用しない、各スレッドはDIMMスロットを4スロット搭載。ハードディスクドライブは2.5インチだと4基、3.5インチだと2基搭載できる。ネットワークはギガビットイーサネットが2ポート備わっている。I/Oスロットは、8スレッドモデルのみPCIe×1が利用可能。8スレッドモデルはLSIのカードを使うことでハードウェアRAIDが組める。

dell02.jpg 右手前に見えるのが2枚の「スレッド」

 スレッドはそれぞれ、シャーシから前面に抜き差しできる。メンテナンス作業はすべて前面、すなわちコールドアイル側から行えるようにしているという。

デプロイメント支援ツールでOpenStack導入を容易に

 デルはクラウド運用基盤「OpenStack」を導入したいサービス事業者への支援についても説明した。

 デルはPowerEdge C6100を使った場合のOpenStack構築についてのレファレンスアーキテクチャとして、推奨構成に関するホワイトペーパーを提供している。また、Apache 2.0ライセンスで「Crowbar」というデプロイメント支援ツールを提供。このツールにより、サーバに対してOS、OpenStackソフトウェア、管理ツールまでのインストールプロセスを自動化できる。スクリプトベースで行うことにより、ソフトウェアのバージョンアップなどにも容易に対応できるという。米デルでは、CrowbarをHadoopなど、ほかのソフトウェアにも適用しているという。

 日本でデルがOpenStackの導入や運用に関するコンサルティングサービスなどを提供するかどうかについては、現在ニーズを見極めている段階という。

(@IT 三木泉)

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