Linux、次のフロンティアはデスクトップ

2000/8/18
(08/14/00, 7:02 p.m ET) By Barbara Darrow, TechWeb News

 まだあらゆる分野に浸透しているとは言えないが、Linuxは着実に進歩している。

 今週開催されているLinux World Expoでは、複数の主要ベンダーが、このオープンソースのOSを(すでに不動の地位を築いている)インターネットサーバの用途を越え、デスクトップにまで普及させようとしている。

 実際のところ、すでに小型のPDAデバイス上でも動作するほどコンパクトなLinuxにとって、デスクトップは次のフロンティアである。

 だが、今のところLinuxには、Windowsで独占状態にあるMicrosoft Officeを擁するMicrosoft陣営から、ユーザーを引き寄せるだけのデスクトップアプリケーションスイートが欠けているのだ。

 IDCのシステムソフトウェアリサーチ担当副社長、Dan Kusnetzky氏は、「OSを選び、それを走らせるためのマシンを選んでいたのは遠い昔の話だ。今は、まず使いたいアプリケーションを選び、それからこれをサポートするOS/ハードウェアを選ぶようになっている」と話す。

 この点に関しては、ハードウェアで競合するSun MicrosystemsとIBM、そしてHewlett-Packard(HP)のほか、Linuxを支持するVA Linux Systemsなどによって構成されるグループが、GNOME(Linux用のデスクトップインターフェイス)で共同作業を進めている。

 現在では、(元々グラフィカルな運用環境を持たない)LinuxのGUIの人気をGNOMEとKDEが二分している。

 観測筋によれば、こういった有力なGUIの存在が、SunのStarOfficeやCorelのOfficeなどのLinuxアプリケーションスイートが、成功を収めるだけのシェア獲得を可能にするのだという。

 Kusnetzky氏によると、これまでLinux/オープンソース現象に対する反応が鈍かったSunは、GNOMEと協力し、Star Officeが確実にGNOMEと今以上に密接に統合できるようにするという。

 今のところの大きな問題は、Linux陣営がどれだけOfficeとStarOfficeの互換性を実現できるのかという点だ。Kusnetzky氏によると、もしユーザーがMicrosoft WordやExcelで作成したドキュメントを開けず、このドキュメントをStarOfficeで開こうと数時間を費やすようなことがあれば、「企業はこれを導入しないだろう」という。

 同氏によると、今日のナレッジワーカーのコストの高さを考えると、年間2〜3時間程度のダウンタイムでも、Microsoft Officeに先行投資する金額以上のコストになるという。

 Kusnetzky氏は、「基本となるインフラのサポート、Webサービス、メッセージング、ファイアウォール、プロキシサーバにLinuxを使う場合、Linuxは現在必要なものすべてを持っている」とし、「いまLinuxで最も人気のある市販の(サーバ)アプリケーションを動作させるための環境においても、同製品はまだまだ成長する」という。

 ところが、「9850万本のソフトウェアが販売され、Microsoftが88%のシェアを持つデスクトップ市場では、Linuxのシェアは市場の4%に満たない」とも加えている。

 新たなMicrosoft対抗勢力が、同じような取り組み(OpenDocが思い浮かぶ)が失敗に終わっている分野で成功を収めることに対しては、懐疑論もある。Linuxベースのハードウェアを製造するVA Linuxの社長兼会長、Larry Augustin氏は、GNOMEが「すでに存在するものであり、多数のオープンソース企業が関与し、最近も他社が参加する積極的な取り組みである点が今回の違いだ」と話している。

 実際、IBM、HP、Dell Computerをはじめとするハードウェア大手各社のほか、Oracleといったソフトウェア業界の巨人も、打倒Microsoftへの次の一手として最適だと、Linuxに対して支持を表明し始めている。

 また、Red Hat、Caldera、そしてVA Linuxなど、純粋にLinuxだけを扱う企業もあり、これらはすべての面においてLinuxをビジネスの基盤としている。

 一方で、IBM、HP、およびCompaq Computerは、Linuxと、各社それぞれが育て上げたUNIXシステムとのバランスを取る必要がある。

 Augustin氏の考えでは、もしSunが本当にStarOfficeを使ってもらおうと思っているのであれば、Sunの取り組みがデスクトップ分野におけるLinuxを強化する可能性はあるが、問題はSunによるStarOfficeのオープンソース化の約束が本当なのかという点だという。

 「SunはGNUによる公開ライセンスで同製品をリリースすると主張しているが、もしそうなれば、成功するチャンスが出てくるだろう」(Augustin氏)

 LinuxとWindowsの両方をサポートしているソリューションプロバイダーでは、「既存のデスクトップ標準であるMicrosoft Officeをサポートする限り、(これらLinux陣営の)デスクトップ分野における基盤アプリケーションに対する取り組みはすばらしいことだ」と話している。

 Linux/Windows両システムのコンサルティング会社、Davison Consultingのオーナー、Hal Davison氏は、「大半の顧客はMicrosoft Officeを使っている。GNOME関係者が共通のAPIを開発してくれればすばらしいかもしれないが、最終目標はMicrosoftの「.doc」フォーマットとの互換性だ。基盤アプリケーションは100%互換である必要がある」と話している。

 これまで、Sunは真のオープンソースライセンス化に踏み切っておらず、Javaと、同社のほかのソフトウェアをSunのコミュニティライセンス下に置いている。

 これはつまり、サードパーティーの開発者はコードをチューニングすることはできるが、手を加えたものを第三者に配布することはできない、ということを意味しており、彼らが改作したコードはSunに返却し、同社が事実上ディストリビューションをコントロールしているのである。

 Linux World Expoは、今週火曜日の午前中に行われたDell会長のMichael Dell氏による基調講演で幕を切り、Linus Torvalds氏が2万5000ドルのCommunity賞の授与を行った。

 ほかにも、Calderaの社長兼CEO(最高経営責任者)であるRansom Love氏と、HPのチーフサイエンティストであるJoel Birnbaum氏が講演している。

 本稿はCRNのPaula Rooneyの寄稿による。

[英文記事]
Desktop Is Next Frontier For Linux

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