米CA Technologiesのサービス化戦略
IT管理ソフトウェアがSaaSに取って代わられる日
2011/11/16
米CA Technologiesが11月13日より開催している「CA World ‘11」では、同社のIT管理製品におけるサービス化戦略が見えてきた。米CAのジェイコブ・ラム(Jacob Lamm)氏(ストラテジー&コーポレート・ディベロップメント - エグゼクティブ・バイス・プレジデント)は@ITに対し、同社が提供している既存の社内導入型管理ソフトウェアを、長期的にはSaaS化していくと説明した。
CAは従来からの社内導入型管理ソフトウェア群に加え、2010年に買収したNimsoftのSaaS型モニタリングサービス「Nimsoft Monitor」を提供している。国内でも発表されているもので、社内データセンターにおける仮想インフラやサーバ、アプリケーションの稼働状況に加え、社外のIaaS/PaaS/SaaSのパフォーマンスをリアルタイムでモニタリングできる。全般的な状況はダッシュボードで一覧でき、個々の項目をドリルダウンしていける分かりやすいサービスだ。
では、NimsoftのようなIT管理SaaSを、CAはどう位置付けているのか。パフォーマンス管理にしても、同社は「CA Service Assurance」と総称されるさまざまな社内導入型ソフトウェア製品群を提供してきた。これと競合するのではないのか。
これについてラム氏は、現在のところ対象とするマーケットが異なる、と説明する。当然のことだが、Nimsoftのサービスの機能はよりシンプルで包括的なものであり、一方で既存の管理ソフトウェア製品群は、全体として複雑なIT環境を対象とし、高度な管理機能を提供することが目的となっている。
米CAのジェイコブ・ラム氏「Nimsoftは、よりローエンドで導入が早い、SaaS型製品。Service Assuranceはより大規模な企業向けの、はるかに拡張性の高い社内導入型ソリューションだ。企業規模でいえば(年商)20億ドル以上がService Assurance、それ以下はNimsoftの対象だ」。
CAは以前、20億ドル以上の大企業のみを対象としていたが、今後の成長のためには中堅企業を対象としたビジネス拡大が必要と判断、既存製品ではこうしたユーザー層に対応できないため、IT管理SaaS企業の買収を進めてきたのだという。
IT管理ソフトウェアはSaaSに統合されていく
長期的には、社内導入型製品を徐々にSaaS型製品へ統合していくつもりだという。「Nimsoftは軽量で、導入も簡単だ。長期的には大企業も含めてあらゆる企業がこれを求めるようになる。ただし、高度な機能と拡張性も必要だ」。そこで、Nimsoftのサービスは高度化する。一方で、社内導入型製品は軽量化や早期導入に向けた改良を進め、サービス化する。
サービスデスク製品がいい例だとラム氏は説明する。「Nimsoftは、サービスデスクのSaaSも提供している(注:Nimsoftは4月、同社のサービスをITILベースのIT管理全般に広げていくと発表した)。これはそのうち、社内導入型のサービスデスク製品とマージされる。例えば社内導入型のサービスデスク製品を、SaaSクライアントから使うことができるようになる。完全にSaaSに移行したければ、それもできるようになる」。
将来のIT管理SaaSのユーザーインターフェイスの例。ユーザーはシングルサインオンで複数のIT管理アプリケーションを使えるようになる。そしてこの画面で示されているように、サービス内および外部のさまざまなナレッジベースを横断検索する機能などが考えられるという同様なことを、ほかの分野でも進めていくという。CAは7月に、WatchMouseというパフォーマンス管理SaaSの企業を買収すると発表した。このサービスと、CA Wily Performance Managementも統合されていく。Nimsoftが現在提供しているダッシュボード機能は、今後増えていくCAのIT管理SaaSを包括する、フロントエンドとしての役割を果たすようになっていく。
Nimsoftにはすでに約400社のリセラーがいるという。こうしたリセラーは、場合によってはNimsoftのSaaSソフトウェアを自社データセンターやAmazon Web Serviceなどで動かし、これを使って管理サービスプロバイダとして活動しているという。
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