マイクロソフトのSBSはPCメーカーを救うか?

2001/2/23
(02/21/01, 8:46 a.m. ET) By Mark Hachman, TechWeb News

 米マイクロソフトは2月21日、Small Bisness Server 2000(SBS 2000)の提供を開始した。デルやゲートウェイは、同製品がスモール・ビジネス市場を活気付けると期待を寄せている。

 このソフトウェアは、マイクロソフトと同社の顧客であるPCメーカーの確固たる収益源となりそうだ。マイクロソフトのWebサイト上にあるFAQによれば、SBS 2000は「ネットワーク技術に関しての知識のある人によってインストールされるよう設計された」製品だという。特にゲートウェイの幹部たちは、多くのユーザーがこの定義にあてはまらないことを望んでいる。

 実際、ゲートウェイの幹部によれば、同社ではSBS 2000トレーニング・プログラム開催の是非について検討しているという。これにより他のメーカーと差別化を図る狙いだ。同社は全米にあるGateway Country店でトレーニングを実施し、Network Solution Provider社のネットワークを通じてコンサルティングも行う予定だ。同社ソリューション・マーケティング・グループのマネージャ Stacy Hand氏は、これらの事業がVARである同社にとってとても重要なこととだという。「顧客が必要とするだけの支援を行う」とHand氏は語る。「わが社の秘密兵器は、完全なソリューションを提供していること。ハードウェアとソフトウェアを売ることは誰にだってできる。わが社では、オンライントレーニングを提供し、さらには店でのトレーニング、インストア・トレーニングも開始する」(Hand氏)。

 ゲートウェイはまた、顧客が自由に関連サービスを付加してSBS 2000を購入できるようにする。「今後数カ月間、スモール・ビジネスが十分なパワーを得たらどんなことが実現するのかを顧客に見てもらうつもりです」と同社CEOのTed Waittは放映中のCMで訴えている。同社では先日、Waitt氏が行った経営刷新により、ゲートウェイ・ビジネス本部に主軸をシフトしつつある。

 ゲートウェイの顧客は事前に設定済みの6400か7400シリーズのPCを購入できる。例えば、事前設定済みのSBS 2000を搭載した6400サーバと128MbytesのRAM、9Gbytesのハードディスクの組み合わせが2998ドル。トレーニングは含まれない。メモリとハードディスクを2倍にし、オンライントレーニングを付け加えたアップグレード・タイプになると3582ドルという。無料のセミナーも開催されるが、インストア・トレーニングは149ドル程度を予定している。

 一方、デル・コンピュータも事前設定済みのサーバを提供する。コンパック・コンピュータやIBMでも同様の内容を予定している。

 デルの価格はまだ明らかになっていない。同社ではこの春より、SBS 2000に同社サーバ製品「PowerEdge 300」「同1400」「同2400」「同4400」をセットにして、販売の予定だ。

 IDCの昨四半期の調査結果によると、米国では、デルはスモール・ビジネスに対し第1位のPCのプロバイダだ。SBS 2000の登場は、デルが引き続きトップの座を維持する手助けとなる。

 マイクロソフトではSBS 2000のライセンスを限定している。インストールはサーバ1台に対し5クライアントまでとなっている。追加クライアントは5単位あるいは20単位で可能だが、最大でも50クライアントに限定され、この時点でユーザーは、同社の「Microsoft BackOffice Server 2000」にアップグレードしなければならないという。追加クライアントのための追加パックはフロッピーディスクの形で提供され、1度きりしか使用できないものとなっている。

 1クライアントからソフトウェアを使用できるユーザー数は、仮想的には無制限だ。遠隔からノートPCを介して会社にあるPCにダイアル・インすることも可能となる。しかしFAQには、「きちんとしたライセンスを持ったPCのユーザーは、外部からそのPCに接続してソフトを使用できる。ただし、その場合、接続経由での使用が、総使用時間の20%以下である必要がある」と明記されている。

 SBS 2000のベータ版は昨年夏に提供された。同製品は9つのコンポーネントから構成される。Windows 2000 Server、Exchange 2000 Server、Internet Security and Acceleration Server 2000、SQL Server 2000、Shared Fax Service、Shared Modem Service、同社のモニタリング・ソフトHealth Monitor 2.1 Server、FrontPage 2000 Web Publishing、そしてOutlook 2000である。

 マイクロソフトのWebサイトによれば、標準設定のSmall Business Server 2000は1499ドル〜、アップグレード版では749〜929ドルがプラスされる。追加5クライアントパックは299ドルで、20クライアントの場合は999ドル。同社のオープン・ライセンス・プログラムでは、標準サーバは1299ドルとなっており、ASP価格も用意されている。 

[英文記事]
Microsoft's Small-Biz Server Will Aid PC Makers

[関連リンク]
マイクロソフト
Small Business Sever

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