まだ長い道のりが続くIntelのItanium

2000/8/19
(08/16/00, 9:20 a.m ET) By Mark Hachman, TechWeb News

 チップは満足のいく出来ではなかったものの、Intelと同社のパートナーは8月15日、実際に機能するItaniumチップをLinuxWorldでデモンストレーションした。

 VA Linux SystemsとMission Critical Linuxの支援を得たIntel、Silicon Graphics、そしてNECという、少なくとも3社の企業がItaniumシステムをLinuxWorldで公開した。実際NECなどは、カスタムデザインのAzusAチップセットを採用した16ウェイのItaniumサーバのデモを行っている。

 しかし、これらのItaniumチップは、約束されていた800MHzというスピードにはほど遠いパフォーマンスを見せていた。カリフォルニア州サンタクララのIntelは先日、Itaniumのリリース日を3カ月程度延期し、これを試験開発システムがリリースされる予定の第4四半期とした。

 だがIntelはLinuxWorldで、自社ブースでは試作品の500MHzのItaniumチップ、そしてSGIとの協力では、SGIのスポークスマンが733MHzのItaniumチップを搭載しているとするシステムのデモなどに取り組んでいた。NECの担当者は、AzusAのプロトタイプで使用されたチップのクロックスピードに関してコメントを控えているが、クロックスピードは予想された800MHzラインよりもはるかに低かったとしている。

 Intelのアーキテクチャグループで執行ゼネラルマネジャー兼副社長を務めるPaul Otellini氏は、先月行われた決算関連のアナリストとの電話会議の中で、「製品化が近づくにつれ、チップの修正および動作確認作業が1カ月の予定の遅れを出してしまった。われわれはその課程で数多くのことを学んだ」と話している。

 このデモは、Intelが自社製チップの今後の方向性についてだれにじゃまされることなく詳細に説明するチャンスを得る、来週のIntel Developer Forumでも繰り返し行われる。

 15日には、ライバルのAMDが、9月末に配布する無償ソフトウェアシミュレーションと、これを補完するWebサイト(http://www.x86-64.org)によって自社の64ビットプロセッサである「Hammer」のデベロッパーを獲得するための計画を発表している。

 Intel、NEC、およびSGIはすべて、基本的なLinuxカーネルがItaniumチップ上で動作するところを見せている。Intelは2台の2ウェイItaniumシステムを組み合わせて、4台の「VA Linux 1000」と4台の「VA Linux 2230」の両負荷バランシングマシンを組み合わせたものから基本的なMP3ファイルをストリーミングさせていた。SGIのスポークスマンによると、同社はほかにも、6台の2ウェイItaniumベースシステムがクラスタ構成でOpenGL対応のLinuxアプリケーションを走らせ、影響を計算する倍精度浮動小数点数学によって連星の衝突による引力および物理的な影響をトラッキングするデモを行ったという。

 NECは、4基のCPUセルを1つのクロスバースイッチで組み合わせた最も洗練されていると思われるItaniumシステムの使用方法を公開した。各セルには4基のItanium CPUが装着されていた。このデモでは、15基のCPUを使ってマンデルブロー集合の微分計算を行った。また、別の1基のCPUがマンデルブローの計算のデモを比較するために使われた。NECはTurboLinuxが配布するLinux 2.4.0カーネルを使い、ItaniumとAzusaチップセット用に別のパッチを当てている。同社によると、Azusaは最大128Gバイトのメモリと128基のPCIスロットの装備が可能だという。

[英文記事]
Intel's Itanium Still Has A Way to Go

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